ザ・グレート・展開予測ショー

そして再び劇幕は開く!(前編)


投稿者名:ハルカ
投稿日時:(03/ 4/ 6)

注)この話はこの前書いた『閉幕』の続きです。


『本当に大丈夫よね・・・!?ウソだったらタダじゃおかないからね・・・!!』


『大丈夫さ・・・・!!』




ヨコシマが見せるやさしい笑顔。
私は何の疑いもなくヨコシマをその場に置いて立ち去った。


――――――どうして?
どうしてそんな穏やかな笑顔をしたの?
どうしてそんな穏やかな笑顔ができるの?

――――――どうして?
どうして私はあの時ヨコシマを置いていったの?
どうしてヨコシマの異変に気づけなかったの?



答えは出ない。
残るのはどうしようもない喪失感、絶望感、自責の念だけ。


どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?
どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?
どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?・・・・・・・








「―――――ラ!!―――――シオラ!!―――――ルシオラ!!!!」

美神さんの声にふと我に返る。

・・・・・ああ。またヨコシマのことを考えていたのね。
歴史に『もしも』はないのだけれど、どうしても考えてしまう。

『もしも』ヨコシマが生きていたら・・・・・
最近、ヨコシマのことばかり考えてる。
ヨコシマと行った東京タワー。ヨコシマのアパート。

あれからもう3ヶ月もたったのに夢でまでヨコシマのことを考えてる。
でも夢で逢うヨコシマは相変わらずやさしくてオッチョコチョイで・・・・

「―――――シオラ!!―――――ルシオラ!!!!
 ・・・・ふう、どうやら限界ね。
 今日はもう帰りなさい。
 ・・・・・でも横島クンがいなくなって悲しんでるのはアナタだけじゃないのよ。」

「・・・すいません、美神さん。
 私、なにも役に立てなくて・・・・・」

結局、私はヨコシマがいなくなった3ヶ月前からなにも進んでいない。
毎日毎日ヨコシマが帰るはずのないアパートでヨコシマの帰りをずっと待ってる。

彼のいないアパートに今日も帰るはずがない彼を待つために
帰ろうと足を動かそうとしたとき・・・・・・


(あ・・・れ・・・・?
 体の・・・調子がおかしい・・・・・?)

体がフラフラして言うことを聞かない。
目の前が暗くなってきて・・・・・
ダメ・・・意識を保ってられない・・・・・・・













「・・・・・あれ?
 ここは・・・・・・?」

目に飛び込んできたのは見知らぬ天井。
真っ白な天井に真っ白な壁。ここはどこだろう?

「・・・・よかった!!
 気がついたんですね!ルシオラさん!!
 今、お医者さんを呼んできますね。」

隣に座っていたおキヌちゃんが安堵の声をあげた。
そしてそのまま急ぎ足に立ち去っていく。

・・・そうだ!!私は美神さんの事務所で倒れたんだった!
ということはここは病院かしら?

「ルシオラさん・・・・・でよろしいかな?
 どうやら意識もはっきりしてきたようだね。」

あたりを見渡していると白衣を着たやさしそうな顔をした
中年の男性が私に話しかけてきた。
どうやらお医者さんのようだ。

「ルシオラさんが倒れた理由だけど・・・・
 極度の精神的疲労からの神経衰弱だね。このままだと母子ともに危険な状態だ。」


・・・・・えっ?
・・・・・母子ともに?


「あ、あの・・・
 それはどういう―――――」

「「それってどういうことですか!?母子ともにって・・・・・?」」

私が言葉を言い終わらぬうちにおキヌちゃんと美神さんが
お医者さんに食いかかる。

―――――まさか。本当にまさかって思う。
でも、もしかしたら・・・・もしかしたら!!


「ごほごほ・・・
 気が付いていなかったんですか?
 もう妊娠3ヶ月ですよ、ルシオラさん。」

―――――本当に!?
父親は誰だか簡単にわかる。
私、ヨコシマとしか――――!!!!


・・・・そっか。
私におなかの中には私のヨコシマの赤ちゃんがいるんだ。

うれしい・・・。


「まさかルシオラのおなかに横島さんの忘れ形見がいるなんて・・・
 ルシオラさん!!
 これからお母さんになるんですからしっかりしなきゃダメですよ?」

「そういうこと!!
 大丈夫!アンタは間違いなくあのバカが心からホレこんだ女なんだから。
 自信を持ちなさい、自信を!!」

おキヌちゃんが、美神さんが私を元気付けようと励ましてくれる。

きっとおキヌちゃんも美神さんもヨコシマのことが好きだったに違いないのに
自分の想いを押し殺してまで・・・・

・・・・・がんばらなくっちゃ!!


「はいっ!!
 ・・・・・おキヌちゃん、美神さん、本当にありがとうございます!
 私、おなかの中にいるこの子を必ず幸せにしてみせます!!!!」



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