ザ・グレート・展開予測ショー

ふたつの空から〜よっつめ〜


投稿者名:まさのりん
投稿日時:(03/ 5/ 3)


最近、めっきりと暑くなってきた日差しの下
美神は作業を一段落させ、立ち上がる。
そして、テントの日陰の中に入り、おキヌからお茶を貰う。
おキヌは、微笑みながら、それを見ている。

「それにしても、すごく大きな魔方陣ですね。」
「まあね、相手が相手だしね、できるだけ強力な結界をはっておかないとひどい目にあいそうだからね。」
もう一度コップに口をつけ言葉を続ける。
「ま、この地域だけに被害を抑えるためでもあるんだけど。」


二人の目の前百メートルほど先に、直径数百メートルはある巨大な魔方陣がはられている。
そこには、まだ微調整をしている、数十人ものGメンの技術者たちが作業をしている。
これだけの、魔方陣をはるのには、かなりの、時間・労力がついやされただろう。

「作戦決行は、明後日ですね。」
オキヌは、確認するかのように、美神に話しかける。
ヤマタノオロチという、神話上の怪物と、一戦交えようというのだ、やはり不安なのだろう。
美神はそんなオキヌをみて、気軽に答える。
「ま〜ね、明日までには確実に間に合うでしょ。万全の状態で、しかもあっちは、不完全な状態で、やり合うんだから大丈夫よ。」
そして、不安を取り除くように、優しい声で
「だから、そんな不安げな顔しないの。」
美神の心ずかいに、おキヌは自分の中の決心を、少し固める。
「そうですよね。今回は以前とは違いますよね。」
おキヌは、2年半前の、あの戦いを思い出す。
おそらく、美神の脳裏にも思い浮かんでいるだろう。


一人の、悲しき魔神によって起こされた、人類の存亡を賭けた戦い。
結果は、世間では、人類が侵略をかけて来た魔族を撃退するという、『人類側の勝利』という形で終結を迎えたことになっている。
だが、この戦いで主軸となった英雄と呼ばれたGS達は思う。

「これは、果たしてこちら側の『勝利』なのか。自分たちは、この戦いの勝利者なのか。」と、

この戦いは、一人の魔神が、自分の運命に挑戦するために、起こされたものだった。
確かに、人類側は戦争に勝利した。―――――――一人の女性の命を引き換えに、
【戦争】の勝利者は、最後に生き残って者である。
だが、これは【戦い】だったのだ。
【戦い】の勝利者とは、自分の目的を果たした者である。
魔神は、永遠に閉ざされた輪から抜け出す、という目的をはたした。
人類側は、犠牲を払って地球をまもった。
どんな犠牲を払ってでも目的を果たそうとした魔神と、犠牲を出さずにそれに迎え撃とうとした人類。
はたして、どちらが真の勝利者だったのだろう。


そして、彼は誓う。又このような戦いが起こるのなら、
次こそは、真の勝利者になろう。と



おキヌは誓うようにいう。
「今度は、勝ちましょうね、美神さん。」
「・・・・ええ。」








「けど、あのバカは今頃どこでなにをしてるのかね〜。」
美神は、一人の青年のことを、思い浮かべながら言う。
「こういうときに、役に立たなくていつ役に立とうっていうのかしら。」
「あ、あははは」
二人は、2週間前に小竜姫に伝えられたことを思い出していた。




===2週間前・美神心霊事務所にて====

「おそらく、横島さんのものだと思われます。」
ガタッ「横島さんが見つかったんですか?!!」
おキヌは、思わず小竜姫に迫りながら問いかける。
「お、落ち着いてください。見つかった訳じゃないんですよ。」
「じゃあ、どういう事なんですか?!!」
さらに、おきぬはつめよる。完全に頭に血が上っている。
見かねた美神が口を挟む。
「落ち着きなさい、おキヌちゃん。」
「でもっ」「それじゃ話せるものも話せないでしょ?」
美神は静かに、だが言い聞かせるかのようにいう。
「・・・・・・・・」
小竜姫はオキヌが椅子に座り直したのをみて話を進める。

「一ヶ月前に発生した『穴』の調査を進めていたとき、その周辺に横島さんの霊力に酷似した波動が、確認されたんです。でも、かなり弱まっていて、どこに行ったかは判らなかったんです。」
「波動が、一致、じゃなくて酷似ていうのは?」
美神が問う。
「横島さんが行方不明になる前のデータと今回のデータの一致率は約80%ほどなのね〜、」
「それじゃ、別人じゃないんですか?」(←オキヌ)
「横島さんは、ルシオラさんの魔力遺伝子をもっているのね〜。だから、横島さんは正確には、人間ではなくて人魔って呼ばれる存在なのね〜。人魔は地上界では、かなりめずらしいのね〜。他に確認されてる人魔の人は、一番このデータに近い人でも20%しか合わなかったのね〜。」
「じゃあ、」
「ほぼ、間違いなく横島のものと見て差し障りは無いだろう。」
ワルキューレがいいきる。

横島が生きている。
見つかったわけではないが、全く手掛かりの無かった状態で生きているという事が判っただけで、事務所に、久方ぶりに本来の明るさが少し戻ってきた。
この二年半、やはり皆、無理をしていたのだろう。


ふと、シロがあることにきずく、
「じゃあ、なんで判った時に直ぐ教えてくれなかったでござるか?」
「・・・・それは、」
いいよどむ小竜姫の代わりにヒャクメが答える。
「それは、神魔族の上層部から、このことを広めることに禁止令を出したからなのね〜。」
「・・・・・・・どういうこと?」
「判んないのね〜。穴について調べるために、データバンクにハッキングしてたら、第S級機密ファイルの中に横島さんのことがあったのね〜。」

第S級機密ファイル、つまり、主神クラスの上層部にしか見れないもの。(見れるヒャクメって)

ヒャクメは続ける。
「んで、見つけてから、慌てて小竜姫やワルキューレに知らせたのね〜。だから、私達もこのことを知ったのは、2,3日前なのね〜。でも、此れを言った時の二人の顔はすごかったのね〜、小竜姫なんか、顔真っ赤にして泣き出しちゃうし、ワルキューレは、涙目になりながら今まで見たこと無いくらいの笑顔になるし、あっそうそう、そのときの映像、あんまり珍しかったんで撮っといたのね〜。ちょっと待つのね〜。ええ〜〜〜〜と『わあああああああああああ』むぐっ」
とんでもないこと、をし始めるヒャクメの、小竜姫が口を押さえ、ワルキューレはトランクをとりあげる。
「「はぁはぁはぁはぁ・・・・」」   ちらっ
二人が一同の方を見ると、そこには、

きれいな笑顔で微笑みながら、蛙をにらむ蛇のごとく鋭い視線を送る4人がいた。



二人は、べスパから話を聞いた美智恵がくるまで、蛙になっていた。


そして、ヒャクメがもつ第S級の横島のデータはヒャクメだけが知ることとなった。
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ど〜も。やっと、ふたつの空からの続きができました!
間開きまくったな〜とおもいつつ、次の話に頭を悩ませてます。
でも考えラバ考えるほど、新しいストーリーがぐんぐん出てきます。
ど〜しぴよ。
とりあえず、続きをかきます。
がんばりますんで、ぜひ読んでください!!

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