ザ・グレート・展開予測ショー

甘い生活(ver. おキヌ)U


投稿者名:K.H. Fan
投稿日時:(03/ 3/27)

『お夕飯まで時間がありますから、 散歩にでも行きましょうか?』

おキヌが横島に言った。
無論、 彼女の目的は散歩ではなくてデートである。


横島には断る理由も無いので、 従うまでだったが…
事件は突然起きた。
二人が歩道を歩いていると、 一人の少女が前を横切り、
道路を横切ろうとした。
運が無いのか、 乗用車が飛び出したその子に当たろうとしていた。
おキヌが

『横島さん!!!』

と叫ぶと同時に横島はその子を突き飛ばし…


−白井総合病院−


外傷の全く無い横島が目を覚まさずに寝ている。
医師の話では気絶しているだけのようだ。

『う〜ん、 横島クンも凄い生命力だな…』

おキヌがお見舞いに来てくださいと頼んだ西条が居た。
因みに後のGS仲間は留守で来ていない。

『そんな事言ったって、 現に気絶してるじゃないですか』

時速80キロで走っていた車に思い切りぶつかり、 外傷、
臓器すらも傷を受けていないと言うから西条の言うことも分からなくは無いが…


おキヌが西条にこれまでの経緯を話していると、 横島の目が開いた。

『横島さん、 すいませんでした。
私が散歩に行こうなんて言わなければ…』

横島の胸に抱きつき泣きながらおキヌが言った。

『………???
あの〜…あなたは?』

ピシッ
西条とおキヌが凍りついた。

『また記憶喪失…か』

西条が呟いた。

(ん…待てよ。
今は令子ちゃんがいないよな…
ふ…横島クン、 楽しませてもらうよ)

西条と横島は色々な意味で反発しあう事が多い。
よって、 この二人、 けっして仲の良い訳ではない。
むしろ悪い方だ。
西条がこのチャンスを逃すはずが無い!!!

『横島クン、 全く覚えていないのかい?』

西条が尋ねるが、 返ってくる言葉は当然

『すいません…何も…』
『じゃぁ、 まず自己紹介を…
僕は君の上司、 令子ちゃんの恋人で西条って言うんだ。
君は僕を兄のように慕っていて言うことは何でも聞いていたんだよ』

西条が横島の手を取りながら言った。

『西条さん、 また同じ事…』
『彼女は君の恋人でね、 今同棲しているんだよ』

西条がおキヌの方を向いて言った。

『同じ様な手には…』

おキヌが止めようとした時、 前回と同様、 横島は

『恋人!? そんな人が僕にいてくれたなんてちっとも…
きっと辛かったろうね…
君みたいな可愛い恋人がいてくれて嬉しいよ』

おキヌの手を握り、 話す。

『横島クンの事が好きで同棲の話を持ちかけたんだろう?
今は令子ちゃんもいないし、 既成事実を作るチャンスだと思うんだけどね』

西条の悪魔のささやきがおキヌの耳に届いた。

『しかし、 こんな卑怯な手で横島さんを奪おうなんて…』

おキヌと西条がヒソヒソと話し合いをしている。

『思えば、 君はいつも損な役割だよね…
たまには抜け駆けしてみてもいいんじゃないかな?』
『でも…』

さすがにこの様な卑怯なやり方はおキヌに合っていないらしい。
まだ反論を続ける。

『横島クンが他の女の子に取られちゃってもいいのかい?』

おキヌの頭の中で色々なやり取りが行われた。
彼女がどれほど純粋で優しい心を持っていようと、
人間である限り多少の欲と言うものが生まれてしまう。

『……実力で取るからいいです』

いつものおキヌには無い強気な発言が発せられた。

『強気だね。
分かった。 言ったことは取り消しておこうか』

と言って横島の元へと近づいた。
そしておキヌにある部分が聞こえないように耳打ちをした。

『横島クン、 彼女と君はねもの凄い熱々の関係でキスなんて当たり前だったんだよ。人が見ている前でもキスしちゃうほどね。 そして彼女と君は同棲しているだけの仲なのさ』

おキヌには小声で話された、 『君はねもの凄い熱々の関係でキスなんて当たり前だったんだよ。人が見ている前でもキスしちゃうほどね。 そして彼女と』 が聞こえなかった為、 満足そうに頷いた。
こうして晴れて恋人関係となった二人の共同生活が始まるのであった…

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久しぶりに甘い生活投稿しましたが…
やっぱ西条凄いですね…策士です。
しかも『君はねもの凄い熱々の関係でキスなんて当たり前だったんだよ。人が見ている前でもキスしちゃうほどね。 そして彼女と』の部分を外しても文章になってしまうとは…
本当はこの部分小さく書きたかったんですけどねぇ…

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