ザ・グレート・展開予測ショー

とある花見


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 4/ 2)

「でりゃ!!」
『痛っ!!』
「そこまでです!」
「ふぅ〜。大丈夫か?パピリオ。」
『大丈夫なワケないでちゅ!』
頬を膨らませて怒るパピリオ。
「そう怒んなって。これも修行の1つなんだから。」
笑いながら、パピリオの頭を撫でる横島。
彼は今、妙神山で修行をしていた。
ゴーレムやカトラスでは相手にならないので、妙神山で修行しているパピリオと先ほどまで戦っていた。
「けど、一応魔族であるパピリオを倒せたのですから、横島さん、強くなりましたね。」
「いえ、まだまだ修行しないと。さっきのはマグレっスから。」
頭をポリポリ掻きながら、横島が言う。
「そうだ。休憩がてら、妙神山にある桃園で、お花見でもしましょうか。」
「お花見っスか?いいですね!行きましょう!」
『ワーイ!お花見でちゅ!』
「あ、パピリオは留守番よ。」
『な、何ででちゅか!?私も行きたいでちゅ!!』
駄々をこねるパピリオを見て、ニコリと笑う小竜姫。
「ダメと言ったら、ダメよ。」
ゴゴゴゴゴゴゴ
物凄い気迫を出す小竜姫。
それに圧倒されるパピリオ。(あと横島も)
『わ、分かったでちゅ。良い子に留守番してるでちゅ。』
「ありがと。じゃ横島さん、行きましょうか。」
「・・・・・・は、はい。」
冷や汗を垂らしつつ、小竜姫の後を追う横島だった。





小竜姫と横島は、大きな庭園にいた。
そこには、花が満開の桃の木がたくさんあった。
「へぇ、満開っスね〜。」
「神界でも有名な、お花見スポットなんです。よく老師も、ここで花見をするんですよ。」
「へぇ〜。」
「・・・・・そういえば、2人で話をするのは初めてですね。」
「え?あぁ、そういえばそうっスね。」
「初めてあった時は、ダメダメ人間だと思いましたけど。」
「は、はははははは。」
苦笑いをする横島。
「横島さんの影法師を見た時なんか、コケそうになりましたし。」
「ははははははははは。」
まだ苦笑する横島。
「けど・・・・・、強くなりましたよ。横島さんは。」
「い、いや、俺なんか全然・・・・。」
横島は、頭をポリポリと掻く。
「いえ、本当に強くなりましたよ。横島さん。」
「いや、ダメですよ自分。まだ見習いだし。美神さんには勝てないし・・・・。」
「自信を持ってくださいよ!」
「え?」
「横島さんは、神界でも認められるほどの強さを持ってるんですから!」
「そんな、ウソですよ。」
「ならば・・・・・。」
小竜姫は、神剣を抜き、構える。
「し、小竜姫さま?」
「私と勝負をしてもらいます!生きるか死ぬか、2つに1つです!!」
「ちょ、ちょっと。」
「いきます!!」






「くっ!」
霊波刀を出し、神剣を受け止める横島。
「どうしたんですか、横島さん!!パピリオに勝ったのは、本当にマグレだったのですか!?」
素早い動きで剣を振り下ろす小竜姫。
横島は、それを霊波刀で受け流し、それを避ける。
「なぜ避けているのです!?横島さんも攻撃してください!!」
「い、イヤです!!何で俺が小竜姫さまと!!」
「問答無用!!」
小竜姫は、短い速さで、剣を振り下ろしてくる。
横島は、それを次々と防いだり、避けたりした。
「さすがですね!!私の剣を避けるとは!!」
「く、くそ!!」
横島は、小竜姫の攻撃を避け、小竜姫の腹に、霊気の拳を打ち込んだ。
ドゴッ!!
「ぐはっ!!」
腹部から体中に伝わる衝撃。
小竜姫は剣を落とし、その場に倒れた。
「・・・・・・。」
横島は"治"の文珠を出し、小竜姫を回復させる。
「う、うぅ・・・・・。」
「大丈夫っスか?小竜姫さま。」
「私の負けですね。」
「何言ってるんスか!!俺は戦いたくなかったのに!!」
横島は、小竜姫を怒鳴る。
「わ、私は、横島さんが自分自身に自信を持ってもらおうと!」
「そんな事、してもらわなくて結構です!!」
そう言って、横島はそっぽを向く。





「・・・・・ごめんなさい。」
「・・・・へ?」
「こんなことしてしまって、本当にごめんなさい!」
謝る小竜姫。
「私、本当は嬉しかったんです。横島さんが強くなっていくの・・・・。」
「え?」
「私がきっかけを与えたときから、横島さんは強くなって、いつしか私より強くなって・・・・。」
「・・・・・・。」
「横島さんが成長していくのを見て、嬉しくなったんです。本当に・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・けど、横島さんはそれを認めようもしなくて、だから頭にきて・・・・・。」
横島は溜め息をつく。
「・・・・・もう怒ってませんよ。」
「・・・・え?」
「俺は、小竜姫さまと戦いたくなかったから、一緒に桃の花を見たかったから、怒っただけっス。」
「・・・・・本当ですか?」





「それに・・・・・、俺は強くなりたいから、修行してたんじゃ無いんスから。」
「え?」
「皆を守りたいんスよ。美神さんも、おキヌちゃんも、シロやタマモ・・・・。」
横島は、小竜姫の顔を見て微笑む。
「それに、小竜姫さまも・・・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「ま、俺が言えるような言葉じゃないんスけど・・・・。」
照れた表情をしながら、横島は、鼻の頭をポリポリと掻く。
「英雄としてではなくて、1人の男として、小竜姫さまを守りたいんです。」
「横島さん・・・・・。」
「に、似合いませんかね。はははは・・・・・。」
「・・・・・。」
苦笑する横島に、小竜姫は静かに抱きつく。
「しょ、小竜姫さま?」
「ありがとう、横島さん・・・・・。」
小竜姫は、涙を零しながら、笑顔で言う。
「・・・・・・。」
横島は、小竜姫の背中に両腕を回し、優しく抱きしめた。
「・・・・しばらく、こうしていてくれませんか?」
「・・・いいっスよ。」
横島は、上の方を向く。
桃の花びらが、宙を華麗に舞っている。
(こういうお花見も、悪くないな・・・・・。)
横島は、小竜姫の頭を撫でる。
(守ってあげますよ・・・・・。絶対に。)






その後、横島は春の季節となると、必ず妙神山に行くようになった。
それをおかしく思った美神たちは、こっそり、横島の後をつけ、妙神山へと向かった。
そして、桃園へと入り、そこで仲が良さそうにしている横島と小竜姫の姿があった。
ピキッ
美神たちの眉間に、青筋が出る。
そして、横島は小竜姫の肩に手を乗せ、そして・・・・・・。



((((あぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!))))




翌日、美神令子除霊事務所にて・・・・。
「ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
横島の悲鳴が、町中に響き渡ったという。



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