ザ・グレート・展開予測ショー

魔女の過去XIII


投稿者名:NGK
投稿日時:(03/ 3/ 9)

―――あれから2日後


―魔女協会本部―
「・・・・・・・・・これって・・・」
どう見てもホウキである。
「そ。これで修行しなさい」
いずれ青い爪の魔女の傷は癒える。
その時までにある程度力を伸ばしておく。
そのための、修行である。
「・・・納得いかないわ。こんな何処にでもあるホウキなんかで・・・」
・・・まぁ、仕方ないよなぁ。
西条はそれを見ながらそう思った。
どう考えてもスーパーかそこらで買ってきたような普通のホウキ。
いくらなんでもこれでは・・・。
「いい?魔鈴さん。魔女といったらホウキなのよ。これは何故だかわかる?」
「・・・知りません」
「魔女は悪い気を浄化するためにホウキを自分の魔法の媒体として使っているのよ。つまり・・・青い爪の魔女にも・・・」
魔鈴はしばらく考えていたが意を決したのかホウキを手にした。
「分かり・・・ました。両親の仇を討つためなら」


「先生、僕は何をすれば・・・?」
部屋を出、しばらくしてから西条は美智恵に聞いた。
「んー・・・あなたは傷を治すことに専念しなさい」
「でも・・・」
「いい?今から修行したってたかが知れているわ。だから・・・」
「先生・・・さっきあいつに言っていたことと違ってますよ・・・」
美智恵はしばらく何かを考え込んでいる。
「あれ・・・ねぇ・・・」
困ったように頭を掻く。
「・・・・・・口からでまかせなんだけど・・・エヘ」
・・・・・・・・・。
沈黙がしばらく続いた。
「先生っ!?それって酷いんじゃないですか!」
「え・・・そ、そうかも知れないわね・・・・・・。」
「なにが『そうかも知れないわね』ですかっ!!酷いですよ!本気でっ!!」
美智恵はしばらくあたふたとしていたが、
「西条くん、これはあの子にとって必要なことなのよ。あの子は今まで復讐の二文字で動いていた。だから、何か別のことに打ち込むということが必要なのよ」
「先生・・・」
・・・一瞬でも先生を疑った自分が馬鹿だった・・・。
そこまで考えていたなんて・・・。
「じゃあ、私はちょっと用があるから。あなたは傷を治しておくこと。いいわね?」
そう言うと美智恵は去っていった。


「・・・」
そっと部屋を覗いて見る。
「―――――――――」
魔鈴はなにやら書物を見ながら呪文を唱えていた。
「(・・・よくやるなぁ)」
正直、あの戦いで一番消耗していたのは魔鈴である。
なのに、2日でもう、修行をしている。
「・・・」
そこら辺が凄いところだ。自分ではとても適わない・・・。
「・・・ねぇ。いい加減、覗くのをやめてよね」
急にドアを開けられ西条は前のめりに倒れた。
「う・・・なにするんだ!」
「それは、こっちの台詞なんだけど・・・」
うっ と西条は唸った。
コホンと咳払いをする。
「自己紹介がまだだったな。僕の名前は西条輝彦。これでもGSだ」
「・・・私は別に自己紹介をする気は無いんだけど」
「・・・・・・こういうのは礼儀だと思うが」
「だって・・・覗きなんかする人に礼儀も何も」
無い。と言葉を続けた。
西条はうなだれた。
「はぁ・・・しょうがないわね・・・私は、魔鈴めぐみ」
そして魔鈴は一呼吸置く。
「まぁ・・・あの時は助けてくれてありがとう・・・ね」
「あ・・・あぁ・・・」


「さて・・・長老。説明してもらいましょうか。青い爪の魔女の左腕を構成しているのが殆どが霊力であることを。まぁ・・・およそ想像はついてますが」
美智恵は魔女協会の長老に向かって言った。
「長老は私に以前言いましたよね。『君が幾多の人外のモノと戦いなれていると聞いている』―――と」
「・・・・・・」
「『大魔女』になる手段は存在する―――いや、『大魔女』と呼ばれる・・・・・・」
「やめてくれ!!・・・・・・それ以上は言わなくてもよい・・・」
「・・・・・・」
「我ら魔女たちはそもそも迫害された理由は当時ヨーロッパの大部分に広まっていた神を信仰していなかったからじゃ・・・」
「・・・・・・」
「今、再び、魔女たちが信仰していた神が神より魔であることを知られるわけにはいかんのじゃ・・・たとえ神の地位にあったのが魔の地位に落とされたに過ぎないとしても―――な」
「ですが、長老・・・」
「美神くん・・・せめて青い爪の魔女の討伐するまではGS協会に報告するのを待ってもらえんか・・・?一度、依頼しておきながらむしがよすぎると思うが・・・」
「・・・・・・・・・わかりました。ただし、私も青い爪の魔女の討伐に協力させてもらいます」






―――こうして、美神美智恵(と西条)は魔女協会と協力して近い内に来襲すると思われる青い爪の魔女の討伐に協力することとなった。
青い爪の魔女の目的は魔女協会を一度、滅ぼすことにある。
そして『大魔女』となった自身が魔女協会そのものとなり、やがてGS協会に対抗することにあるのだ。
だからこそ、傷が癒え次第、魔女協会本部を襲うだろう。
そう考えていた。







































―――だが、一ヶ月、二ヶ月、そして半年たっても青い爪の魔女は魔女協会本部どころか何処にもあらわれなかった。




























――――――続く――――――

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