ザ・グレート・展開予測ショー

世界はいつも流れて……(44)


投稿者名:リュート
投稿日時:(03/ 3/10)

 俺と冥子ちゃんはインダラに乗って郊外にある採石場に向かっていた。
 バックの中の武器を思いっきり使える場所はそこしかないからな……警察には映画の撮影ということで連絡してたから準備はOKだ。

「冥子ちゃん、本当に助かりました!」
「いえ〜〜、構いませんよ〜〜。鬼ごっこなんて、と〜〜っても面白いことに参加出来るんですもの〜〜」

 Why〜!鬼ごっこ?どういうこと?

「あの〜、冥子ちゃん。鬼ごっこって……」
「え〜〜?だって横島くん〜〜マリアちゃんに捕まらないように逃げてるんでしょう〜〜?だったら鬼ごっこじゃない〜〜」

 おキヌちゃん、どんな説明したんだ……?全部説明する時間が無かったのか?

「いや鬼ごっこじゃないんですよ……実は……」

 俺はいままでの経緯を話した。

「まあ〜〜、それじゃマリアちゃんの片思いなんですね〜〜」

 冥子ちゃんはニコニコしながら手を合わせて言う。

「おいおい……」 

 分かってない……全然分かってないよこの人は……





 採石場に着いた俺と冥子ちゃんはマリアが来るのを待っていた。

「あ〜〜、マリアちゃんだ〜〜」
「来たか!!」

 ガシュン!
「横島さん……」 

 上空から一気に俺の前の地面に降り立つマリア。
 俺は両肩にバズーカ2丁持ってマリアに狙いをつける。
 これがバスターライフルで某ガン○ムパイロットだったら、『お前を殺す』とか言いそうだな……

「目標補足、ツインバズーカ!ファイヤー!!」

 ボボヒュヒューーン!!ドコオオオオオオオンンン!! 
 2丁のバズーカから放たれた弾頭はマリアに直撃して大爆発を起こす。
 俺は2丁のバズーカを撃った反動と爆発の衝撃で後ろに倒れそうになる。
 くっ……無反動でもさすがにバズーカ2丁は難しかったか……

「すまんマリア。恨むならあんな物を棚に置いた厄珍を恨んでくれ」

 俺はマリアがいた場所に向かって手を合わせるが……晴れていく煙と炎の中に動く人影があった。

「……嘘だろ……あの爆発で……それなら、銃身が焼きつくまで撃ち続けてやる!」

 俺はバックの中からマシンガンを取り出して某隊長の台詞を言いながら撃ちまくる……だがマリアに当たっても装甲に弾き返されて傷一つ付かない……
 マリアって……なんで出来てるんだ?ガンダニウム合金か?それとも超合金Z?

「仕方ない……最終兵器の冥子ちゃんを使うか……」

 暴走ならいくら強固なマリアでも壊せるからな。
 俺は後ろに居る冥子ちゃんの方に振り向くが……

「ふにゅ〜〜……」
「………ってなんで気絶してるんですか冥子ちゃん!!」

 そう、冥子ちゃんは目を渦巻きにしながら気絶してました。原因は多分、バズーカの爆発による衝撃波によってだろうけど……

「冥子ちゃん!!冥子ちゃん、起きてくれ!!」
「うにゅ〜……お母さま〜〜……今日はにんじん食べましたわ〜〜……」

 だ、駄目だ……全然起きない……

「横島さん……」
「くっ……これまでか……」
 
 マリアはどんどん俺たちに近づいてくる……だがその時!!

「待て!マリア!!」 
「カオス!!」

 絶対絶命の状況に救いの手が……カオスが崖の上から自転車に乗って現れた。
 どうでもいいが、何故カオスはボロボロなんだ?(答え、アパートに戻ったら大家に見つかりしばかれた)

「お前は薬の所為でその男を好きだと錯覚しておるだけじゃ!そうでなければ、そんな冴えない男を好きになるはずないじゃないか!!」

 冴えないって……あんた……

「ノー・ドクター・カオス!薬・関係無い」
「関係無いわけがあるか!とにかく、目を覚ますんじゃ!!」

 ポチッっと自転車に乗せていた機械のスイッチを押すドクターカオス。
 ドカーン!!ヒューン、ドコッ!

