ザ・グレート・展開予測ショー

彼の大きさ(9−4)


投稿者名:ANDY
投稿日時:(03/ 3/12)

「で?私の相手はおたくらってワケ?」
「え〜?そうなの〜?」
 シロとタマモの戦いの横で、エミは残りの『下っ端ーズ』に、言葉を掛けた。
 冥子のセリフは無視したようだが。
「そうなるようだな」
「はあ。ただの人間ねえ」
「言うな。虚しくなる」
 それぞれが答えを返してくる。
 が、その答えを聞き、エミのほとんどない堪忍袋の緒が切れた。
「あんたら〜!!さっきから黙って聞いてれば!!人間をなめんじゃないワケ!!私は世界トップクラスでGS試験でもベストスリーに入ったワケよ!!」
「そうよね〜。令子ちゃんが一位で、私が―」
「冥子は黙っててもらうワケ!!」
「え〜ん!!エミちゃんが怒った〜!!」
「うるさ〜い!!」
  パシ〜ン!!
「み、美神さん。それはどこから?」
 怒鳴っているエミの頭をたたいた獲物を指差しながら、オキヌは美神にたずねた。
「ふん。あ、これ?これは厄珍から貰った『万能突っ込みハリセンMK−2ver.大阪は笑っているか?クン』よ。このシリーズは振り心地がよくってね」
と、解説をした。
 ちなみにこのシリーズの餌食、もとい突っ込まれ役は彼の人とここでは記しておく。
「でも・・・」
「でも?」
「な〜んかしっくり来ないわねえ。不良品?それとも、エミのお頭の中身が空なのかしら?」
「は、はは(汗)」
「人の頭はたいといて、言うことはそれなワケ〜!?」
 獲物に対しての評価を下している美神に対して、エミは憤怒の形相で詰め寄っていた。
「なによ!!事実でしょうが!!」
「少なくとも令子よりはあるワケ!!」
「なんですって〜!!」
「何なワケ!!」
  パーン
 睨み合いを始めた二人の足元に、一発の銃弾が届いた。
「「・・・・」」
 二人が無言でその発砲元に視線を向けると、ダガーと死闘をしている、唐巣・美智恵のコンビがいた。
  ギロッ!
「「・・・・(大汗)」」
 一瞬、美智恵の視線がこちらに向き、二人を見つめた。
 その視線を受けて、二人は大量の冷や汗をかいた。
 その視線は雄弁にもこう語っていたからだ。
『真面目にやりなさい。でないと、あとでオ・シ・オ・キ・よ♪』
と、絶対零度よりも冷たい瞳で語りかけていた。
「ま、真面目に行きましょう。真面目に」
「りょ、了解なワケ」
 そういい、二人はやっと戦闘体制に移った。
「や、やっとシリアスに(涙)」
「ふあ〜。そろそろ出番〜?」
 我関せず、のスタイルでいた二人の口からこんな言葉が出ていた。
 いやに、実感のこもった言葉だ。
「さて、待たせたわね」
「「「待たせすぎ!!」」」
 美神の言葉に、そう異口同音で返す『下っ端ーズ』の面々。
 あまりにもそろって言われて、美神も一歩後退する。
「な、なによ!」
「はいはい。とっとと始めわよ。で?誰にする?」
「あ〜。俺は余りもんでいい」
「我もだ」
「じゃあ、私は美神令子を貰うね」
「では我ら二人は残りをやるか」
「うむ」
 美神の抗議の声を無視して話をまとめる『下っ端ーズ』。
「では、始めよう」
「It’s Show Time!!」
「だな」
 そう言いながら戦闘体制に移行する『下っ端ーズ』の面々。
 それに応じるように、戦闘体制に移る美神たち。

「そうだ。自己紹介をしましょう」
 そういい、美神に対峙していた『下っ端ーズ』の一人が仮面を取りながら言った。
 仮面の下からは、妖艶で美しい顔の女悪魔が現れた。
 何時の間にかマントもなくなっており、ボンテージ姿の素晴らしい肢体があらわになっていた。
「私の名はフレア・ウィップ。よろしく。それと私の獲物はねこいつさ」
 そう言ってフレアは紅い鞭を手にした。
 その赤の色は、まるで血のように禍々しかった。
「美神令子。あんたも鞭を使うらしいじゃない。どっちの鞭捌きが上か比べてみない?まあ、私が勝つけどね」
「ふん。この露出狂が!!いいじゃない。やってやろうじゃないの!!自分が所詮、格好だけの見かけ倒しだってわからせてやろうじゃないの!!!」
「ふふ。言うわねえ〜。これは徹底的に力の差をわからせてあげないとねえ〜。調教のしがいがあるわあ」
「ふふふ。私の使い魔にしてやるわ」
「「ふふふふふふ」」
 妖しい笑い声を上げながら、赤い鞭使いと、世界最高のGSの戦いが始まる。

「さてと、こっちも始めるワケ」
「は〜い」
「わかりました」
 エミの掛け声に、答えるオキヌと冥子。
 オキヌの顔には若干の緊張がうかがえる。
「さて、始めるかい。あ、その前にまず自己紹介を。俺の名前はナックだ。よろしくな。ちなみに俺の獲物はこれだ」
 そういい、ハンマーのような自分の拳を見せるナック。
 どうやら、ガチンコ勝負が好きなようだ。
「我が名はジュウオウ。我もナックと基本的に同じだが、飛び道具も使える」
 そういい、ナックとは対照的に細い指の手のひらを見せるジュウオウ。
「二人とも、気合入れるワケよ!!」
「は〜い」
「はい!!」
 気合を入れて戦闘体制に入る三人。
「じゃあ、始めようかい!!」
 裂帛の気合の声と共に、剛と柔の拳士と、世界最高の呪術師・式神使い・死霊使いの戦いが始まる。

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