ひのめ奮闘記(その16(B))
投稿者名:ユタ
投稿日時:(03/ 4/19)
あ〜、やばい。俺相当疲れてるわ。
最近仕事に没頭してたからな〜・・・妻の妹とはいえ女子高生が俺と一緒に寝よなんてな〜
「ダメ?」
「・・・・・・・・・・・・・」
ひのめはちょっとおねだりするような表情で首をかしげる。
美少女と言っても過言ではないひのめがそんな仕草をするのだ・・・
並みの男なら理性が思わず吹っ飛びそうなのだが・・・
横島はおもむろに歩き出すと壁に両手を突き。
「うおおおおおおおおお!!!しっかりしろおおおお!!!俺ええっ!!!!
人間として!やっちゃいけないだろおおおおお!!!」
ガンガンと額を壁に打ち付けはじめた。
「お、お兄ちゃん!やめて!」
「人として〜!!!」
ひのめの声も聞こえず頭突きを繰り返す。
「そ、そんな深く考えないでよ?ね?本当に普通に寝るだけなんだから。
久しぶりにお兄ちゃんに甘えてみたいだけ」
その言葉にやっと動きを止める横島。
「そ、そうだよなーーー!!あははは!分かってた分かってた!!」
あれほど取り乱して、額からダラダラと血を流していては全く説得力にかけるのだが、
ひのめはそんな横島に苦笑いをしながら相槌をうつのだった。
そして・・・・
一時間後・・・・お互いシャワーを浴びた二人は・・・・
「あ、だ、だめ・・・・お兄ちゃん・・・」
「大丈夫・・・・やさしくするから・・・」
ひのめの弱い拒否を優しく退ける横島。
「うん・・・・私初めてだから・・・・あん」
「・・・・・うそだろ?ホントは今まで何人としたんだい?」
「・・・・分かんないよ・・・・でも最近は・・・あんまりしてないよ・・・・あっ!・・・・そこはダメ〜〜」
「まだまだ・・・」
「あっ!・・・ひゃん!ひ、ひどいよ・・・・お兄ちゃん」
「ここはどうだい」
「そ、そこはぁ・・・・・」
「ふふ・・・ここ開いちゃおうかな」
「い、いじわるぅ・・・」
横島の指が動くたびにひのめの声が上気していく。
もうだめ・・・この人には敵わないよ。
しだいに諦めにも似た感情がひのめの思考を支配していく。
「これで終わりだよ・・・」
「いやぁ、だ、だめええっー!」
ひのめは艶美な声で横島を見る。
ああ、何て清清しい表情だろう・・・真剣な表情だろう・・・
この男性(ひと)は何でこんなにも強いのだろう・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・神経衰弱!!!!!!!
「よっしゃー!ここをめくれば・・・後はこことそこで。
うしっ!頂きーーーー♪」
「ああーん、もう!また負けたー・・・・。
ちょっとは手加減してよ〜」
枚数を確認するまでもなく敗北が分かり、ぶす〜と頬を膨らませるひのめ。
「手加減なしって言ったろ?」
「ったく〜〜・・・・・あ、もう12時だね」
トランプを片付けながら壁時計に視線を移す。
すでに日付は変わりを告げている。
「んじゃ寝るか」
ひのめは横島の言葉に頷くとトランプを片付けおずおずとベッドに入った。
「じゃ、電気消すよ?」
「う、うん」
蛍光灯の明かりが消え部屋は暗闇に覆われる。
就寝・・・・人として当たり前の行為・・・それがなぜか今日は実行できない。
ドキドキドキ・・・
すぐそばに・・・体温を感じられる距離に初恋の相手がいる。
それは確かに実らなかったし、今更姉から奪う気なんてない。
それでも傍に居てくれるだけ心地よい鼓動・・・・・やすらぎを得ることが出来るのであった。
そして横島は・・・
「ぐー・・・・」
「寝てるんかい!!?」
ガスっ!
