ザ・グレート・展開予測ショー

ひのめ奮闘記(その5)


投稿者名:ユタ
投稿日時:(03/ 3/10)











「ねー彼氏とはうまくいってんの?」
「まぁね〜♪」

「駅前においしいケーキ屋さんが出来たんだって〜」
「ホント?今日いこうよー」

などなど、女の子のキャッキャっと騒いでいるのは六道女学院更衣室。
5限目の霊能授業のために着替えている最中の1−B組。
その中に美神ひのめ、そしてその親友・江藤幸恵の姿もあった。

「ねぇ、ひーちゃん?」
「ん?」

ひのめはうんしょと上着を脱ぎながら、少し心配そうな顔をする幸恵に返事をする。

「この間上級生に絡まれたって、ホント?」

「へ?」

何でそのことを知っているんだろうと、ひのめは驚きで少しまぬけな表情をしてしまう。
しかし、すぐにふっと頬を緩めると・・・

「大丈夫大丈夫!バシっと一本背負い決めてやったわよ!」

と、ウインクをした。少なくとも嘘はついてない。

「そう・・・ならいいんだけど・・・。もし困ったことがあったら私に言ってよね」

幸恵は真摯な瞳でひのめを見つめる。
ひのめは相変わらず心配性だな〜と心で呟きながらも「ありがと」と返事をした。

「でもさ、さっちゃんも変わったよね」

「え?」

「だってさ・・・中学校のとき初めて会ったシーンが『イジめられてるさっちゃんとそれを庇う私』だったじゃない」

「ちょ、や、やめてよー!3年も前のことじゃないー!」

体操着に着替え終わった幸恵があたふたと慌てながらポカポカとひのめを叩いた。

「あいたた、ごめんごめん・・・。さっちゃんは強くなったねって言いたかったのよ」

「ふんだ!私の心は傷つきました〜!罰として帰りにあんみつ奢ってよね」

「・・・・ったく、3年前はもっと奥ゆかしい子だったのに・・・はいはい分かったわよ」

「やった♪」

幸恵はしてやったりと笑顔を浮かべながらその長い黒髪を後で束ねた。
逆にひのめはこの後の出費を思いながら「ふぅ」とタメ息をつく・・・そして、ロッカーに制服を入れながらそうと呟いた。

「・・・・・・・・・・・ほんと・・・・・・・・さっちゃんは強くなったよ・・・・・・・・でも、私は・・・・・・・」

「ん?何か言った?」

幸恵の声にハっとするひのめ、無意識に呟いた言葉に反応され少し驚くが、

「あ、うん。・・・・・・・・3年前よりさっちゃんは成長したねって・・・・・・・・・ここが!」

ひのめはキョトンとした幸恵のほうへ笑顔で振り返ると、いきなりその胸を後からムニっと揉んだ。

「ほほう・・・84のCですか?まだまだ成長しそうですね〜」

「キャハハ、や、やめてよ!ひーちゃん、く、くすぐったい!あははは・・・ダメ・・・アん・・・あっ」

まぁ、この二人も女子高生で、ここは一応女子高なわけでこういうノリもあるのか・・・
周囲の生徒もその光景に慣れているのか過剰な反応はぜずせずクスクスと笑うだけだった。
が・・・・

「いいかげんにしなさい!」

怒号と共にガンっとロッカーを叩く音が更衣室に響いた。
その場にいた全員がその音にまるで時が止まったかのように声がしたほうに釘付けになる。

「神聖な学び舎でなんてふしだらな!」

ロッカーをぶん殴った人物・・・・・・・・・・
三世院京華(さんぜいん・きょうか)は顔を赤らめながらキっと相変わらず幸恵の胸に手を当てているひのめと、
別の意味で顔が赤い幸恵を睨んだ。

