ザ・グレート・展開予測ショー

橋姫伝説 その8


投稿者名:弥三郎
投稿日時:(03/ 3/10)

本当なら10話でおわす予定だったのですが、長引いちゃって今のところ何話で終わるか解らない状態です。
なるべく早めにおわします(汗)。


「京滋バイパスが爆破された?!」
「畜生!!こんな早く動くとは思わなかったぜ!!」

ルシオラが震電の整備、他の者は昼食をとっていた時だった。

続いてさらに最悪な情報が入ってきた。

「申し上げます!2時間ほど前、木津の陸上自衛隊駐屯地が襲撃され戦車や装甲車などが奪われた模様です!!」
「なぜ今頃!!」
「どうも、電波ジャミングがあったみたいでうまく通信ができなかったこと、それに、基地は全滅です……」
「畜生!!木津には俺の友達がいたんだ!!くそぉ!!」

若いGSが叫び声をあげて泣き出した。
周りは重い空気に包まれる。
そこに美智恵が現れる。

「みんな聞いて、いい情報もあるわ。あと3時間で関空からヨーロッパの援軍が京都に到着するわ。
 それまで京都駅は防衛することね。それからたった今、台湾からの援軍が到着したわ。」

それを聞くとGSたちは歓声を上げた。たった20人でも、戦力増強はうれしい。
しかも、3時間後にはさらに大量の援軍が到着する。それまで持ちこたえればいいのだ。

「あ、雪之丞!!」
「横島、久しぶりだな!!」

台湾のメンバーと一緒に現れた雪之丞。

「どうしてお前台湾の奴と……」
「事件勃発のときに俺、仕事で台湾にいてな。GS協会から援軍を頼むようにと指令を受けてた。」
「かき集めるの大変だったんじゃないのか?」
「いや、すぐに集まったよ。比較的日本語も通じたし。親日派が多くてな。」

60年ほど前、台湾は日本の領土であった。ほかの欧米列強の植民地支配と比べてすごい良心的だった日本は
台湾統治は安定したものだった。その影響もあってか、台湾の人は日本に対して好意を持っているのである。
ただ、韓国などは国内事情を知らない海外亡命の独立派が権力を握ったため未だに反日の色が濃い。

「お前、弓さん寂しがってたぞ。普段構ってやっていないんじゃないのか?」
「う、うるさい!!横島見たいにいちゃいちゃできねぇんだよ!!」
「羨ましいだろぉ?!」
「ぐぬぬぬ〜〜〜」
「そこ、話聞きなさい!!」

美智恵がハリセンで2人の頭をはたく。

「で、政府は京都府南部に非常事態宣言をだしたわ。」
『また内戦が起こるのかのう。』
「後醍醐天皇陛下!!」

いきなり現れた後醍醐天皇にみんなびっくりする。
『それほど驚くことも無かろうに。話を戻すが美知恵殿、朕は相手の戦力を探ってきた』
「恐れ入ります。」
『当然のことじゃ。相手はとんでもない戦力を整えておる。魔族と契約したものもおるぞ。』
「何ですって!!」
『デタントに反対する勢力の者だろう。日の本が混乱すれば世界も混乱する。そうすれば利益が上がるからな。
 主流派の魔族たちは関わった魔族を逮捕したが、人間界介入を躊躇しておるようだ。
 現在神族側とどうするか交渉が続いておるようだが、決まるころには京都が破壊されておるかもしれん。
 時間は無いぞ。』

魔族との契約、これは衝撃の事実であった。
考えてみればこれほどの騒ぎを起こすにはそれなり相応の力が必要となる。
ICPOから指名手配されている霊能力者はここまで騒ぎを起こす力は無い。
ただ、ネクロマンサーもどきみたいな能力を持つ指名手配人は何名かいる。
その霊能力者が魔族と契約して力を得ることができれば、霊団を操ることができるし、騒ぎを起こすことも可能だ。
美智恵は東京のICPOに電話をかけた。

「もしもし、私よ。指名手配人のリストアップしたものを聖護院御殿荘に送って頂戴。今すぐよ。FAXで。うん、お願いね。」

(これで、相手の手の内がわかるかもしれない。)

美知恵の頭はめまぐるしく動き始めた。


30分後、聖護院の会議室で日本ICPOの美智恵と西条、陸・空の自衛隊近畿方面司令官
海上自衛隊舞鶴管区司令官、京都府警本部長、ローマ法王庁の先遣隊隊長、スコットランドヤードの対霊障課課長
台湾GS義勇隊隊長の面々たるメンバーが勢ぞろいしていた。
オブザーバーとしてアメリカ海軍第7艦隊の霊障対策委員長もいた。
喧々諤々と会議をやっていたが、結果として

・京都防衛司令官は美神美智恵が就任。
・自衛隊の対霊障兵器交換の迅速化
・ローマ、イギリス、台湾のGS部隊は美神の指揮に入る
・前線を名阪高速道の南2キロに敷設
・最終防衛ラインを東海道本線とする
・霊障専門のアメリカ海兵隊を滋賀県大津で待機させる
・京都の呪いを突き止める特捜部隊を設置する

と言うことで決まった。
対アシュタロス戦での業績が認められた形だ。

一方、ルシオラは震電を量産すべく作業をしていた。

「おい、少し休んだらどうだ?」
「ヨコシマ、ありがとう」

横島から紅茶を貰うと、スパナを置いて飲み始めた。
今のルシオラの姿はつなぎを着た状態である。ただ、上半身のつなぎは脱いだ状態で腰に巻いている。
上半身はタンクトップである。横島にとってある意味「萌え」である。

「ヨコシマ、おいしかっ……きゃぁ!!」

振り向くとルシオラの目の前には鼻下を伸ばしてドアップ状態の横島がいた。

「なにしてるのよ!変態!!」

ルシオラのパンチが横島の鼻頭に叩き込まれる。
横島は鼻血を出しながら

「しかたなかったんやー」

と涙を流して絶叫している。

「もう、学習能力無いんだから。」
「で、どうなんだ、震電は?」
「ん、過給機付けて性能アップさせたわ。これなら霊力低い人でも操作できるわ」
「すごいな(汗)数は?」
「5機が限界ね。材料が無いもの。」
「仕方ないさ。急ごしらえなんだから。ここまでやったのはすごいよ。」

横島はそういうとルシオラの頬にキスをした。
ルシオラは少し驚いたようだが、微笑んで横島のおでこにキスをする。

緊張している中での幸せなヒトトキであった。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa