ザ・グレート・展開予測ショー

除霊戦隊ヨコシマン!! その4


投稿者名:フジサワ
投稿日時:(99/ 8/30)

 「ど、どこだ、ここは…」
周りを見渡すヨコシマンレッドこと、横島忠夫。
ボオッ…ヴォオッと次第に六つの蜀台に炎が点りだすと、
何やら道のようなものが見えるようになった。我に返ったレッドはその道を進もうとするが、そのとき
カツン、カツンと何かが忍び寄る音が聞こえてくる。
そして、その音がでかくなっていき、音が止まるや否や、闇の衣のような衣装を着て、
西条輝彦がすっ…と姿を現した。

 「私の名は、大帝王SAIJHO…。生贄の祭壇へよく来た…。どれ、魔界への戒めとしておまえを生贄へと
ささげ、われこそはその後全てを支配してくれようぞ…。では、我が手の前に生きたえるがよいっ…!!」

 この言葉と同時に6つの蜀台が消え、一気にSAIJHOは「光魔の杖」を振りかざし、祭壇全体を瞬時にして
明るくした。
 
 「では、いくぞっ…!」
 かけことばと供に霊剣「ジャスティス」を両手で振りかぶってレッドの頭へ振り落とした。…が、間一髪はらり
とよけると、レッドはサイキックソーサーを片手で一瞬で生成し心臓目掛けて投げつける。
だが、SAIJHOを傷つけるにはいたらなかった。闇の衣のような生地へ吸い込まれるだけで、何のダメージもないっ!
 
 「では、これはよけられるかな?」
SAIJHOの低くおぞましい言葉が響き渡るやいなや、片手に光の玉のようなものを生成したかと思うと、平手に
凝縮して手とうで切り付けてきた。
 「カラテミィ・エンドッッ!」
 「あぶねえっ…!」
これもレッドは器用にかわし、別の反撃に出た。でたっ…これは、「奇面フラッシュ」だ!
この精神的攻撃の前に、美神のことを口説こうとしていたSAIJHOは思いっきりダメージを食らってしまったのだ。
そして、その威力は闇の衣を貫通して魔城の壁をも砕いた。
 「それ、一気にとどめだーっ!」
こう言い残して、手から伸ばしてあった「ハンズオブグローリー」で首を刈ろうとした。
 「ギガブレイク!!」


 その頃、ドクターカオスとマリア・スリーシックスは他の四人の相手をしていた。
 「がっ…!こ、攻撃が通じねえ…。」
 「なんて硬さなんだ…?」
当たり前である。マリア・スリーシックスは大気圏から重力で落ちていたにも関わらず、データ消失することも
無かったのだ。そして、ドクターカオスはというと、怪光線でピンクとイエローを攻撃していたのだが。
 「ええい、よけるなーっ。マリア、あいつらの動きを食い止めろ。」
 「イエス、ドクターカオス」
マリアは煙幕をまき始め、視界を奪うとその隙に、怪光線でまずはじめにイエローを狙った。
 「きゃあっ!」
叫び声を聞くと、ブラックは煙幕を巻きつづけるマリア目掛けて、攻撃を加えた。すると、煙幕装置だけが壊れ、
煙を追い払うと、ブルーがヨコシマンゴーダムを直接呼び出した。


だが、ヨコシマンゴーダムの発信基地は選りすぐられたセン・ドロイド三鬼衆に狙われ、侵略を開始されていたので、
発信に手間取っていた。
 「唐巣さん〜〜。通信機から連絡〜〜、入ってますけど〜〜?」
 「だが、このままでは基地をのっとられてしまうぞ。はやく、ギャラクターだけでも始末してしまうんだっ!
 ハ〜リケ〜ン、アタ〜クッ!」
 「あーっ!メイン位置にセンドロイドが〜〜っ!アンチラちゃん、切り倒してきて〜〜っ!」
きゅいんっ!
アンチラが三鬼衆の一匹を瞬時に切り裂くと、今度はマコラがヨコシマンゴーダム変形スイッチを作動させ、
変形完了直後にハイラがヨコシマンゴーダムを発信させた。
 「ヨコシマンたち、後は全部頼むわよ〜〜〜。」


