ザ・グレート・展開予測ショー

とら、トラ、虎! 3) 六道の女たち


投稿者名:ヴァージニア
投稿日時:(03/ 5/ 3)


■六道女学院 校庭 全校集会■

   『 〜というわけで、今年はこの2年生8名、3年生4名が
     GS資格試験に合格しました〜。 みなさん、拍手〜  』

ぱちぱちぱちぱち


六道理事長の挨拶のあと、試験に合格した生徒を紹介し、1人1人にコメントを述べさせた。


   『 それではこれで、全校集会を終わります。 解散! 』


「 はあーっ、緊張した――っ! 」     (←一文字)
「 あなたが表彰台に上るなんて滅多にないことですからね。 」    (←弓)


一文字と弓の周りに2年B組の生徒が集まる。

きゃいきゃい
「 おめでとー、弓さん、一文字さん! 」     (←女生徒A)
「 すごいわ2人とも! 2年生のうちのクラスから2人も合格するなんて! 」   (←女生徒B) 

合格者の周りに、それぞれ同じクラスの生徒達が集まり、祝福していた。
一方、2年G組の夆仙香(ほうせんか)たちの周りでは―――


「 おしかったわ仙香! 弓さえいなければベスト4には残っていたのに! 」   (←女生徒C)
「 ま、1日で4試合も戦かったからね。 霊力の消耗も大きかったし。
  対戦相手に恵まれたかおりとは状況が違うからね。 」    (←仙香:霊体触手)


その声がB組の弓にもきこえたらしい。


「 ちょっと、仙香さん。
  それではまるで私が弱い奴としか戦ってないみたいじゃない。 」    (←弓かおり)
「 違うかしら。 私は4回戦で首席候補といわれた修験者と戦っているのよ。
  霊力も消耗されて当然じゃない。 」
「 私は3回戦であなたと同じクラスの峰さん(雷獣変化の娘)に勝っているのよ。
  それにここの3年生も1人倒しているのよ。 」
「 フッ、今年の3年生を倒したぐらいじゃ自慢にならないわよ。 」
「 なんですって〜(怒)」
ずごごごご
「 すごい殺気だわ・・・ 」     (←女生徒A)
「 さすが2年生の首席を争う2人ね。 」   (←女生徒B)


そこにやってくる3年生のおねーさま達。


「 ちょっと聞き捨てならないわね。
  下級生のくせに生意気なこと言ってくれるじゃない。 」    (←3年生A)
「 あら、3年生はたった4人しか受からなかったじゃない。
  それだけで今年の3年生の実力がしれてるわ。 」    (←仙香)
「 何だとー! 」    (←3年生B)


さらに2年D組も加わる。


「 ねーさんたち落ち着きーや。結果がすべてなんやから。 」     (←前髪の長い少女)
「 あんたは資格試験3位の御剣洋子(みつるぎようこ)! 」     (←3年生B)

「 幸運も実力のうちですわ。組み合わせが良くも悪くも、
  幸運はその人の霊力が呼び込むものですからね。 」    (←聖羅:D組結界能力者)
「 そうそう、両者KOで自滅したあなたたちより、
  洋子のほうが上なんだから。 」     (←春華:D組キョンシー使い)

「 あなたは4回戦どまりだったくせに威張るんじゃないわよ! 」    (←弓)
きーっ
「 なんですってー! 」     (←春華)


「 なんでこの学校って、こんなに対抗心が強いのかしら? 」     (←おキヌ)
「 なんだかんだでエリートお嬢様の学校だからな。 」      (←一文字)


彼女達から離れたところで様子を見ているおキヌと一文字であった。


                  ◆


放課後、一文字は学校の電話でピートと話していた。


「 タイガー今日学校休んでるのか!? ・・・ああ ・・・ああ、じゃあな。 」

がちゃん

「 事務所にも連絡つかないし、どこにいきやがったんだあいつ?
  特訓しようって言ったのによ。 昨日も勝手に帰るし・・・ 」



                  ◆



■夕方 六道女学院女子寮の食堂■

「 ヤッホー、一番乗り!
  おばちゃーん、ご飯大盛り! 味噌汁もね! 」    (←寮生A)
「 ・・・・・・・。 」
「 おばちゃん? 」
もそっ
「 !? 」


「「  きゃあああ―――――っ!!!  」」


「 な、なんだ!? 」     (←自室で雑誌を読んでる一文字)


一文字は自室を出て、食堂へと向かった。


「 どうした!! 」


悲鳴を聞いて集まった女生徒達の視線の先に、割烹着(かっぽうぎ)を着た大男がいた。


「 た・・・・・タイガー!? 」
「 い、一文字サン・・・(泣)」



                  ◆



10分後、寮内のほとんどの寮生が食堂に集まり、タイガーを囲むようにして取調べを行っていた。


「 ここ(女子寮)で住み込みで働くですって〜! 」    (←春華)
「 はあ、家賃の換わりにここ(食堂)で・・・。」

「 冗談じゃありませんわ! 男性と一緒に住むなんて! 」    (←聖羅)
「「 そうよそうよ!! 」」    (←女生徒一同)