どこか自分との気持ちにズレる態度に思わず軽い蹴りを入れるひのめ。
さっきと全然違うじゃないー!。
「え!?な、何だ!」
「あ!ご、ごめん!ちょっと足当たっちゃった」
「そう・・・じゃ」
そう言って再び眠りに入る横島。
ひのめはそんな横島にちょっと不満だった。
義妹とはいえ女子高生が一緒の布団に寝てるのに〜と。
(そんなに魅力ないかな〜〜)
顔しかめながら自分の胸に手を当ててみる。
決して小さくはない、しかし母や姉に比べると明らかにボリュームが足りない。
親友の幸恵よりも小さい・・・・ちなみにライバルの京華よりも小さい。
あくまで全国平均という感じか・・・・・。
(そっか!きっと霊力が封印されてたせいね!うん、きっとそうだ!っていうかそうじゃなきゃヤだーー!)
自分のもう一つのコンプレックスを強引に前向きに考えるひのめだった。
そして・・・最大のコンプレックスの理由を寝かけている横島に問うてみる。
「ねえ・・・お兄ちゃん・・・」
「あ、・・・う・・・なに?」
暗闇の中で確認は取れないが寝ぼけまなこであろう義兄の姿を思い浮かべ笑いをこらえるひのめ。
やがて一呼吸置いて聞いてみた。
「私の霊力ってホントにあと2、3年しなきゃ解けないの?」
「う〜ん、まあね。何か極限まで追い詰められたりしたらはずみで解けちゃう可能性もあるけど・・・
よっぽどのことがない限りは・・・・」
「そっか・・・・ありがと。私も寝るね・・・・・・・・・。お休み」
「ふあ〜、おやすみ」
横島はおざなりに挨拶すると再び睡魔に襲われ夢の世界へと落ちていく。
そしてひのめは・・・・
暗闇の中、仰向けの状態のまま両手を持ち上げる。
そのままギュッと力強く握り拳を作った。
(極限まで追い詰める・・・・・)
熱い瞳・・・・熱い体・・・熱い想い・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・それはまるで殻を破り誕生しようとする雛鳥のようだった・・・・・
その17に続く
おまけ
12年前 ひのめ封印事件終了後
「はっ!そうだ!ママ!早く『アレ』返してよ!!」
「何のこと?」
「何って帳簿に決まってんでしょ!!!?」
「あ〜・・・・・・・・・・・アレね」
「アレよ!」
「ないわよ?」
「は?」
「だからないって」
「何よ!冗談じゃないわよ!ここまで苦労したのに何言ってんのよ!!」
「だから始めからないのよ・・・・・嘘よ嘘♪
・・・・あのファイルは前に外見だけ偽造したものなんだから。
つまりブラフってやつね♪」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あれ?令子?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・殺す」
「へ?」
「ママを殺して私は生きるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「令子が切れたーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
この後横島の必死の介入で何とか生き延びた美智恵だったが、令子の鬼のような表情に『ちょっと』だけ反省するのだった
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あとがき
何かいきなり現代に戻ってきて違和感あるぞ!
