ザ・グレート・展開予測ショー

橋姫伝説 その10


投稿者名:弥三郎
投稿日時:(03/ 3/23)

側溝にはまってしまった美神達を救助した後、唐巣神父たちは北へと急いだ。
隠しておいたチェロキーを操るのはクリス君。運転は荒いものの、敵の追っ手を巧みに避けている。

「攻撃ヘリが来たらイチコロです!!」
「いや、木津には配備されておらん。対空砲と戦車、歩兵戦闘車ぐらいだよ。」
「ならいいんですが。」
「美神君、何か持ってきているかね?」
「クレイモアとランチャーなら……」
「よし、それで罠作ろう」

霊力レーダーで接近している敵を確認できたため、急遽罠を張ることにしたのだ。
マンホールの裏にクレイモアをくくりつけ光学センサーを取り付ける。それに霊的ステルスを付けて仕掛ける。
これで光学地雷の出来上がり。ほとんど目立たないので不意をうつにはうってつけだ。

「み、美神君、こんな危ないもの……」
「あら、そういう唐巣先生だってその仕掛けは何かしら?」

唐巣が仕掛けたのはワイヤーを仕掛けて隠してあるランチャーのトリガーを引かせると言うもの。
因みに弾頭は徹甲弾である。

「ここまでしないとなぁ。」
「せ、先生!!敵が来ます!!」
「よし、隠れるぞ!!」

装甲車がゆっくりと近づいてくる。
そして……

ドカーン!!

「よし、引っ掛かった!!」
「手を上げなさい!!」

相手の兵士5人を拘束することに成功した。


自衛隊が使用していた軍用車両を捕獲した神父たちは武器に物を言わせて追手を撃退。
さながら騎兵隊から逃げる盗賊一味のようである。
特に美神の暴れ方はすごかった。
前にクリスに怒られた事が念頭にあったのだろうか、ランチャーをぶっ放しまくっていた。

「ほーほほほほ、ザマーミロだわ!!」
「令子、ちょっとやりすぎじゃない?」
「何よ、ここまでやらないと気がすまないわ!!」

所かまわずランチャーをぶっ放しているので戦利品ごろごろ。
対戦車砲や三十七粍速射野戦砲などなど……。
さらにはそれを使う有様。野戦砲はエミと2人がかりでぶっ放していたとか……

「彼女達すごいですね、神父。」
「ああ、後で変なことに巻き込まれんように気をつけなさい、クリス君……」


彼女達の活躍もあってか、名阪高速のガード下にある検問所にたどり着いた。
その後、自衛隊に武器を引き渡した後本部にたどり着いた。

「美神さん!!」
「神父、ご苦労様です。あらあら令子、泥だらけの上に硝煙臭いわね。相当暴れてきたわね。」
「ええ、霊力通用しない相手だったもの。強力な霊力防御が施されているんですもの。それなりの能力者がいると思っていいわ。」
「うむ。それに、捕虜捕まえてきたんだが、洗脳も少なからず施されているようだ。」

能力者の中には洗脳を行うことが出来るものもいる。ただ、この能力は犯罪に使われやすいため
日本GS協会ではこの能力を使う人間をすべてリストアップし、その者に対して犯罪捜査に協力する限り
使用可能なライセンスをその都度発行している。(誘導尋問を行うため)
しかし、それに違反する能力者は少なからずでてくる。
違反した場合は神族の協力を借りて能力を封印した上で刑務所に放り込むという措置を取っている。
たまに逃げ切る奴もいる。その犯罪者が加担している可能性も否めないと言うわけである。

「厄介だわね。で、それは破れるのかしら?」
「ああ、やっとこさ破れたそうだ。プロテクトまでかかっていたからそれを破るのは大変だったそうだよ。」
「被害者救済もね……はぁ。」

