幸せは優しさの中に・・・
投稿者名:ブラックキャット
投稿日時:(03/ 3/25)
出合った時はなんて情けない奴だろうって思った。
だってさ、ペットだよ?
パピリオがお前をペットにするって言い出した時は何でこんな奴をって思った。
けど、逆天号で一緒に生活するうち、意外と根性はあるんだなって・・・見直す様になった。
結局アレは人間の作戦の内って事だったけど・・・・・・
けど・・・アンタとの楽しかった暮らしは嘘だ何て思わない。
パピリオがアンタを無理矢理引きずり回して・・・ルシオラが苦笑じみた微笑みで見守って・・・。
アタシがそのそばに居て・・・・・・その楽しかったひと時が嘘だ何て思わない。
あの時のアタシはアシュ様への思いがあってアンタを良く見ようとしなかった。
その点では姉さんは・・・ルシオラはアンタのいいとこを先に見つけたって事で・・・。
ちょっと悔しいな。
何をとっても・・・アタシはルシオラやパピリオに敵わない。
特に・・・アンタに関しては。
今はそれが酷く悔しくて・・・哀しい。
少しでもアンタに近付きたいと想う。
けど・・・アンタに近付く事は・・・アンタを苦しめる事で・・・出来なかった・・・。
誰が何と言おうと・・・ルシオラを殺してしまったのはアタシだから。
そんなアタシなのに・・・
なのに・・・
アンタは優しい言葉なんか掛けて・・・
アタシの方が辛いだろ、何て言って・・・。
そんな言葉なんか掛けられたら・・・辛いよ。
アタシはその言葉を嬉しく思ってしまう。
そんな資格なんて無いのに・・・・・・。
アンタの優しさに・・・甘えたくなってしまう。
だからそんな言葉なんて掛けないで。
アタシは一人で生きていく。
そう・・・思ってたのに・・・。
軍属なら忙しくて何も考えなくて済むなんて安易に考えてたのに・・・。
アタシの任務は・・・アンタを魔族側に引き込む事だった・・・・・・。
こんな・・・こんな酷い事もあるのだと・・・自分を呪い、嘲笑いたくなった。
アタシは何をやっているんだ。
結局アンタを苦しめる事しか出来ないじゃないか、って・・・。
アタシが罪を犯したのは認める。
アタシへの罰なら幾らでも受ける。
けど・・・
けどアンタをこれ以上傷つける事だけは絶対に許せない。
今更・・・アンタを魔族に引き込むだなんて・・・。
姉さんの事を思い出させて辛い思いをさせてしまう。
いや・・・私がアンタの前に姿を現すこと自体が・・・アンタを傷付けるから・・・だから軍に入って会わなくてもいい様にしたのに。
そこまで考えて・・・いや、もしかしたら考える前に。
アタシは任務を放棄して人間界に逃げ込んだ。
危険なのは分かる。
そしてアタシが行かなくたってきっと他の誰かが・・・そう、恐らくワルキューレがアンタの元へ勧誘へ行くって事も。
逃げてるだけだって分かってる。
でも・・・アタシには出来なかった。
アンタを苦しめるだけの存在のアタシが・・・そのアタシがアンタを魔族に引き込むなんて・・・。
考えただけで背筋が凍るようだ。
アタシは救い様も無い馬鹿だから・・・
アンタを苦しめて・・・嫌われたくないって恐怖していながら・・・
アンタが魔族になれば一緒に居られるかもしれないってどこか嬉しく思ってる自分がいるのが分かるんだ・・・。
嫌だった。
そんな事を考える自分自身が。
怖かった。
アンタにそれを知られる事が。
哀しかった。
アンタに会えない事が。
そんな資格なんてないって十分過ぎるほど分かってるけど。
ただ・・・ただアンタの優しさに包まれていたかった・・・・・・。
逃げ出して・・・どれだけの時が経ったのだろう?
アタシは何かに包まれている様な感覚に薄っすらと目を開いた。
何だ?アタシは・・・この感覚を知っている・・・
・・・そう・・・・・・
これは・・・
アンタの優しさ・・・!!
そこまで考えて眼を見開いたアタシの視界に飛び込んで来たのは・・・魔族化して・・・大分姿の変わってしまったアンタだった・・・。
何で・・・!何で・・・・・・!!
声にならない想いをアタシはぶつけようとしてた。
けどアンタは本当に・・・
本当に何事も無かったかのように。
相変わらずの優しさで・・・アタシを包んでくれた。
嬉しくて・・・でもアンタをそんな姿にしてしまった事が哀しくて・・・悔しくて・・・
涙が出た・・・。
涙を流してしまうアタシを・・・アンタは優しく抱きとめてくれて・・・。
それが又嬉しく感じて・・・又泣いた。
今は何も聞かないよ・・・アンタが何で魔族化しちまったとか・・・何でアタシなんかの所に来てくれたとか・・・。
今は・・・今だけは・・・アンタの優しさに・・・幸せに包まれているだけでも・・・いいよね・・・・・・。
今までの
コメント:
- みなさんご無沙汰しております。
・・・期間があいたのでリハビリがてらべスパに挑戦してみました。
・・・・・・いかがでしょう?・・・自信ないなぁ(−−; (ブラックキャット)
- 私のなかではベスパはアシュに想いを寄せつつも、ドライな性格の目立つキャラだと考えておりましたが逆にこーゆー雰囲気のベスパもまた合っている気が致します。似たような苦楽を体験した横島クンとベスパですが、その中でお互いを気遣う心を忘れていないあたりが「らしい」感じでした。横島クンが魔族化してしまった経緯がぼかされておりますが、有り得ない展開ではないと思いますので賛成です(爆)。少し可愛らしい感じのあるベスパが良かったです(笑)。投稿お疲れ様でした♪ (kitchensink)
- ぐばぁっ!!!(吐血)
ふ…ふふ、参ったぜ…完敗だよ…
俺には勝てねえ、俺が書けるのは中世止まりバンパイアと人斬り人狼ぐらい…
それにくらべて…あんたは美女の心境を書いた、負けたよ
もう言う事は何もない(悔いのない寝顔)
投稿お疲れ♪ (ブリザード)
- ベスパが横島のことを…。何となく分かる気がしますね。言い回しが巧く読者を納得させる力を持ってますし、技術的なものが光るような気がします。横島が魔族化した理由も文の流れの中で見えてきそうで、文中でははっきりと明記しないあたりが彼女の気持ちがこもっているようで切ない印象を受けました。彼女の中では横島はアシュ様の次くらいになっているのでしょうか?もしかすると、お互いに大切なヒトを失っているからこそ余計に変わり果てた横島に悲しさを覚えたのかもしれないですね(深読み?←爆)。 (マサ)
- 最初の頃のベスパって、アシュタロスの事を特別に好きってほどでも無かったように思っています。
その時期に自分の気持ちを考える機会があったらこういう展開も有ったのかもしれないと思います。
基本的に、ベスパと横島がくっ付くのは好きです♪ (KAZ23)
- OKッス!こんなぺスパも……
いいね〜、いいね〜、いいね〜〜!!(だんだん大きくなる声)
私にはマネできない……
とっても良かったです!投稿お疲れ様〜! (リュート)
- 皆様コメントありがとうございましたっ!(ペコリ)
べスパへの挑戦でしたが・・・私ってば甘物しか書けないのかもしれない・・・(汗
次は何書こうかなぁ・・・皆さん何かリクあります?(爆 (ブラックキャット)
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