ザ・グレート・展開予測ショー

父、帰国する


投稿者名:MAGIふぁ
投稿日時:(03/ 3/29)



これは、親子の心温まるお話…だったらいいなぁ。



「よう!帰って来てやったぞ!はっはっは!元気にしてたかこのバカ息子〜♪」

唐突に連絡も無しに帰国した横島の父親、大樹は息子のアパートに乗り込むや、いきなり彼なりのスキンシップを開始した。

「イテテテ!イテェ!いきなり何をしやがるこのクソ親父!」

抗議の声を上げる横島。それはそうだろう。たまの休みに惰眠をむさぼっていた所に、いきなりコメカミをグリグリやられたら誰だって怒る。

「ふっ。相変わらず弱っちいクセに生意気な。父の偉大さをとくと知れい!」

しかし大樹は息子の当然の抗議を気にもせず、昔懐かしい逆エビ固めを仕掛ける。たまらずギブアップする横島。

「ギブギブ!親父それはシャレにならねぇって!骨が、骨がぁ〜!!」

畳をバンバンと叩いてそう叫ぶ息子に、ようやく技を解いてやる大樹だった。



「……で、何しに来たんだよ?」

不意打ちとはいえギブアップした手前、渋々お茶を淹れて大樹に出しつつ尋ねる横島。

「なに、俺を飛ばした専務が倒れおってな。無事そのままくたばるかどうか顔を見にきたんだ」

「親父…アンタまさか…」

何かしたのか、と疑いの目で父親を見る、親を全く信用していない息子。

「バカ言うな。俺が仕掛けたんだったら、証拠なんぞ無しで完全犯罪でとっくの昔にアイツはこの世にいないぞ?それに今回俺が顔見せたら、逆に専務は持ち直したんだぞ?後の事はお任せをって枕もとで言ったら、アイツいきなり「さ〜せ〜る〜か〜…!!」ってメチャメチャ元気になりやがった」

これでまだしばらくはナルニア暮らしだな。と笑い飛ばす大樹。そんな父親を、ひょっとしてそれも計算して?とちょっと見直す横島。

「医者もビックリしてたぞ?現代医学が〜現代医学が〜って叫んでたな」

「親父…ひょっとして白井病院か?」

「そうだが…知り合いか?あの医者」

「……ちょっとな」

「ふ〜ん…医者の知り合いは大事にしろよ?色々と助かるからな。イロイロと。…しかし、看護婦じゃなくって医者でじいさんってあたりがな〜!やっぱり俺の息子じゃねぇな!お前は!」

「どやかましぃわぁぁ!!」

絶対後であの院長に親父が看護婦にコナかけなかったか聞きだして、お袋にチクッちゃる!横島は固く心にそう誓った。



バタバタバタバタバタ!ドンドンドン!ガチャッ!

「せんせぇ〜〜!!サンポ行くでござる!サンポっ!!」

そこに足音を響かせてやってきた犬塚シロ。いつもの様にノックをしてスグに返事を待ちきれないでドアを開ける。

そこにいたのは、彼女の先生こと横島忠夫と、見知らぬ男。

「先生、そちらはどなたでござるか?」

「俺の親父だよ…ってなんだよ?親父」

シロを素早く目で観察し、だいたいのスタイルと年齢を確認するや横島を部屋の隅に引っ張っていく大樹。

「忠夫…お前、確かにあの子は将来美人になるが、今から手をつけておくというのはちょっと早過ぎるんじゃないか?犯罪だぞ?」

「違うわぁっ!あいつは俺の…」

ここで横島は少し考えた。

ここで弟子と言ってもこのクソ親父は素直に信じないだろう…じゃあ、どう言ったらいいんだ?妹のようなもの、とでも言うか?ん?待てよ、妹?

ニヤリ。

横島は唇を歪めて笑い、こう言った。

「俺の身内で、半分くらい妹……のようなもんだ」

俺の身内、の部分は普通に、半分くらい妹…は大樹にだけ聞こえるように、のようなもんだ、はわざと聞こえないように言った。

そして、大樹がコイツの妹…?半分くらい?…誰だ?誰が母親なんだーーー!?とショックを受けている隙にシロにも根回しをする。

「シロ。俺の親父と言う事は、お前にとっても父親のようなものだからな。遠慮無く父上と呼んで良いぞ?」

やはりニヤリと笑ったままシロの耳元でこっそり囁く横島。

それを聞いたシロは、というと……

先生の父上が拙者の父上同然…?こ、これはもしかして…ぷろぽおずとゆーヤツでござるかっ!?

「わかったでござる、先生!不束者ではござるが、末永くよろしくお願いするでござる!」

暴走を起こしてあっさり承知したのだった。

「ま…まぁ、何か違う気もするが、わかってくれたか。さすが俺の弟子っ!」

即興で思いついた自分の策の成功を確信し、シロの頭を撫でる横島。

「ク〜〜ン…先生〜♪」

暴走気味の勘違いで、天にも昇る気持ちでそれを受け入れるシロ。

「恵子か?郁美か?いや、あの子の年齢と髪の色…もしやスーザン?ジェニー?うぉぉぉぉぉ誰なんだ〜〜!!」

それ所ではなく、己の過去を振り返ってそれらしい女性を記憶から検索中の大樹。

この3人の明日はどっちかは…まだ、決まっていない。

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