美智恵の進む道は前途多難である。


一方戦力をこつこつ削られていった敵側は

「何たることだ!!武器を奪われ、捕虜にされ、その上に一個中隊全滅させられるとは!!」
「申し訳ありません、中隊長が戦力を小出しにしたもので」
「言い訳は聞きたくない!!目的は何だ!!」
「は、日本の革命開放、日本オカルトの完全統制です。」
「その目的を達成するにはどんな犠牲も伴わない。奴らは搾取者、帝国主義者に組する者どもだからな。
 そいつらは皆殺しだ。」

かなりやばい話をしているようだ。
未だに1970年代の考え方をしているこいつら。はっきり言って時代錯誤も甚だしい限りである。

「権力の中枢に入った暁には……」
「わかってる。利益はわれわれの思いのままに……」

もう腐敗始めている反乱軍。だが、侮れない力を持っている反乱軍。一体戦況はどうなるのか?


所変わって美神所霊事務所。
シロとタマモ、それにおキヌちゃんが事務所で待機している。
オカルトGメンから派遣されてきた護衛兵の人に料理を振舞っていた。

「皆さん、ご飯が出来ましたー。」
「すまないわね、おキヌちゃん。」
「いえいえ、皆さんが喜んでいただけるだけで、私嬉しくて。」

女性隊員と談笑するおキヌちゃん。

「おキヌ殿、ご飯でござるか!!」
「あら、おいしそうなお揚げ。」
「シロちゃん、タマモちゃん、丁度いいところだったわね。ご飯ですよ。」
「外の人にもご飯もっていくでござるよ。」
「お願いね。」

外で守っている人にも料理を持っていくシロ。
非常事態宣言が出されてから3日。夜間の外出禁止命令も出されている地域もあり、非常に張り詰めた状態が続いている。
護衛はかなり神経を使うのだが、おキヌちゃんの配慮によって護衛兵の精神状態は極めて良好である。
しかし、

ドカーン!!

「何事だ!!」

隊長らしき人が銃を構えて怒鳴る。周りの兵士は一斉に臨戦態勢に入る

『事務所のガレージに爆弾を打ち込まれました!』
「被害は!!」
『美神オーナーのコブラを破壊されただけです。護衛の方とシロさんは無事です。』
「外のものは何をしていた!!」

通信機に向かってがなり立てる隊長。
その後の経過を聞いてみると犯人がイングラムで抵抗したため手と足を撃って捕虜にしたということ。
犯人が自殺しようとしたことが伝わってきた。

「美神さんに報告!」

『もしもし』
「美神さん、た、たたたた、大変です、こ、ここ、コブラが!!」
『おキヌちゃん、落ち着いて。何があったのかわからないわ。』
「テロにあってコブラ壊されちゃいましたぁ!!」
『……あとで東京湾の魚の餌にしてやるわ。(怒)』
「あわわわ……」
『直せるようだったらいつもの車屋に運んで頂戴。』
「わ、わかりました。」


またまた場所変わって、ルシオラたちは

「いやー!!降りるのはどうしたらいいのぉ〜?!!」
『辻本さん、大丈夫よ。慣れればなんとも無いわ。』
「ルシオラさん、慣れる前に死んじゃいそ〜(泣)」
『震電を信用して。落ち着いて。』

いま、ルシオラたちは震電の習熟訓練を行っている。
空を飛ぶのが初めてなのか辻本は錯乱状態になっている。

「おいおい、ここら辺でやめたらどうだ?」
「そうね、2時間もやっているんだからね。辻本さん、終わりにするわ。」
『どうやったら降りられますかぁ〜(涙)?』
「…………(汗)わかったわ。ちょっと待ってて頂戴。」

上空で泣きながら旋回していた辻本を回収したルシオラはつなぎ姿に着替えて震電の整備をやっている。
実戦配備はもう少しだが、パイロットに少し問題がある。
放心状態で比叡山の方向に飛んでいった奴とか、『わーははははは!!往生せいやぁ!!』と笑いながら、飛び回る
ちょっとおかしな警察官がいたり、泣きながら飛んでいた辻本とか……
横島はよく飛んだが、地上での任務がある。
うまく使えば空挺的な使い方が出来る震電。美智恵はそれを狙っているようである。
ルシオラも課題がたまっている。

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