 ところは、元に戻って祭壇の間。ヨコシマンレッドの新必殺技(?)、ギガブレイクが炸裂したかと思いきや、
レッドは跳ね飛ばされ、祭壇の間の柱を数個削り落として壁にたたきつけられた。その瞬間、一気に霊剣
ジャスティスで切り付けてきた。
 「ぐああっ!」
 「レッド…いや、横島君。よくも令子ちゃんを倒してくれたな〜っ。せっかく口説き落とせるところだったところを、
 あのような形で倒されるとは思わなかったんだよ…っ!」
き、切れてる…?そう思ったレッドは、文殊を三個ばかり取り出すと目の前から消えた。もしかして…?
 「その通りっ。「超」「加」「速」だよ〜んだっ!ざまあみろっ。このまま俺が勝利してやる…。」
そのままハンズオブグローリーで、西条輝彦の心臓を一貫き…のはずだったが、そのときレッドは違和感を感じた。
 「なんだ?貫いているはずなのに、ちっとも…いや、霊気の類全てを吸収して…?」
だが、このとき一瞬にして、文殊が突如切れた。
 「凍てつく波動をくらい給え…っ!」
というよりもこの言葉の通り、凍てつく波動で向こう側の放った効果を一瞬にして消し去られていたのだ。
そして、この効果の前にして、うかつに文殊を使えなくなったヨコシマンレッド。いわゆる文殊は封じられたと
いったほうがよかったのだ。だが、そのハンデを考えたのか、SAIJHOも闇の衣を脱ぎ捨てたのだ。

 「これで、状態は互角だな。まあよい。おまえたちの正義的霊気全てを片手だけにこめろっ!!
 この霊剣とおまえの霊刀で一発勝負しようじゃないか。」
 「ふっ…!おまえからこの言葉が出るとは思えなかったな。だが、美神さんをめぐってのライバルはよかったぜ。」
 「ふん、ほざくな!」

まさに、恋をめぐっての宿命的な対決である。さすが、霊能版シティーハンターといわれるだけのことはあり、
この構図はちょうど、冴羽と隼の対決とうりふたつであった。合図は…というと、階下から響くドクターカオスと
マリア・スリーシックスの爆撃音であった。
そして、ついにマリアのファイナルエルボーの音が聞こえると同時、両者ともお互いの方向へ走り出し、その幅が
ちょうど15メートルとなるあたりで地を蹴って両者がとび、霊剣と霊刀を交し合った。
じゃきぃーん!


 「まだ、未だゴーダムは来ないのか?」
 「でも、ゴーダムならきっとマリア・スリーシックスを倒せるはず…もう少しの信望ですよ。」
ブルーとブラックは、うまくマリアの攻撃をかわしながら、ドクターカオスを追い詰めていた。そして、ピンクは
イエローと供にマリアのブレーカー部分を探索していた。
 「マリア。はやくこいつらを巻かんか」
 「イエス、ドクターカオス。でも、煙幕装置、故障。」
 「むむむ…、このままではやられてしまう…。」
だがこのとき、とてつもない超低音周波が発生し始め、ヨコシマンたち四人はこの音に苦しみ出した。
そして、カオスは最終手段を使い始めた。


 そして、ついに一方では決着がついていた。
 「う…ぐっ!ま、まさか、この私が横島君の霊気に勝っていたはずなの…に…?」
 「だが…おまえも…、すごい奴だった…ぜ…!」
なんと、両者相討ちのようだ…!あとは、どっちに悪運が味方し、先に全霊気が尽きて無くなるか…。
だが、西条よりも様々な経験をつんできた横島のほうが、悪運を勝ち取るすべを学んでいたのだ。
よって、壁にもたれて立ちすくんでいたのは横島であり、西条から霊体がはがれ、成仏していった…。
だが、これで完全に決着がついたわけではない。残るドクターカオスとマリアを片付けなくては、この世に
平和は戻らないのだ。ゆけ、ヨコシマンレッド。はやく、ピンクたちの元へ急ぎたい…のだが、全霊気を使い
果たした挙句、怪我がひどいのだ。でも、それでもレッドはゆっくりと歩き始める…。
 
