束の間の夢 −後編−
投稿者名:veld
投稿日時:(03/ 4/ 5)
いや、ですから・・・ギャグなんですって。この話。
横島さん・・・美神さん・・・起きて下さい・・・。
え、おキヌちゃんの声?
良かった・・・生きてたのね・・・。
心配したんだから―――もう・・・。
起きてくださいっ!!横島さんっ、美神さん・・・!!」
え・・・何言ってるのよ・・・おキヌちゃん・・・
起きて?
・・・へ・・・えっと・・・あ、ああ・・・・。
徐々に開けていく意識。背中に感じる柔らかなソファーの感触。
カーテンの向こうは夕暮れの色に染まっている。
どうやら、眠っていたらしかった。
「・・・お、おはよ。おキヌちゃん・・・」
目の前で仁王立ちするおキヌちゃんに引き攣り笑いを浮かべながら言う横島クン。彼女は怒っていた。もう、ぷんぷんだった。
「ふあぁ・・・・っと、ごめんねっ、おキヌちゃん・・・」
あくびを噛み殺し、彼女に両手を合わせて謝る。すると、彼女は溜め息を付きつつ笑顔を浮かべて。
「もう、美神さんも横島さんも・・・大掃除手伝ってくれるって言うのに眠っちゃうんだから・・・」
呆れたようにこう言った。本当に申し訳ない、そう思うんだけどね。
何時ものお礼に、何か買ってあげようかしら・・・でも、おキヌちゃん遠慮しちゃうだろうし・・・横島クンにでもお金を渡して何かプレゼントさせれば喜んでくれるかもしれない。
まぁ、そんな事したら、今度は横島クンが怒っちゃうかもしれないわね。俺はこんなに安い給料で頑張ってるのに・・・とか言って・・・。
いや、それはないか。寧ろ、おキヌちゃんに感謝の気持ちを伝えるべきなのは横島クンだろうし・・・。
まぁ、私もそうなんだけど。
でも・・・。
やっぱ、彼女が貰って嬉しいのは彼からだろうしね・・・。
「でも、大丈夫ですか?」
心配そうな眼差しで私と横島クンを見つめるおキヌちゃん。
「へ、何が?」
思わず聞き返す。眠っている間に何かあったんだろうか?ひょっとして・・・こいつに・・・と、横島クンを睨んでみるけど、彼も彼女の言葉に心当たりがないのか、困惑気味な顔を見せている。
「二人とも・・・随分うなされてましたけど・・・」
「へ・・・そう?」
「そうなの?」
「はい。とても苦しそうでしたよ」
「「・・・」」
二人同時に無言で渋面を作る。
いや、別に打ち合わせとかしたわけじゃないんだけどね。
「あはは・・・何か変な夢を見ちゃった・・・」
「あ、俺もっす・・・」
「へぇ、あんたも?どんな夢よ」
「あ、い、言えないっすよ。本当に変な夢っすから」
「ほう・・・例えば、女にもてない事に腹を立てて作り出したコスモプロセッサを使ってこの世に平等に愛を手に入れる事の出来るようになる世界を作ろうとか考えてた夢なわけじゃないのね?」
ぎくぅ・・・
「へ・・・?な、何すかっ!?その夢・・・」
「もてない男を集めて組織した『極楽愚連隊』で世界各地の霊的拠点を潰して、そして、都庁を破壊。完全に世界が沈黙したのを見計らってコスモプロセッサを稼動・・・」
「なははっ(汗) だから、何なんですかっ、それっ!?」
「あんた達を止めるために組織されたGSチームは、雪之丞、タイガーを筆頭とする、フラレ組と、ある意味この世の不条理を全て押し付けられた感じのブ男軍団だとかに」
「だぁぁぁ!!何言い出すんですかっ!!美神さん・・・」
「・・・何の事です?」
不思議そうなおキヌちゃん。待ってて。後で説明してあげるから。
「まぁ、そんな事はどうでも良いのよ。問題は・・・『爆』と『追』の同時文珠使用なのよね・・・」
「だはっ・・・」
「へ?文珠」
「・・・あれはびっくりしたわ〜・・・横島ク〜ン」
「な・・・夢の中の話じゃないっすかっ!第一、美神さんだって俺の腹、思いっきりぶった切って・・・て・・・しまったぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「やっぱ、あんたも同じ夢を見取ったのかぁぁぁぁ!!横島の分際でシリアスやろうなんて十万年早いのよっ!!」
「あの、何の事なんですか?」
何か良く分からない内に過ぎていく日々の中で、あった、一時の話。
この時は、まだ冗談で済まされたのである。
しかし―――これより十数年経ち、起こされた事は彼らの想像をはるかに越えたものと為った―――。
しかし、ここではもう、語られることのない話である。
「・・・ち・・・畜生っ!!絶対逃げ出してやるっ!!もう、ギャグキャラなんてたくさんだっ!!」
絶対に語らない。語ってたまるか、こんなもん(逆ギレ)
続かない。
今までの
コメント:
- やれらた・・・また夢オチですか。
でも真剣に最後まで読んでしまいました(笑) (湖畔のスナフキン)
- 今回はちと前半のみですとコメントしにくかったので後半にまとめてさせていただきます。ほんとにギャグでしたね(やはりシリアスだと踏んでおりました←爆)。掃除を手伝わない二人を叱るおキヌちゃんの様子、夢のことでもとりあえず横島クンをシバくことにした令子、そしてどうしてもウソをずっとついていられない横島クンがそれぞれに「らしい」と思いました。さて、ラストの2行については...見なかったことに致します(笑)。投稿お疲れ様です♪ (kitchensink)
- ・・・・・・・・・・・・・・・(脱力)
くっ・・・やられたよ。(笑) (紫)
- 何つーか・・・『爆』と『追』に感心しっぱなし。
真面目なバトル物書いてみる気ありませんか?w (NAVA)
- 夢オチって便利よね。とか、考えて出来たわけでもないんですが。(←信憑性ゼロ)
まぁ、束の間の『夢』と言う事なんで。
決して、バトルもの書いてみてえなぁ・・・まぁ、これなら書けるよな、とか思って書いたわけではありません。
多分。
と言うわけで(何がだ)。
読んで頂き、有難うございました。コメント返させて頂きます。
・湖畔のスナフキンさん
夢オチです。いえ、まぁ・・・題名通りです。なはははは。
真剣に・・・嬉しいです。感激です。
最後まで・・・(逆ギレ)・・・すいませんです。深い意味は無いんで、勘弁してください(爽やかな笑顔で) (veld)
- ・kitchensinkさん
ほら、ギャグだったでしょ? とか、言ってみたりしますが。
夢オチはやっぱ卑怯かな・・・とも思うわけで。そりゃ、裏かけるわ、と。
おキヌちゃんの・・・
>ぷんぷんだった
に命をかけました。いえ、まぁ、嘘ですが。
ラストの二行・・・いえ、書きませんよっ!!多分・・・。 (veld)
- ・紫さん
・・・へへへ。脱力させちゃったぜ。
拍子抜けですか? そうですか・・・。でも、まぁ・・・こういうものもアリかな・・・とか、勝手に自己完結する次第です。
やっちまった・・・(笑) (veld)
- ・NAVA師父殿
『爆』と『追』を思いついたのは偶然です。それ以外の何者でもないです。
書いてる途中で浮かんできたんで・・・電波っすね。多分。
自画自賛してます。師父に誉めてもらえて大満足です。ええ。
真面目なバトルもの・・・単発なら楽ですが・・・。 (veld)
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