ザ・グレート・展開予測ショー

香港の休日(仮):前編


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 3/ 9)

「ハンズ・オブ・グローリー!!」
『ウギャーーーーーーーーー!!』
ふぅ・・・・・。
俺は一息ついた。
「終わりました。報酬はスイス銀行の美神令子の口座に振り込んで置いてください。」
「は、はい。ありがとうございました。」
スーツを着た小太りの男が深々と頭を下げる。
俺は軽く一礼した後、その場を後にした。




俺の名は横島忠夫。
今年で21歳になるゴーストスイーパーだ。
俺はまだ美神さんの下で働いている。
まぁ、正所員として認められたため、給料は上がり、生活に不自由しなくなった。
前に住んでたアパートから引越し、とあるマンションに住んでいる。




今、俺は香港にいる。
最近、海外出張が多くなり、今までにハワイ、インド、メキシコ、エジプトなどに行って、除霊したことがある。
今回も、その除霊の仕事で香港に来て、ついさっき、その仕事が終わったところだった。



「えっと、シロには何を買おうかな・・・・。」
俺は歩きながら、皆へのお土産を考えていた。
海外出張する度に、俺は皆へのお土産を買うことにしている。
お金にも余裕があるので、ちょっと高価な物でも買うことが出来た。
「ん?」
前を見ると、誰かが走ってくる。
黒い髪の女性。
美人の類に入る彼女が、必死な顔をしている。
よく見ると、彼女の後ろから、黒ずくめの男達が迫っている。
どうやら彼女は、黒ずくめの男達に追われているようだ。
彼女は、俺の背後に隠れ、俺に助けを求める。
「お願い!助けてください!!」
「ずっと前から愛してましたーーーーーーーー!!」
「な、何を言ってるんですか!!」
怒る女性。
ついいつものクセが出てしまった。
美人の女性を見ると、つい言葉が出てしまうのだ。
「待てーーーーーー!!」
こちらに迫ってくる男達。
「こりゃ逃げるが勝ちだな・・・・・・。」
俺は右手に、霊力を集中させる。
すると、手の平に小さな玉が現れる。
現在、俺しか出すことの出来ない「文珠」だ。
俺は、文珠に念をかけ、文珠に"煙"という字を浮かび上がらせる。
俺はそれを、地面に叩きつけた。
すると、文珠から煙が発生する。
「ぬぉっ!?」
辺りを、煙が包み込む。
俺は、彼女を連れて、そこから走り去った。




「ふぅ・・・・。何とか逃げられたか・・・・・。」
俺は、彼女の方を向く。
「あ、危ないところをどうもありがとうございました。」
「いいよ、礼なんて。」
「私の名前は夏零といいます。先ほどの連中は、オカルト秘密結社「鬼骸」の殺し屋なんです。」
「はひ?」
俺の頭の中に、あの忌まわしい過去が思い出された。
俺がまだ、高校生でアルバイトだった時の話だ。
香港で、とある事件を解決した後、とある香港映画に出演することになった。
しかし、スタントシーン以外、俺の場面は、香港の有名スターで撮り直されたのだ。
俺は辺りを見回す。
「あ、あの、どうしたのですか?」
夏零が俺に聞いてくる。
「いや、カメラを探してるんだ。」
「はい?」
「これ、何かの映画撮影だろ?で、君が主演女優。」
「ち、違いますよ!!」
「へ?違うの?じゃ、テレビ撮影。」
「違います!!それに私は、女優じゃありません!」
「え?違うの?だって、こんなに美人なのに・・・・。」
「え?」
「俺が監督だったら、間違いなくヒロインで抜擢するんだけどな。こんなにいい女性、他にはいないよ。」
「え?そ、そんな・・・・。」
顔を赤くする夏零。
なんで顔を赤くするんだ?
俺には分からなかった。
「ところで、なんで追われてるんだ?」
「は、はい。実は・・・・・。」
彼女は、ケースに入った、一枚のCD−ROMを取り出す。
「このCDには、合成獣(キメラ)の製造方法が入ってるんです。」
「合成獣だって?そんなモノを、なんで君が?」
「私の父はGSで、組織が合成獣を製造しようとしているという情報を察知して、その組織に潜入し、その野望を阻止しようとしたのですが・・・・。」
「失敗したと・・・。」
「えぇ、仲間が裏切って・・・・・。父は、私にこのCDを預けて、行方不明になりました。なんとかこれを信頼できる当局に渡したいのですが・・・・。」
「なるほどねぇ・・・・。けど、そのなんとかっていう組織の勢力は大きいんだろ?」
「えぇ。中国の当局全てに、手が回っていると思います。」
「だったら、俺が預かろうか?」
「え?」
「俺もGSだし、日本のGS協会に渡してやるよ。」
「ほ、本当ですか!?」
「だけど、少しの間だけ、俺と一緒にいた方がいいな。いつ襲われるか分かったモンじゃねぇし・・・。」
「は、はい。分かりました。」
「とりあえず、俺の泊まっているホテルに戻るか・・・。」
俺は彼女を連れて、宿泊しているホテルへと向かう。
・・・・・・しかし、何だってあの映画とシチュエーションが似てるんだ?
俺は、深く溜め息をついた。

続く・・・・。

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