「どぎゃっ!あちちちち!!」

 ボタンを押した装置が爆発し、カオスは崖から落ちてきて燃えた。

「あんた一体何しに来たんだ?」

 ドドドドドドッ!!
 呆れてる俺にさらに状況を悪化させる地鳴りが……

「横島どーーん!!やっと見つけ申した!おいどんの愛を受けとるでごわすーーっ!!」
「ホレ薬がこいつにもかかってたアルよっ!!ボウズ、なんとかして欲しいアルー!!」

 ホレ薬のかかった石像と厄珍が後ろから現れた。これによりマリアと石像に挟み撃ちにされる。
 これを前門の虎後門の狼と言うんだろうな……って関心してる場合じゃない、このままじゃ殺されるぞ。冥子ちゃんが起きないとここを動けないし……

「どうすればいい……何か打開策があるはず……」

 そうだ!草薙の剣なら……持ってきてねえ。文珠『飛翔』で空に逃げるか……文珠が無い。あんな男の石像に殺されるぐらいならいっそマリアに……って違う!!打開策、打開策!!ああ駄目だ!思いつかん!!
 
「どすこいっ!!」
「し……死んでたまるか!!」

 俺は後ろにいる冥子ちゃんを庇う為、巨大なサイキックソーサーを楯にして石像の手を防ごうとするが……サイキックソーサーがあの大質量に耐えられるのか!
 俺は目を瞑って衝撃に耐えようとする。
 ガキッ!!
 何かがぶつかる音がしたが……衝撃がいつまでたってもやってこない。

「あれ?衝撃が……ってマリア!?」

 目を開けると……なんと、石像の手を受け止めるマリアの姿があった。

「おいどんの愛を妨害すると許さんでごわす!!つぶしてしまうでごわす!!」

 俺はホモじゃないから、男の愛なんていらんわ!!

「横島さん・壊す・マリア・許さない!!」
「古代中国石像、西洋からくり人形には負けんでごわす!!おいどんの愛の深さを知れーーっ!!」
 
 グググッと押されて、体に負荷がかかったマリアはスパークを起こす。

「マリア・壊れても……!横島さん・守る……!!はあっ!!」
「のおおーーーーっ!?」

 マリアは自分の10倍近くの大きさの石像をぶん投げて崖にぶつけた。
 恋する乙女は百万パワーか……ってシャレにならんな……
 俺は近づいてくるマリアに警戒するが……マリアがよろめいて倒れそうになった為、受け止めようとしてしまった。
 俺が受け止める前にマリアは上体を立て直し俺の肩に手を乗せて、顔をあげる。

「マリア・ドクターカオス・100%好き……でも・横島さん・728・3%好き……大好き……」
「えっ……!」

 マリアが言い終わった直後、俺に倒れかかり……なんと俺の頬に掠るようにキスをして機能を停止した。
 機能停止した為……そのまま倒れてきたマリアの体を俺は受け止める……だが……

「へっ!?うえええーー!!ぐぎゃっ!!」

 受け止めた俺はマリアの体の重さを甘く見てたのかも知れない、あまりの重さに受け止めきれなくて俺はマリアと一緒に地面に倒れ、俺は潰されかけた。

「うぎゅーー!!お、重いーー!!誰か助け……」
「あの石像は高かったアルよ!!どーしてくれるかっ!?」
「ワシの所為じゃない!」
「すぴすぴ〜〜……」

 俺の助けの声は全然聞いてくれません。冥子ちゃんは気絶してるし……ああ、意識が遠くなる。
 それにしても……実に不思議は女心、それは人間もロボットも変わらないのかも知れないな……
 薄れゆく意識のなか、マリアの横顔を見てそう思った……
 その後、おキヌちゃんが来るまで、俺はマリアの下敷きになってたそうだ。もう少し遅かったら押し花ならぬ押し人間になってたかもしれない。
 ちなみにカオスは家賃を払えなくて、また大家にしばかれてたそうだ。

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