 だが、なんと、カオスはマリア・スリーシックスにさらにパーツを取り付けて、巨大化させたのだ。
 「げ…っ!きょ、巨大化した?」
 「はやく、はやく来て、オマタセマン…じゃなく、ゴーダム…」
イエローの青ざめた顔の前に、ドクターカオスは魔城の壊れた隙間から巨大化したマリア・スリーシックスを
動かし始めた。そして、今度は魔城ごと破壊し始めた。次々と、魔城の壁は崩れて行く…。
SAIJHOが倒れることを計算し、魔城ごとヨコシマンを抹殺するというのが、本来の計画だったのだ。


 その崩れる中をよろめきながら器用によけ、四人の元へ走るレッドの姿があった。
そして、レッドは丁度上に現れたヨコシマンゴーダムを見かけると、急いで崩れる中を到着位置へ走り出した。
以前に生成しておいた文殊が、レッドの操縦する部体に数個ためてあったのだ。
だが、行きついた先を見て驚くレッド。マリア・スリーシックスが巨大化されていたのを知らなかったのだ。
 「ブルー、ピンク。なんなんだ、あれは?」
 「いや、私たちにもよくわからないんですが…カオスの父親とか言うのが現れてあのように巨大化させて
 しまったんです。」
 「おいおい、シャレにならんぞ、あれ。パピリオやアシュタロスよりも強いんじゃね-のか?」
ブラックのあまりの驚きの声に、レッドはみんなを奮いだたせようとした。
 「俺たちは、除霊戦隊ヨコシマンだっ!世界の調和を守るためにも、断固戦うんだっ!さ、はやくゴーダムへ!」
こうして、乗り込んで文殊でレッドが回復すると反撃をたくらむが、まともに戦っては勝ち目が無い。
だが、間髪入れずマリア・スリーシックスはロケットアームを繰り出してきて、つかまってしまった。
この隙に、冷静沈着なブルーははっっと気づいた。

 「レッド。特殊文殊砲台に…弾は残ってますか?」
 「ああ、まだ10発は残っているけど…なんで?」
 「機械は、寒さに弱いそうじゃないですかっ!」
 「そうかっっ!」

それに気づいたヨコシマンたちは、器用に隠れながらリモコンを使って動かすマリア・スリーシックスの両手の
ロケットアームを仕掛けるように仕向けながら、両手のロケットアーム以外の攻撃を食らわないようによけ、
残り10発の文殊砲台で何ができるか考えていた。そして、ついに結論を出し、1人1人が一つずつキーワードを叫んだ。
 「過!」
 「液!」
 「体!」
 「窒!」
 「素!」
見事、マリア・スリーシックスは凍り付き、通常の大きさの時でさえ大量の電気を食っていたマリアは一瞬にして
動きは止まった。そして、電気の残りが無くなったところをさらに残り五発で狙った。
 「太!」
 「陽!」
 「の!」
 「乗!」
 「物!」
でチャリオットオブソルを呼び出して、マリアの表体を覆う特殊パーツの硬度を温度差で極端に下げたのだ。
 「しまった〜。電機を食うものに関してはこう言う弱点があったんだあ〜〜っ!」
泣いて悔しがるドクターカオスの前に立ちはだかり、容赦なくハイパーサイキックソーサーを矢に代えて弓で
カオスの野望ごと射ったのだ。



こうして、世界に平和が戻ったか…と思うと、
 
 「いやぁ〜〜。SFXなしでここまで本格的に映画ができるとは思いませんでしたよ。」
 「これなら、究極戦隊コウガマンをこえる大作でしょう。」

実は、GS協会公認のゴーストスイーパー同窓会の催し物として、公開する予定の映画だった。

 「でも、この脚本の横島君と西条君の激突シーンは本物でしたよね。」
こうして、横島君と西条は記録に残った日から敵合いすることも無くなったのであった。
GSビジネスとしての責任は別だけど。

 ・・・でも、カオスはどちらみち、この記録以前に「時空消滅内服液」を作って横島君に飲ませた
事件がGS協会に知れ、GSになる権利は剥奪されるのであった。


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