ザ・グレート・展開予測ショー

マッド・サーカス!!(その3)


投稿者名:DIO
投稿日時:(99/ 8/30)


しばらく間があきましたが、3回目です。


 おキヌちゃんがやられた、誰もがそう思ったとき、横島の攻撃は大きく外れていた。
 おそるおそる眼をあけたおキヌちゃんの前で、

横『ヨコシマをあんたなんかの好きにさせるもんですか!!』
 そのセリフが横島の口から出た。
キ「・・・まさか!!」
美「あんた・・・!!」
 おキヌちゃん、そして美神は反射的に、今の横島が横島でなくて、あの人だと悟った。

 シルバーはきわめて冷静に、横島に向かって話し掛けた。
シ『・・・・あなた誰?うちの団員にとりつくなんて趣味のいいこととは思えないわね。』
『・・・・・・・・・』
 何も言わずに、横島のその手から光線状の霊波攻撃を発した。横島の持ってる術は霊力を凝縮して扱うものばかりで、彼が光線系の術を使うことなどないはずだ。
シ『クッ!!』
 その攻撃でシルバーはたいしたダメージを受けなかった。彼女はこれをフェイントだと判断した。
『やぁぁぁー!!』
 案の定、シルバーの背後から襲いかかる横島の姿があった。
シ『まだまだね・・・!!』
 シルバーはその手に大量のエネルギーを込め、振り向きざま叩き落そうとした。
 しかし、それは空振りに終わった。背後から襲ってきたのは、幻影だったのだ。
『甘いのはそっちよ』
 本物は真正面から攻め、横島の心がこめられた『玉』と『金の針』を奪い取った。
『ヨコシマの心、たしかに・・・・・』
 言いかけて、スッテーン、とコケてしまった
『キャッ!!』
 コケたはずみで、『玉』を手から落としてしまった。さらに悪いことに、『針』がグサッと刺さってしまったのだ。
『痛ーッ!!』

 すっかり忘れられているうちに、タマモが狐火で地面のネバネバを焼き払った。すぐさま、シロの元に向かう。
タ『シロ!しっかり!!』
 タマモはシロの無事を確認するなり、
タ『変化!!』
 タマモは即興で、コブラへの変化を行った。今逃げるためには乗り物がどーしても必要だ。
美「一時退却するわ!!」
 「ルシオラ!!」
 美神とおキヌの眼には、横島の顔の横に浮かぶ彼女の面影が、はっきりと見えていた。
『逃がすかよ!!』
 ナイフ野朗が横島、もといルシオラを足止めする目的でナイフを投げた。その見事なナイフ捌きにより、エモノは横島の心が入っている『玉』に命中した。
ル『キャッ!!』
 ナイフによってできたひびから、一筋の光がまるで流星のように飛び出した。
シ『!』
ル『!』
美「ルシオラ!早く!!」
 美神はペンダントの鎖をひきちぎった。
美「精霊石よ!」
 精霊石が割れたとき、激しい閃光が発する。
シ『クッ!!』
 その閃光がやんだとき、そこに美神立ちの姿はもうなかった。



数十分後  美神事務所

美「シロの具合はどう?」
タ『・・・グーグーいびきかいて寝てるわ。』
 シロはタマモの言う通り、屋根裏部屋でよく眠っていた。彼女はタフだからすぐに復活するだろう。
 それに、今はシロのことよりも重大な話がある。
美「さて、それじゃ説明してもらいましょうか、ルシオ・・」
 美神がルシオラに問い詰めようとしたときだった。彼女が、と言うか横島の体を、突然ポーっと光が包み、光が消えたときには、それは横島の姿ではなくて、なんと触覚があってバイザーをつけてて、とにかくコスプレ美少女だったころの、あのルシオラそのものの姿だった。

美「どーしちゃったのよ、そのカッコ?!」
ル『ヨコシマの体じゃちょっと動きづらかったから、エクトプラズム・スーツで外側だけでも私のにしようと思って。』
 横島の姿してるんじゃ、いくら絵がなくたって萌えきれない、という作者を含めたファンのために読者サービスしているとか、そういうわけでは断じてない。
美「あ、そう・・」

タ『(じーっと見て)この人、誰?』
 もちろんタマモはルシオラとは初対面だ。
キ「あ、そうか。タマモちゃん初めてだったわね。この人はルシオラさんと言って、横島さんの」
美「とにかく、話してもらおうかしら。なぜ、あんたが今、こうしてここにいるのかを」
 美神がわって入ったので、おきぬちゃんはそこから先を言えなかった。美神がいまさらその先を、言わせたくない、聞きたくないと思うとは考えられないから、深い意味は多分ないのだろう。
ル『・・・・・・こないだのバクの件は覚えているでしょ?』
 みんな、あのときのことを思い浮かべる。
『あの時、心を奪われた反動でヨコシマの潜在意識は増幅されたわ。それと一緒に、私の記憶も増幅されてたの。』
 美神とおキヌは、あの時見た面影を思い出していた。
美「・・やっぱりあのときか。」
タ『さっきのやつは?』
 悪魔シルバーについてのタマモの質問。これには美神が答えた。
美『悪魔シルバー、かつてヨーロッパを『闇のサーカス』と呼ばれる一団を引き連れて荒らしまわった魔族の一人よ。まあ、あのパイパーが『闇のサーカス』のメンバーだったってのは私も初耳だけど。」

ル『・・・全てを事細かに話してる時間はないの。早くヨコシマの心を取り戻さないと』
キ「・・・さないとどーなるんです?」
ル『いずれ・・・・またヨコシマと戦うことになるわよ。』
キ「そんな」
美「オーケー!あのバカ相手に無駄にお金使うのはもうゴメンだしね。まずはあのバカを探しに行きましょう。」
キ「美神さん・・!」
美「そしてその後には」
 なぜか声に力が入っていた。そのわけはすぐに分った
美「シルバーには高額の賞金がかかってんのよ!!久しぶりの金になる仕事・・・・!!逃してたまるかー!!!」
 全員しっかりコケている。
ル『よく、そういうことばっかりに頭回るわね!!』


  その頃、シルバー側では、

『ばぶばあばば!ばぶべぼば!』
 ナイフ野朗が水中大脱出をさせられていた。
シ『やっぱり罰ゲームはこれぐらいしないと。』


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