ザ・グレート・展開予測ショー

世界はいつも流れて……(45)


投稿者名:リュート
投稿日時:(03/ 3/27)

 今日は快晴、晴れ渡る日差しを浴びて俺はある場所に向かっていた。

「ああ……この前はトラブルに巻き込まれたけど、今日は良いことが起こりそうだ!」

 雲一つない空を見ながら走っていると……
 ドンッ!!

「いてっ!」
「ぐふぁああーー!!」

 ドシャアアアー!!
 一瞬前が真っ暗になり顔に衝撃が走り、後ろに倒れそうになるがこらえる。そして目を開けると目の前に『私は不良です』と顔で言っている奴が倒れていた。
 あっ……前方不注意で人にぶつかっちゃった……しかも派手に吹っ飛んでるよ……

「まあいいか、んじゃ!」
「またんかいワレ!人をはっ倒しておいて、そのまま素通りしていこうたぁ、ずいぶんと虫がいいじゃねえか!!」

 あはは……やっぱり駄目か……それなら不良に対応するマニュアルで……

「お褒めいただき光栄だ!」
「断じて褒めてねえっ!貴様、殴られたくなければ、それ相応の対応をしてもらおうか!!」
「なっ!そんな……」

 俺は困惑した顔を作り、腕の服を捲り上げて不良の目の前に出す。

「いきなり、生き血を要求されても」
「どんな対応じゃ、それはっ!?そーじゃなくて、迷惑料とか慰謝料とかいろいろあるだろうがっ!」

 ふっ!予定通りの返答だ……
 不良から怒鳴られると、俺は捲り上げた服を元に戻して、ワザと『ほっ』っと安堵のため息をつく。

「安心した。あんたの意図は読めたぞ」
「やっと分かったか!それじゃ早くしろ!」

 不良は手のひらを上にして差し出してくる。

「分かっている」
「おう」
「念力で」
「念力で?」
「君の幸せを祈っておくことを約束しよう!今なら十%還元だ!」
「いらんわっ!!」

 不良は握り拳を作り、俺に詰め寄ってくる。
 ふうっ……やっぱり怒っちゃったか……これじゃ不良に対応するマニュアルは不良を怒らせるマニュアルに題名を変えたほうがいいぞ……
 ちなみにこの本を書いた作者は冥子ちゃんの父親だ。
 不良の拳が俺目掛けて振り下ろされようとして俺が身構えた時!!

「待てぇい!!」

 いきなり塀の上から声が聞こえた為、俺と不良は一緒にその方向を見る。
 だが逆光のため正確に見ることが出来ず、身体の輪郭だけがくっきりと黒と白のコントラストで描かれた。

「白昼堂々、罪も無い一般市民に暴力を振るう……」

 その人影は腕を組む。

「人!それを外道と言う!!!」

 あああっ!!ロム・ストー○のパクリだな!!今度、俺が登場シーンでやろうと思ってたのにっ!!

「誰だ!テメェは!?」
「ふっ……貴様に名乗る名前はない!!」

 ロム・○トールのパクリをしている人影は不良を睨みながら言う。

「ふざけたこと言ってるとぶっ飛ばすぞ!!そこから降りて来い!!」
「仕方ない、この余が直々に相手になってやろう!!とあっ!」

 人影が塀からジャンプするが……
 ドカッ!!

