ザ・グレート・展開予測ショー

#ルシオラ救済SS!『熱血編』


投稿者名:桜華
投稿日時:(03/ 4/17)


「霊力のない肉体はただの化学物質の集まりよ! 目を開けて、横島!」
 彼女の声が響く。しかし無情にも、男の瞳は閉じたまま。
「……死なせない。どんなことをしてもよ」
 そして彼女は、決断する。その行為を。ただ、愛する彼を生かすために―――





「う……ここは?」
 意識を取り戻した横島。その耳に、女の声が届く。
「目が覚めたのね。もう大丈夫よ」
「ルシオラ……」
 横島は背後のルシオラに目を向けた。
 先ほどまでの、自分がちれぢれになり消えていく感覚はない。身体は驚くほどに軽く、むしろベスパの攻撃を受ける以前より調子がよいくらいだった。
「……ごめんなさい。あなたを救うには、もう、これしかなかったの」
 目を伏せ、ルシオラは言う。
「あなたはあのままなら死んでいたから。どうしようもなかったの。だから……だから、わたしは、」
 潤んだ瞳で、しかし横島をしっかりと見据え、
 ルシオラは、言った。










「あなたに改造手術を施したわ!!」









 沈黙が流れる。
 横島は、言葉の意味を理解できておらず、
「……改造手術?」
 ただ、鸚鵡返しに尋ねた。
「そう、あなたの身体を改造したの。あなたの中に霊力ブースターとコンデンサを組みこんでそれを煩悩と直結させた。これにより霊基構造の回復はもちろんのこと霊力自体も大幅にアップしたわ。その膨大な霊力に耐えられるようにと身体の各部位も改造、基本能力の向上は当然として霊力をよりスムーズに収束できるように両手足に収束装置を取り付けて、あとは諸々云々かんぬんかくかくしかじかで以下省略!」
 途中省略したが、ルシオラの説明は延々と2時間も続いたのだった。この間、美神令子がデリートされなかったのは奇跡といえるだろう。
「なんてことだ……」
 説明を終えて現実を認識した横島は、感情を必死に押し殺して呟いた。震える腕で自分を抱きしめるその瞳は、異常なほどに――――輝いていた。

「すげぇ! すげぇぞルシオラ! 改造手術なんて、まるで仮○ライダーじゃねぇか! オレ、そういうのに憧れてたんだよな〜!」
 なんて、陽気に叫びやがった。
「よ、ヨコシマ? 怒ってないの?」
「怒る理由がどこにある? オレは今こそ憧れの熱血ヒーローになったんだ!
 その名も、そう、煩悩勇者、ヨコシマン!」
 あれ? 仮○ライダーじゃ?
「そうよね、そうよね! 改造ってやっぱりロマンよね! 手術のときに調子に乗ってドリルアームとか色々取りつけちゃったけどOKよね!」
「なに、そんな素晴らしい武器もあるのか!? さすがはオレの恋人! よくわかってるじゃないか!」
「武器はもちろん音声入力式よ!」
「それでこそ熱血! それじゃ博士! オレは今から大魔王アシュタロスを倒してくるぜ!」
「その意気よ! いってらっしゃい、ヨコシマン!」
「いくぜ! ヨコシマンウイィィィィィング!!」

 ばさ!

 叫びと共に、ヨコシマの背中から鋼鉄の翼が生える。
「煩悩勇者ヨコシマン、発進!」
 そして彼は、東京タワーから飛び立った。















「うわははは! アシュタロス、覚悟ーーーーー!!」
「なんだそれはなんだそれはなんだそれはなんなんだおまえはーーーーーーーーー!?」














 そして世界は救われたのだった(爆)

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