ザ・グレート・展開予測ショー

#ルシオラ救済SS!『英雄編』


投稿者名:黒犬
投稿日時:(03/ 4/ 9)

あんてな企画『ルシオラを救え!!ショートショート百連発(笑)』

『その男、張子につき編』(え?





場所は南極。時はアシュタロスと横・令タッグとの、ガチンコ勝負の開始直後。
パワー負けが明らかになり、大ピンチの人類コンビ。
横島の機転で『摸』の文珠を発動。だが、戦闘には使い物にならない事が判明。
アシュタロスの思考をトレースして、逃亡のチャンスにかける横島少年であった。

―――が。

「ちょおおーっと待ったぁぁっ!!」

いがみ合うルシオラと美神を制し、ずずいっとアシュタロスの前に歩み出る横島少年。

「アシュタロス…お前の事は、思考を読んでみてよーく分かった。勿論、“魂の牢獄”の事情もな…」
「………ならば、私の行動も目的も、理解出来たと云う事かな? ならば、ますます帰す訳には――」
「フッ」

アシュタロスのセリフを鼻で笑い飛ばして遮り、おもむろに一枚のレポート用紙を、何処からともかく取り出す横島。

「そんな泣き言は、コイツを読んでから言うんだな!!」

そのままずいっと、アシュタロスに用紙を押し付ける。

「なんだこの紙は…………コ、コレは!?Σ(゚ロ゚;」

魔神の背中が震えた。驚愕と――そして、悲しみに。

それは“ある人物”に関する調査記録であった。
その人物が連載に登場してから今日に至るまでの、出番・活躍・扱い・影の薄さ・えとせとら……。
そう云った諸々の事柄が、余す所なく記録されている。

「――私は自分が恥ずかしい…」

ガックリと、床に膝をつくアシュタロス。

「分かってくれたか…」

それを見る横島の視線も、優しげに和む。

「あぁ……私が愚かだったよ。こんなにも、自分が恵まれていた事に気がつかなかったとは…」
「アシュ様!」

駆け寄ってきたベスパを、片腕でいとおしげに抱き寄せる。

「こうして、慕ってくれる者も居る。そんな事も目に入らずに、破壊だ再生だと躍起になっていた私は、きっと甘えていたのだろうな。……魂の牢獄など、この書類の“彼”に比べたら……!」
「そうだ、アシュタロス。お前には実力もある。出番もある。立場もある。『極楽大作戦』最強の敵キャラとしての、な。……“アイツ”に比べて、どれだけ……」
「あぁ……私は幸せ者だよ…」

悟りを開いたアシュタロス。漢泣きに貰い泣く横島。感涙に咽び泣くベスパ。話に置き去りにされて呆然とするルシオラ&美神。





――こうして、一連の事件は幕を閉じた。アシュタロス本人の「自首」と云う形を取って。

「ちょ、ちょっと!? 何がどーなったのよ!? 主役なのよ、アタシは!?」

――人々は人類を救ったGS達に深く感謝し、その業績を末永く語り伝えた。

「ルシオラ〜♪」
「もう、ヨコシマったら。平和になった途端に………せっかちね♪」

――特に、魔神を間接的に改心させた“ある人物”を人々は英雄と称えた。銅像が建ち、記念樹が植えられ、小学校の歴史の教科書にも載った。

――彼の、不遇な人生とキャラ扱いは、今まさしく世界と蛍娘を救ったのである!!


「嬉しくないんジャァァ――――――――――ッ!!(絶叫)」


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