「ふぎゃ!!」

 あっ……着地に失敗して顔面から強打してるよ……

「いたたたた!!痛いぞっ!!!」
「な、なんだ、ただのガキじゃねえか!」

 痛みでのたうち回っているは、角が生えていて立派な着物を着た子供だった。
 この子って……なるほど、天龍童子か……

「おのれっ!何をする無礼者ーー!!」
「俺は何にもやっちゃいねーだろうが!!おいガキ!あんまり図にのっとると……」

 不良が殿下の襟首を掴み殴ろうとした。

「子供相手に何やってるんだ!!昇竜拳ー!!」
「ぐべらああ!!」

 俺の拳が不良のアゴに炸裂……さらに……

「拳底破!獅子戦吼!とどめの殺劇舞荒拳!!」
「ひでぶ!!」

 俺の『殺劇の宴・テ○ルズ風』により不良は力尽きた。
 YOKOSIMA WIN!パーフェクト!
 そんな文字が頭上に現れたような気がした。

「大丈夫か?ボウズ!」
「……あ、ああ……余は大丈夫だが……少しやり過ぎではないか?」

 ヤバゲに痙攣している不良。
 ……うむ……確かにマズイな……よし!ここは……

「……逃げるぞ!!」
「へっ!?どわああーー!!!」

 俺は殿下の手を取って走り出した!!
 そして……

「だ、誰か……救急車を……」

 ボロボロになった不良だけが取り残されていた。




 俺と殿下が衝撃的な出会いをしている頃……
 六道冥子除霊事務所。 

「まあ〜〜、竜神の王子様が行方不明ですか〜〜」
「ええ。竜神王さまは今、地上の竜族たちとの会議のため、こちらに来ているのですが、その間、ご子息を私にあずけて行かれたのです。それが、ちょっと目を放したスキに……」

 冥子ちゃんと小竜姫さまが話していた。

「『余はデジャブーランドに行く!』と言い出して、結界破りで妙神山の結界を破って逃走したのです……であわてて追ったのですが、人間の都は勝手がわからず……」
「そうなんですの〜〜……大変ですわね〜〜」

 他人事のように言う冥子ちゃん。

「そこで!!」
「ひゃあ〜!!……びっくりしましたわ〜〜。小竜姫さま〜〜いきなり大きな声を出さないでください〜〜」

 冥子ちゃんはドキドキする胸を手で押さえながら言う。

「あっ……すみません。殿下の事が心配で………冥子さん、貴方にお願いがあるんです。殿下を探すのを手伝ってくれませんか!」
「え〜〜!私がですか〜〜!?」
「唐巣さんや美神さんが居なくて……貴方が最後の頼みなんです!!どうか!お願いします!!」

 小竜姫さまは頭を下げる。

「……分かりましたわ〜〜。私も殿下を探すのを手伝いますわ〜〜!!」
「本当ですか!ありがとうございます!」

 小竜姫さまは冥子ちゃんの手を握って感謝する。
 これにより、殿下捜索隊が結成された。メンバーは冥子ちゃん、おキヌちゃん、小竜姫さま、鬼門右と左だ……なんか不安なメンバーだな……




 そして……

「そうだわ〜〜小竜さま〜〜。その服じゃ〜〜この時代に合ってませんわ〜〜。着替えないと〜〜」
「えっ……でもこの服でも別に構わないんじゃ……」
「駄目ですわ〜〜、その服では目立ってしまいます〜〜。それに〜〜捜索は隠密が第一だとこの前、本に書いてありましたわ〜〜」

 そう言いながら冥子ちゃんがクローゼットから取り出したのは……

「あの……冥子さん……その服は……一体……(汗)」
「はい〜〜私のお気に入りの服ですよ〜〜」

 最終兵器、フリフリが付いたピンクのドレスだった。
 小竜姫さまに今世紀最大のピンチがいきなり訪れた……






 次回予告

「謀ったな貴様!」
「君のお父上がいけないのだよ…」

 殿下に襲い来る魔の手。

「見える!そこだ!!」 
「連邦のMSは化け物か!」
「エグザムシス○ム、スタンバイ!」
「ゼロ〜〜私に〜〜未来を〜〜」

 何故か違う世界に……(笑)

「あの……本当にこれを着るんですか?」
「ええ〜〜そうですわ〜〜♪」

 無情にも響く冥子ちゃんの声。
 そして……

「あたしの出番は何時かい?」

 黒幕は静かに自分の出番を待っていた。
 次回の世界はいつも流れて……をお楽しみに……




 ほとんど嘘ですので次回予告は気にしないでください……(笑)

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa