ザ・グレート・展開予測ショー

〜LOST〜(4)前編


投稿者名:かぜあめ
投稿日時:(03/ 4/13)



「・・あの・・良かったらコーヒーでもどうぞ・・・。」

「・・・ありがとうございます・・。」

夕刻。通り雨かと思われたそれはいつの間にか激しさを増し・・、
通りを歩く人影もまばらになり始めていた。
事務所のソファーにこしかけた女性は遠慮がちカップを受け取る。
・・・・・・・。
「先生が女を連れ込んだああ!?」 
「・・そうに違いないわ。あんな美人・・野獣の代名詞ともいえるあの男がほっとくはず・・。」

「だれが野獣の代名詞じゃああ!!」
好き放題言うシロとタマモに横島が叫ぶ。
「・・あのなあ・・この人は依頼人なんだよ・・。頼むから行儀よくしてくれ・・。」
オレってそんなに信用ないんだろうか・・・、ため息をつき彼はイスに腰かけた。


〜LOST〜(4)前編


彼女の名前は八重崎さくら。普段は先ほどのフード店でアルバイトをしているらしい。
偶然横島たちの会話を耳にして・・わらをもすがる思いで追ってきたというのだが・・、

「・・ということは神隠し事件の?」
「はい・・。私は神隠しが起こった当時、現山くん・・ご存知ですよね?・・と同じクラスだったんです・・。」
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神隠し事件の最初の被害者・・現山明介は俗に言う「いじめられっ子」であった。
クラス中でのけ者にされる彼に、八重崎自身興味はない。
複数の男子に囲まれる明介を無視し、自分は友人とのおしゃべりに興じる・・。
それが彼女の日常であった。

・・・しかしである。

「現山くんが行方不明になったんだって・・・。」
9月13日、その一言が全てを変えた。
いじめられっ子の明介の失踪に・・クラス内が騒然となる。

「や・・ヤベーよ藤代!!アイツ・・まさか自殺・・」
いじめの主犯格だった男子たちの顔が青くなっていた。
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「下手をすれば新聞沙汰・・。そのころからでしょうか・・
 少しずつみんながギスギスし始めたのは・・。」
・・・・・・・。
沈黙。
横島たちは知っていた・・・―――事件はそこでは終わらない・・。

――二日後・・いじめの中心であった人物・・藤代かつしが姿を消した。

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