ザ・グレート・展開予測ショー

奥様は妄想狂!?−中編というか、何というか−


投稿者名:veld
投稿日時:(03/ 4/21)


 やんややんや・・・



 な、忠夫さんっ、何を言い出すんでござるかっ!!

 寝る・・・もう疲れた・・・俺は寝る。

 営みはっ!?

 だぁぁぁぁっ!!だから、そう言うとこから離れろって言ってるだろうがっ!!

 先生・・・拙者は・・・拙者は・・・

 泣くなっ!!魅力ないだとか、そう言う事じゃなくてだなっ!!

 シロ、良いのよ。泣いてもいいの。信じてた男に裏切られて悲しい気持ちは分かるわ。でもね、明日にはあんたはまた、笑顔で生きていかなきゃ駄目よ。

 タマモ・・・でも、拙者は・・・忠夫さんが好きだったんでござるよ・・・凄く、凄く・・・だって・・・だって・・・忠夫さんだもん・・・

 シロっ、俺も好きだぞっ!!だから、話を聞けっ!!



 わいわいざわざわわいわいざわざわ・・・










 一段落ついて―――。



 「忠夫さん?で、何が言いたいんでござるか?」

 「・・・つまりは、だ。まだ、新婚夫婦である俺たちに異分子はいらないんじゃないかと、そう言うわけだ」

 「・・・?異分子?」

 「新聞紙の親戚みたいなもんよ、シロ」

 「なるほど・・・、新聞紙なんでござるか」

 「違うっ!!」

 「・・・?」

 「つまり、あんたはあたしが邪魔だって・・・そう言いたいわけ?」

 「平たく言えばな」

 平たく言いすぎかもしれないが。

 「・・・(驚) 先生っ、タマモを追い出すつもりなんでござるかっ!?」

 「酷いっ、酷すぎるわっ!!こんなに可愛らしい女の子をダンボール箱に突っ込んで公園に捨てでもしたら・・・

 ・・・・・・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 身体を震わせた後、その動きを止め―――叫ぶ。何だか、酷く、うそ臭い。

 「・・・あのなぁ。可愛いってのは自分で言うもんじゃないだろうがっ・・・」

 「んじゃ、可愛くないの?あたし」

 あっさりと俯いた顔をあげて、半眼で睨むきつねっ娘。

 「やっぱ、演技か・・・さっきの」

 「てへ♪」

 舌を出して愛想笑いを浮かべるタマモ。つられてシロも俺に笑いかける。

 「てへ♪ じゃねぇ」

 俺も釣られてやってみる。

 「忠夫さん・・・可愛くないでござるよ?」

 「そうよ、あんたがやっても不気味なだけよ」

 案の定、真冬の風よりも冷たい視線を送ってくれやがった二匹さん。何気に、ショックを受けた俺。

 「・・・うるせー。つーか、今話してんのはそんなことじゃなくてだな・・・」

 本当にどうでもいいことだ。そんなこと。

 「つまり、新婚夫婦の間には居候なんぞ無粋の極みだと、言いたいわけなんでしょ」

 「帰るべき場所があるのに、居着かれるのは困ると言いたい訳だ」

 「・・・そう、忠夫はそう言う風に思ってたんだ・・・」

 「というよりも、その忠夫っていう呼び方の要因もでかいんだけどな」

 「・・・? 何で?」

 「忠夫殿、何ででござるか?」

 「お前は良いのかっ!?シロっ・・・他の女に旦那の名前を呼び捨てにされて」

 「別に構わないでござるよ」

 「そうよね、何変なところに拘ってるのよ」

 「・・・このこだわりは間違ってたのか・・・にしても、だっ。やっぱ。新婚夫婦の二人には無粋ではないかと思うわけでっ!!」

 「そう、夜にまでここにいられちゃあ、自分の好きなプレイが出来ないわけね」

 「ぐはっ・・・」

 「ぷれい?」

 「・・・違うっ!!違うぞっ!!そんなわけがないだろうがっ!!」

 「何ドモってんのよ・・・そんなに否定しなくても良いでしょうに・・・」

 「ぷれい?」

 「シロっ、こいつの言うことは気にするなっ!!」

 「?」

 「まぁ、限りなく真実に近そうなこの考えは置いといて・・・、よ」

 そう言いつつ、何やら物凄く重そうなそれを、正座をしながら何やら考えている様子のシロの隣に置いた。
 それが地面に着く(であろう)瞬間にシロの腰が宙に浮いて見えたのはとりあえずは錯覚と思っておこう。

 ・・・置いとくな、そんなもん。どっかにほっぽっとけ。その言葉がでなかったのが、俺の心の中にあるやましさではないと、心の中で叫びつつ。

 『のーまる』と手の平に三回書いて飲み込む。

 既に、シロに手を出した時点で人として駄目かもしれないなんて言う、やりきれなさは置いといて。

 ・・・捨てとこう。ぽいっ、と。

 あ、シロに当たった。

 きょろきょろと周りを見てる。

 でも、何も見当たらないから。

 また、考え始める。

 ・・・うむ。

 器用だ。

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