「 うちは別にかまわないよ。 」    (←御剣)
「 なに言っているのよ、洋子! こんな野獣みたいな男と一緒に住んで、
  なにされるかわかったもんじゃないわ! 」    (←春華)
「 あ〜それなら心配ないケン・・・ 」
「 どうしてよ! 」    (←春華)
「 そ、それは・・・ 」


そこに風呂上りの峰亜美(みね あみ)がバスタオル1枚の状態でやってきた。


「 何の騒ぎだ? 」     (←亜美:G組獣化能力者)

「「 !!! 」」     (←タイガー)

「 亜美! 」      (←神野:G組心理攻撃を得意とする少女)

 どっくんどっくんどっくん
『 ! ・・・お、おなごのはだか!!! 』 /// かあーっ

びりびりびりびりびりびりびりびり
「「「  グワァアアアッ!!  」」」


突然タイガーに電気が流れ、びっくりする寮生達。


「 な、なにこいつ? 」      (←亜美)
「 いいからあなたは服を着なさい!/// 」    (←神野) 


すたすた
「 あらあら、みんさんいるみたいね。 」
「 おたくもうやっちゃったワケ? 」

「 理事長! 」
「 ・・・それに、小笠原エミおねーさま!! 」

『 おねーさま・・・!
  強くて美しい私のあこがれ―――
  私たちよりほんの少し年上なのに、
  呪術使いで最高のGS・・・・・
  すてき――――!!          』

エミを憧れの目でみる仙香。(24巻P55の絵にエミと仙香をあてはめてみてください。)


「 あら、おたく昨日うちのタイガーを倒したコじゃない。 」
「 えっ? あっ? 」
じーっ
「 へえ〜、ここに住んでるワケね。 」      (←仙香を軽く睨むエミ)
「 あ、あのー・・・(汗)」

「 え〜と、みなさんにご紹介しないといけませんね〜。
  彼はタイガー寅吉くん、エミちゃんのところで助手をやっています〜。
  修行をかねてここの食堂で働いてもらうことになりました〜。 」     (←六道理事長)
「 エミ様の助手!? 」    (←寮生A)
「 このおとこが!? 」    (←寮生B)


小笠原エミの名はGS界において、最高の女呪術師としてその名を知られており、この六道女学院では美神に次ぐ人気を誇っていた。


「 なんでここなんですか!? 」
「 私が説明するワケ。
  タイガーの特技は精神感応、相手に幻覚をみせること。
  ただそれには強靭な精神力が必要で、力を使いすぎると自分自身もコントロール出来ず、
  内なる野獣が目覚めてしまうのよ。
  精神を鍛えるためには、常に理性を保たなければならない。
  とくにあなた達のような霊能力が高いコがいるこの場所は霊的にいい刺激になるワケ。 」

「 でも、もしこの男が何かしたらどうするんですか? 」    (←春華)
「 心配にないわ。タイガーの頭を見てみなさい。 」


タイガーの頭には、鉄のバンドが巻かれていた。


「 それは“ゴクウの輪”。 
  煩悩、つまり邪(ヨコシマ)なことを考えると電気が流れるワケ。
  それも1回流れるたびにどんどん電圧が増していき、最大100万ボルトになるワケ。」
「 ・・・死ぬぞ、マジで。(汗)」     (←小町:A組扇使い)

「 まあ、本当はこいつは女好きには違いないけど、いきなりセクハラしたりナンパしたり、
  着替えを覗いたりするどこかの事務所のGSとは違うから、安心してほしいワケ。 」

『 あいつか・・・。 』     (←一文字)


「 それともうひとつ、エミちゃんはうちで呪術の講師をやってくれることになりました〜。
  みんな〜、よろしくね〜。 」

ざわざわっ
「 すごいわ! 呪術界トップクラスのエミ様の授業がうけられるなんて! 」
「 呪術の講師なんてレアよレア! 」
「 腕は美神お姉さまに匹敵するってうわさよ! 」    (←ざわめく寮生達)
どきどきっ
『 おねーさまが講師! 』    (←ときめく仙香)


「 反対の子はいないわね〜、それじゃあみんな〜、仲良くね〜。 」    (←六道理事長)
「 ・・・あ、それともうひとつ、
  その“ゴクウの輪”、10回電圧がかかったらそこで自動的に解除されるけど、
  その瞬間、あんたはうちの事務所“クビ”だから。 」
「 え? 」
「 そのときは代わりの助手をおたく達から雇おうかしら? 」
ざわざわっ
「「 エミ様の事務所に!? 」」     (←寮生達)
「 ちょ、ちょっとエミさーん! 」     (←タイガー)


エミと理事長は部屋から出て行った。


「 ・・・おいタイガー、マジでここに住むのか? 」
「 一文字さん・・・ はっ! 」
ごごごごごご
『『 この男がエミ様の助手ー!? 』』
『『 ゆるせなーい! 』』
『『 こいつをクビにして私達がエミ様の助手になってやるわ! 』』


ふつふつと怒りにもえる寮生達。
その殺気におびえるタイガーであった。 


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