「狼でござるぅ」とは、一言も言わない話。
投稿者名:veld
投稿日時:(03/ 4/ 3)
悲しくなるほど、好きになった人がいる。
悲しくなるほど、愛しい人が。
「好きだ・・・シロ」
「先生っ!」
そう、そして、始まるハッピーライフ(謎)
事務所に程近い場所にある、以前は空き地だった辺りに立てられた家。
「・・・た・・・忠夫さん」
「何だ?シロ」
「・・・これはどういう仕打ちでござるか?」
「・・・言ってる事が分からんな」
「・・・何故、こんなに狭い部屋なんでござるか・・・」
「屋根裏部屋とそう変わらんと思うが」
「・・・本気で言ってるんでござるか?」
「ああ」
「忠夫さん。ここにシロの家と書いてあるのでござるが」
「うむ。会心の出来だ」
「と言うことは、夫婦になる以上、ここは拙者と『忠夫さん』の家になるわけでござるな?」
「ゑ・・・(驚いている)」
「夫婦は、一緒の家に住まなきゃ駄目でござるよ。忠夫さん♪」
そして、新居で始まった俺達のハッピーライフ(激謎)
別名、犬小屋生活。
・・・住んでみると、意外と・・・。
「忠夫さんっ!そんなところ・・・駄目でござるぅ!あん♪」
「し・・・仕方ねえだろがっ!狭いんだからっ!って、甘い声出すんじゃねえっ!変な気になるだろうがっ!」
「どんな気?」とかは、聞かないでくれ。っていうか、聞くな。
「だ・・・だって・・・」
「くそっ、こんな生活、もう止めだっ!俺は家を出るぞっ!」
「忠夫さんっ、そんな・・・行かないでっ!拙者を・・・捨てるんでござるかっ!?」
ずざぁぁぁぁぁぁっ
・・・思わず、転んじまったじゃねえかっ!
「く・・・だ、だからっ、なんでそうなるっ!?」
「だって・・・出てくって・・・」
「あ、アホかっ!」
「お・・・か、家長と言うものはどっしりとあぐらをかいて座っているものでござるっ!」
「あのなぁっ!この狭い犬小屋のどこにそんなスペースがあるっ!二人、入っただけでいっぱいだろうがっ!」
「・・・せ、狭いながらも楽しい我が家っ!」
「何でそんなに必死なんだっ!お前はっ!?」
「と・・・とりあえず、今日のところは・・・俺のアパートでな・・・」
「忠夫さん〜・・・」
俺の腰に手を回し、縋りつく我が幼な妻。ずざざざざざ・・・とか、嫌な音をたてつつ・・・嫌な音?
「だぁ・・・磨れてるっ!道路に磨れてるからっ!ちゃんと立てっ!」
「新居で生活するでござるよぉ!」
「馬鹿っ!怪我したらどうすんだっ!」
まぁ、何だ。何とかなだめすかしたりして、彼女は俺の部屋に今日のところは泊まる事を了承してくれた。
が、あの新居については断固として譲らなかった。
「先生は、拙者と一緒に暮らすのが嫌なんでござるかっ!?」
こう言われたら・・・って、ここでも別に二人で暮らす事出来るじゃねーかっ。
気付いたのは、隣で彼女の寝息が聞こえた頃だった。
幸せそうな顔・・・まさか、あの新居とは名ばかりな犬小屋らいふの夢を見ているのだろうか・・・。
ちょっと、いや、かなり、冷たい汗が背筋を通り抜けた。
今までの
コメント:
- ・・・また、ミスった・・・ごめんなさい・・・これ、前編です。っていうか、このタイトルふざけすぎでしょうか・・・。 (veld)
- またしても墓穴を掘っている横島クン、どことなく彼もこのシロとの騒動を楽しんでいる節が見受けられる気がするのは私だけでしょうか?(笑) 幼な妻&新婚妻っぽい雰囲気を存分に醸し出して横島クンを困らすシロが最高です。いつのまにやら彼女も策士になりましたねぇ(ちが)。果たして晴れて二人は新居に住むことになるのでしょうか? 次に移ります♪ (kitchensink)
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