ザ・グレート・展開予測ショー

〜LOST〜


投稿者名:かぜあめ
投稿日時:(03/ 4/ 8)

神隠し
・・・原因不明の失踪、失跡。
   予測困難、不可解な時・場所で当人が発見されることを特徴とする。

          発見時の生死は問わない。

          生存者のその後も不明である。


       
〜LOST〜

「横島さん?何読んでるんですか?」

事務所の一室。
ソファーに腰掛けた横島はめずらしく読書にいそしんでいた。
それも文庫でカバーつきのものを・・である。
驚いたと言わんばかりのおキヌの口調。
横島は苦笑しながら振り向いた。
「これ?ピートに借りたんだけどさ。映画の解説本みたいなもんかな。」

「解説本・・?ああ!!○と千尋の神隠しじゃないですか!見たんですか横島さん?」

ドタドタドタッ。おキヌの声に反応するかのように近づいてくる足音が二つ。

「横島先生もみたでござるか!?」「よかったでしょ!?なかなか。」
・・シロとタマモである。
目がキラキラと輝いている所を見るとよほど気に入っているらしい。
(なんだかんだでガキだよなあ・・・コイツら・・)


「・・・・・うんにゃ。まだ見てねえよ。コレぐらい読んどきゃ見なくても平気かなあ・・と。
 だから借りただけ。」
バツが悪そうに言ってみると・・案の定、野次が返ってきた。
「え〜邪道でござるよそんなの〜」
「そうよ!見なさいよ!千と千○の神隠し!おキヌちゃんも面白かったよね!?」
・・不満タラタラである。

「う・・・うん・・・。」
(い・・言えない・・・まだ見てないなんて・・とてもじゃないけど・・)

「大体あんた・・ビデオレンタルに行くとか言ってたじゃない。
 借りてくればいいのにそれをこんなのばっかり・・・。」
言いながらタマモがバックをゆする。横島の足元に置かれていたものである。
    
ゴトッゴトッ。
次々に出てくるビデオ、ビデオ、ビデオ。
ついでに言えばそれら全てにいかがわしげなタイトルが貼られている。

「うわ・・・。これ全部Hなビデオでござるか。・・借りすぎでござるよ先生。」

「ああ!!やめて!!堪忍して!!それは今日と明日と明後日のオカズなんやー!!」

「・・・さ・・三人とも・・。」

・・・いつも通りの喧騒が流れていた。
その時風が吹き・・・、美神のデスクから1枚・・新聞の切り抜きが舞い落ちる。

「ん?」

――それは事件の始まりをつづったものであり・・・
「なんだこりゃ?日付が・・・・15年前のだぞこれ・・。」
いぶかしむ横島におキヌが答える。
「お仕事に使うって美神さんが言ってましたよ。
 依頼人さんに話を聞くってついさっき出て行ったんですけど・・。」
「ふ〜ん。・・にしても水臭いな〜。オレたちにも一声かければいいのにさ。」

ひとしきり記事を読み終わった後、肩をすくめるように横島がつぶやいた。
それほど大した仕事ではないということか・・。
彼女がそう判断したのなら間違いは無いだろう。
この場に居る4人はその点、美神に対して絶対の信頼を寄せている。

「あ・・そうだ・・。」
思い出したかのようにタマモがつぶやいた。

「横島。その映画のタイトル、美神さんの前で言わないようにね。
 ピリピリしてるだろうから・・殴られるわよアンタ。」

「?どういうことだ?」
部屋に戻ろうというのだろう。彼女はドアノブに手をかけながら一同を振り向く。

「本物の神隠しはそれほどロマンティックなものじゃない・・。そういうこと。」




―――1988年9月13日讀讀新聞記事より抜粋
本日未明、都内公立高校に通う男子生徒、一人が失踪。
警察は引き続き調査に当たっているが以前足取りはつかめていない。なお、この男子生徒は・・・・・・・・・・



〜あとがき〜
みなさんはじめまして〜。かぜあめと申します。
まずはじめに・・宮崎監督ごめんなさい(笑)う〜む実は自分・・ジブリ作品が大好きなもので・・横島たちの日常を描写するのについつい・・
ご意見、ご感想お待ちしてます。

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