おキヌの昔話(1)
投稿者名:MAGIふぁ
投稿日時:(03/ 3/ 9)
これはおキヌの語る、とある人物の前世と思われるお話である。
「よぅ!横島いるか?」
夕飯時にずかずかと事務所に入ってきた人物は…雪乃丞だった。
そして、入ってくるや勝手に夕飯を食べ出す雪乃丞。
「アンタ何しに来たのよ」
美神が青筋を立てて聞くが、夕飯をたかる手を止めない。
「ほこひまんほこいっはんだがいはかったんで、ほこまで……んっ…来てやったんだよ」
「ああん?」
何を言ったかは解らなかったものの、何やら偉そうな態度にキレかかる美神。
「まーまー、美神さん落ち着いて…」
「ええ…それに何か俺に用があって来たらしいですし…で、いなかったからここに来たそうです」
取り成すおキヌと横島。
「じゃあアンタ、コイツのメシ代払いなさいよっ!?私はコイツにメシを食わせてやるような義理はないんだからっ!」
「そんなぁ〜…」
とばっちりを食らう横島。
シロタマは食事に集中している…フリをして関わらないように必死だ。怒れる美神に関わっていい事は無いのだ。
しかし、そんな事はお構い無しの雪乃丞が一応フォローする。
「何だよ、いいじゃねぇかメシくれぇよー…」
その一言に反応したのは、美神ではなかった。
「ああぁぁぁぁぁ〜〜!!!!」
突然叫んで、雪乃丞を指差すおキヌ。
「なんだっ!?どうしたおキヌちゃん?コイツに何かされたのか!?」
「ええっ、そうなの!?」
「男の風上にも置けないでござるなっ!」
「なっ…違う!違うぞ!俺は何にもしてね〜!!」
横島とシロタマに追求され、焦って弁解する雪乃丞。しかし、それは無駄だった。
ここには、問答無用の人がいるのだ。
「言い訳するなぁっ!!!」
べきぃっ!!
「がふっ!?」
ドサッ…
美神の神通鞭の一撃を受け、雪乃丞は床に倒れ伏した。
「もう大丈夫だよおキヌちゃん…悪は美神さんが葬ってくれたから…何なら、このまま本当に葬っちゃうから、何があったか知らないけど大丈夫だよ」
「そうよ、おキヌちゃん。こんなヤツどうなったって1年も2年も探し続けてくれるような存在はいないでしょうから、問題無いわ。何があったか話してみて?」
何気なく怖い事をサラッと言いながらおキヌを慰める(?)横島と美神。
シロタマはその2人に引いている。おキヌも引いたのだが、気を強く持って言うべき事を言った。
「あの…そうじゃないんです。私、ちょっと昔の事を思い出して…」
「昔?GS試験の前におキヌちゃんコイツに会った事あったの?」
横島が少しだけ不機嫌な顔で聞いた。自分より前に雪乃丞がおキヌと知り合ったかも知れないのが気に入らないらしい。
「いいえ、もっと前です…私がまだ幽霊だった時の事…多分、200年以上前の事です」
「しかし、コイツが生きておるわけがないでござろう?」
「っていうかおキヌちゃんって幽霊だったの?」
ツッコミを入れるシロタマ。
自分の経験…死んで生き返った事…を2人に説明をするおキヌ。
「ふ〜ん、そんな事があったのでござるか…」
「じゃあ、コイツも同じ幽霊だったってわけ?」
納得するシロ。そしてさっきの疑問をぶつけるタマモ。
「俺にはそんな覚えはねぇぞ?」
話の間に復活した雪乃丞がそれを否定する。
「ええ。でも似てるんです。顔は勿論、話し方とか目付きの悪さとか…性格の悪い所もソックリです」
さり気無くヒドい事をポンポン言うおキヌ。悪気が無いから言えるのだろうが…
そして、他のメンバーもその点にはツッコまない。
「ふ〜ん、不思議な事もあるもんだなぁ…」
「ヒャクメでも呼んで調べてみないと分からないけど、ひょっとしたら雪乃丞の前世かもね?」
「そうすると、前世からこんな目付きだったのでござるか?」
「うわ〜…碌なモンじゃないわね…」
「お前らなぁ……」
ピクピク眉を震わせて言う雪乃丞。しかし、その程度で怯むようでは美神除霊事務所メンバーはやっていけない。
「なによ?」「なんだ?」「どうしたんですか?」「なんでござる?」「なに?」
「いえ…何でもないです…」
口々にそう言われ、結局何も言えない雪乃丞であった…
今までの
コメント:
- 素でヒドイ事を言ってしまうおキヌちゃんに賛成票1票です(笑)。非常に慣れた感じでごくごく自然にごはんをたかりに来た雪之丞、そんな雪之丞の尊大な態度にすぐキレてしまう令子などがそれぞれに「らしい」と思いました。さて、200年以上も前にどうやら雪之丞の前世らしき人物と会っているというおキヌちゃん、果たしてどんな出来事だったのでしょうか? 次に移ります♪ (kitchensink)
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