「全く!あなた達は何を考えているんですか!!?・・・・ったく・・・
そんなことだから美神さん・・・・・・・・あなたはいつまで落ちこぼれなんですわ」

始めは京華の勢いにポカーンとしていたひのめだが、やっと思考が回り出しその言葉に反応を示す。

「・・・・・・・・・・・な、何ですってぇ!!!どういう意味よ!!!」

「ふん・・・そのままの意味ですわ・・・。
ふふ、・・・・・・・・今日の体育・・・・楽しみですわね」

京華は不適な笑みを残しながら更衣室を後にした。
ひのめはぐぬぬと力拳を握りその後姿を睨む。
おそらく幸恵が姉・令子や母・美智恵の本性を知っていたらきっとこう言っていただろう。

(ひのめちゃん、お姉さんやおばさまにそっくり)

と。

















「よ〜し、じゃあ今日は今までの復習も兼ねて生徒同士の『練習』形式でいってみよかー」

鬼道の声が体育館に響いた。その床には今日の授業・・・・霊能格闘授業のため8つの結界フィールドがひかれている。

「今までやった式神相手の練習を思い出してやるんやぞ〜、それとしかっりどんな手で攻めるかを相手に伝え
とかなケガするからな〜。んじゃ、まず二人一組に・・・」

鬼道が今日の授業の説明を始めようとしたとき、
体育館の入り口からトコトコと歩いてきた男性教員が鬼道に近づきボソボソと話しかけた。

「え、電話ですか?」

「急ぎみたいなんで・・・」

「あ、はい分かりました。今、行きますわ。・・・・・・・・・・・・・え〜と、じゃあちと離れるけどちゃんとやるんやぞ〜。
おっと・・・・・・・・・・・今日は14日やから、・・・・・・・・・・名簿番号14番と4番の生徒」

「「はい」」

その番号に該当した生徒二人が元気よく返事をする。そのうちの名簿番号4番・・・それは江藤幸恵だった。

「悪いけど、裏の体育倉庫から予備の結界フィールド用チョークと結界札持って来てくれへんか?これ鍵な」

鬼道はそういって幸恵に鍵を渡すともう一人の教員と共に体育館をあとにした。
鍵をもらった幸恵は不安そうな顔でひのめに視線をむける。

「災難だったわね〜、ここから体育倉庫って遠いし」

「う、うん・・・そうだけど」

ひのめに笑顔を返せない幸恵、別に体育倉庫までの距離が問題なんじゃない、自分がそばにいない間のひのめが不安なのだ。

「あら、江藤さん・・・・さっさと行ったほうがよろしいんじゃないかしら?」
「わかってますよ・・・」

幸恵は本当の問題点・・・京華をジロっと睨んだ。
そして、すぐにひのめのほうを振り返るが、当のひのめは気楽にグっと親指を立てた。

「行きましょ」
「う、うん」

幸恵は名簿番号14番・橋本裕子に声をかけると後ろ髪を引かれる思いで体育館を後にした。
幸恵と橋本が体育館を去った後5つのフィールドでは一斉に生徒達が練習を始める。
初めての生徒同士の組み手ということでみんな緊張した面持ちだ。
もちろん5つのフィールドでは全員をさばききれないので順番待ちも起こるのだが・・・
残る3つ・・・そこだけはいわゆる『三世院』派の独占だった。

「さて、私もペアを・・・」

ゆっくりと腰をあげるひのめ・・・その前に現れたのは・・・

「よかったら、私とペアを組んでいただけないかしら」

頬を緩めた京華だった。
ひのめは一瞬だけ驚いた表情をすると・・・・・

「こちらこそお願いします」

ニっと笑みを漏らしてその申し出に応えたるのだった。








                              その6に続く










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あとがき

さぁ、この後の展開はどれでしょう?ちなみにライフラインなし(笑)

A、ひのめ真の力を解放、京華をボコボコに
B、ひのめ、京華にボコボコにされる
C、親友・幸恵が助けに入る
D、ヨコシマン登場。


ファイナルアンサー!!?


前半って・・・・・・・・・間違った女子高のノリですか?(笑)



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