って思う方いらっしゃるでしょうか?^^;
相変わらずツッコミどころ満載の作品ですね、前回の黒犬さんのツッコミもかなり返答に詰まりましたし・・・
ってか、もうどんどんツッコんでみろやーーーーーーーーーーーーーーー!!!(笑)
ああ、ホントにいろんな方からツッコミきそうで恐いや(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
今までの
コメント:
- ・いや〜びっくりしましたね〜18禁に突入したのかと思いましたよ〜
・それに女の子が隣に居ても寝ちゃうとこなんか余裕が出来たと言うか・・・さすが別世界でハーレム作った男と言うか・・・・
・まぁとにかく、ひのめちゃんが元気になって良かった (マヤちゃん)
- このシリーズで久方ぶりにポジティブシンキングなキャラとしてのひのめちゃんを拝見した気がします(笑)。ことの顛末を聞いて、当然ひのめちゃんも怒るパターンも予想していたのですが、彼女が彼女なりに前後の状況を考えて(?)前向きな方向にモノを考えているあたりが良いですね。あともう少し辛抱すれば能力も開眼するらしいですし。いつまでたってもビミョーに煩悩全開時代のクセが治らない横島クンが「らしい」ですね。そして自分たちがひのめを傷つけてしまったかもしれないことに気づいた蛍&忠志ペアが微笑ましかったです(爆)。相変わらず色んな意味で危険な状況が続いていますが、果たして何が起きるのでしょうか? 次回も楽しみにしております♪ (kitchensink)
- ちょっとだけドキドキしちゃいました。まぁー<検閲>までには、話の流れ上進まないと思いましたが(笑)
今回も見事でした。前半だけ落とすところまで落とした分だけ、後半の開放感もひとしお
ですね。
あとはひのめが、自分で封印を解くのを待つだけと(←またも先読みか!) (湖畔のスナフキン)
- 大極の意味でひのめも娘みたいなモンだから、
あーだ、こーだというよりも、反抗期なのにちょっと素直になった娘に
うれしいパパな心境ではないでしょうか。
多分。 (トンプソン)
- またか!!ユタさん、またか〜〜〜!!
ま、でも、ひのめちゃんがポジティプになったよ〜。良かったですよ〜。
次回が楽しみです。 (空の助)
- aの方はaの方で萌えるシチュエーションではあるけれど。
HFCの会員としては、ひのめちゃんにはずっと綺麗なままで居て欲しいわけで。
このジレンマをどうしましょう?(笑)
それはともかくとして。
いつぞや三千院にボコられた時に、軽い火傷だったかな?
その辺りの理由が明らかになりましたね。<極限
うふふふふ。
もう一山は確実にあると宣言してるなぁ(笑) (NAVA)
- ひのめちゃんが意外と元気でしたね。
ポジティブに考える性格は母親譲りでしょうか?
それから「ひのめお姉ちゃんを傷つけちゃったかもしれない」と考えていた
子供たちが健気です。
しかし、<検閲>の所はやられたなぁ〜(笑)
さすがっ!! (弥三郎)
- 神経衰弱・・・か。みんないろいろ考えているんだなぁ(場違いな感想)。
なにはともあれ、ひのめちゃんが元気になってよかったです。これで蛍&忠志とも仲直りできそうですね♪ (Kita.Q)
- ツッコミはすれども、決して作品にケチを付けている訳ではありません。
何故ならば、俺にはユタさんへ捧げる溢れんばかり“愛”があるから。
>「お父さんが付いてるから大丈夫よ」
意外と夫の事を信頼している事が伺えますね。
>「失敗よ」
それに比べて、着実に信頼を失って行く美智恵(笑)
まぁ、ひのめの苦悩も遠因は美智恵の策謀主義(秘密主義)にあったとも言える訳ですから、仕方のない事でしょう(笑) 普通なら、六道に進路を決める段階で話しますよね(笑)
才能と機知に溢れているくせに、親としては決して有能でないと云うのは、美神の女の宿命なのかも知れませんね。 (黒犬)
- ……今回の展開はHFC会員である私の、神経が衰弱しそうでした…… (矢塚)
- 面白かったです〜(笑
煩悩を抑えるために額を壁に打ち付ける横島・・
久しぶりに原作のあの姿を思い出しました(笑
来回から新展開ですね(多分)がんばってください楽しみにしております〜 (かぜあめ)
