ザ・グレート・展開予測ショー

二人歩記


投稿者名:ゆうすけ(李徴)
投稿日時:(03/ 4/23)



前まで少し怖かった深夜の駅の停留所。

でも今ではすっかり慣れてしまいました。

私は左手の薬指にはめられた銀色のリングを眺めながら心をウキウキさせてあなたを待ちます。

もう一ヶ月近く経っているのにまだ夢のような気がしてなりません。

最終電車が到着し、改札口にあなたの姿が見えると

私はいそいそとあなたの元へ。

あなたは私を優しく抱きしめ

私はあなたの胸の中でこう言います。

「さあ、帰ろ」



静まり返った商店街を

私は右手に買い物袋。

そして左手であなたと腕を組みながら歩いていきます。

「今夜のお料理何が良いですか?」

私がこう聞くと決まってあなたは

「腕をめいっぱい揮ってさ、美味いやつ頼むよ。何でも良いんだ。君の料理ならね」

って。

それで私が

「はいはいわかりました、旦那様♪」

って言うとあなたは照れ笑いを浮かべながら鼻の頭を掻く。



あなたは若い女の人とすれ違うと、決まって注意をそっちに向ける。

あなたは浮気な人だから

いつまでこんな気持ちで、二人でこの道を歩いていられるか少し不安だけれど

大切なのは今生きていること

大切なのは今幸せだと言う事



ふと後ろを振り向くと

私とあなたの影はさっきより少し長くなっていて

月の光に照らされたそれは

幸せそうに笑っていました。

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