- ようやく明かされたひのめの封じられた力の正体(封印されてるってのは読者には解ってましたので)を聞いて、大喜びするひのめに救われました。
でもね、お姉さんのダンナさんを寝取ろうなんて考えちゃ駄目だよ(笑)。
あの人、全然容赦しないから。
しかも多分、彼女の怒りは君ではなく君の愛する「お兄ちゃん」のほうにいくからね♪
ところで、ひのめちゃん。
>(極限まで追いつめる・・・)
って、君なんかヤバゲなこと考えてません?(汗)
ちょっち心配。 (ウルズ13)
- 神経衰弱の描写としては適切でないと思われるので反対です。(嘘)
ってゆーかユタさん、貴方に殴る蹴るの暴行をくわえても良いデスカ? (紫)
- 不倫するひのめちゃん、見たかったなぁ(をい)勿論、冗談ですが。自分はHFCの制裁の標的になるのは御免です。
この世の中というのは、何て理不尽なんでしょう・・・霊力の封印が女の子の将来を奪う羽目になってしまうなんて―――ああ、不条理だ。
例え、全国平均レベルを持っていたとしても、彼女の周りにいるのは、それらを軽く超えてしまう一流の人達ばかりなわけなんですよね。
しかも、その例では有名な美神家の次女・・・ああ、何て神様は不条理な事をしてくれるんでしょう。
でも、大丈夫。ひのめちゃん。封印が解けたら、君はこの物語の登場キャラの中で有数の『巨乳』になれるんだからっ(謎)何が言いたいのか、自分でもわけがわかりません(をい) (veld)
- マヤちゃんさんへ
18禁・・・GTYじゃやれません!残念ながら(爆)
この世界の横島クンはハーレムは作りませんが今まで浮気2回くらいやってそうですw
kitchensinkさんへ
そいやポジティブなひのめって久しぶりですね(笑)
時間的には一晩しか経ってないんですが、過去編とかあったせいで、
ひのめ傷ついたり、泣いたりっていうシーンが多くて・・・
作者としても楽しく書け・・・・いえ、つらかったです(ニヤリ)
湖畔のスナフキンさんへ
ふぅ、先読み一歩手前でしたよ?w(愛銃を構える)
ひのめの霊力開放・・・みんなが満足いくように頑張ります♪ (ユタ)
- トンプソンさんへ
確かに妹というより娘ですね(笑)
しかし、完全に父親というポジションを取られた公彦・・・
彼の明日はいかに!
空の助さんへ
すいませーん!またやっちゃいましたー♪
でもオチ考えるの大変なんですよ、これ(笑)
NAVAさんへ
これで霊力開放事件(?)への前振りは完了です♪
解放後はもう三『世』院をそりゃもうボコボコに・・・できたらいいなぁ(遠い目) (ユタ)
- 弥三郎さんへ
やっぱひのめは明るくないとね♪
なんか、子供ほうにまで注目してもらえるっていうのは嬉しいです!
神経衰弱褒めてもらえて嬉しいです♪
Kita.Qさんへ
はい!蛍&忠志とも仲直りするシーンはちゃんと作りますよ〜
あのシーンホントはマッサージにしゆおかと思ったんですが、
もう使ったんで悩みました^^;
黒犬さんへ
あなたの愛あるツッコミにいつも枕を濡らしてます、ちくしょー!!
確かに美智恵って完璧なところばかり目立つけど、
ちょっと失敗あるほうが人間らしいですよね、そう考えると黒犬さんのツッコミは正しいわけで・・・w (ユタ)
- 矢塚さんへ
しっかりしてーーーーーーーー!!
こんな展開で衰弱してたら・・・・これ以上のシーン耐えれませんよ(ニヤリ)
かぜあめさんへ
やっぱ横島らしさをどこかで出したくて、
そう考えると令子に殴られる以外に笑えるシーンでお約束といったら
壁に頭突きシーンが浮かんだのです(笑)
ウルズ13さんへ
初めまして♪
確かに横島×ひのめなんてことになったら、
横島の命はなさそうですね(笑)
そんなシーンを思い浮かべ思わず噴出しました♪ (ユタ)
- 紫さんへ
やめてー殴らないでー!もうやらないからー! (ノД`)
ってかあんたがそういうこと昔やってたやんけ!!(笑)
veldさんへ
封印とけたら巨乳ですか!!?
そりゃ、ライバルも親友も家族もビビりますわ!!(笑) (ユタ)
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