ザ・グレート・展開予測ショー

ベイビートーク!!(前編)


投稿者名:ライス
投稿日時:(03/ 3/ 8)


 〜読者様へのご注意〜

 本編では主役のセリフが『』で統一されてますが、それはあくまで「主役が思っていること」ですので、他の人のセリフが続いても何の関係性もありませんし、また他の人には通じていないので、ご注意を。

 では、本編の始まり、始まりぃ〜。



 ベイビー・トーク!!


 じゃ、まずは自己紹介から……。こんにちわ、わたちは美神ひのめ。生まれてまだ6ヶ月でち。最近はハイハイでそこら辺(注:あくまで家の中)を駆けずり回る毎日でち。今はベッドで寝てる状態でちけど。まぁ、毎日楽しく過ごしているでち。さぁ、今日も楽しくヤルでち!!でも、今日はママが来るの遅いでちね……?こっちは今すぐにでも、遊びたいというのに……、よぉ〜し、こうなったら………!!

「フンギャアア゛ア゛ァァァァァン………!!」



 ――朝。家の中では赤ん坊の泣き声が鳴り響いた。するとスリッパの音がパタパタとひのめのいる部屋に近づいてくる。そのドアが開くと美智恵が駆け足で入ってきた。

「朝寝坊のせいで、すっかり忘れてたわ!?ホラホラ、泣かないの……、ひのめ。」
 そう言って、ひのめを抱きかかえる。すると、赤ん坊はケロリと泣き止んだ。

『遅いでち、ママ。全くしっかりして欲しいでちね……』

「アラ?もう泣き止んでる……。変ね……?」
 美智恵は不思議がるが、抱きかかえる娘の可愛い笑顔を見て、そんな考えも吹き飛んでしまう。

「もう笑ってるわ……、全くゲンキンな子ね?あんたも……。でも、カワイイから許しちゃう♪じゃ、
朝ご飯にしましょうねぇ〜?」

『ふぅ、まったく親におべっか使うのも一苦労でち……、って、いきなり何するんでちか、ママ!?く、苦ちいでち……、頼むからそんなにキツク抱きしめないで欲ちいでちぃぃぃぃぃ!?』

 そう言って、娘の可愛さあまりにギュッと抱きかかえると、美智恵はひのめを抱えて部屋を出ていった。美智恵は朝の食卓へと向かう。辿り着くと、食卓には既に朝食が並んでいる。


「あ、お早うございます。」おキヌちゃんは台所から食器を持ってきた所で美智恵に挨拶を交わした。美智恵も交わし返すと「令子や他の子達は?」と聞く。おキヌちゃんは「そろそろ起きてくるハズですけど……」と一言。「そう。」と言うと美智恵は席について、ひのめをあやしながら、美神達が来るのを待った。何分か経った後、ゾロゾロと三人が起きてきた。挨拶を交わし合うとおのおのの椅子につき、朝食を食べ始めた。ひのめももうお食い初めを済ませ、離乳食に切り替えている。

『嫌でちなぁ……、このリニューショクっていうの。なんちゃかドロドロちてて……。ミルクがいいでち。ミルクが飲みたいでち、ミルクを飲ませるでち!!』

「はい、ア〜ン。」
 美智恵は離乳食を掬って、ひのめの口へ運ぶが、そのひのめは嫌がって、口を開こうとしない。

「ホラ、ア〜ンしなさい?ひのめ。……………ったく、もぅ、この子ったら。離乳食になると絶対に口を開かないんだから。この前のうどんは食べたくせに……。」

『それとこれとは別でちよ、ママ。どーだっていいから早くミルクを飲ませるでち!!』

「こうなったら、最終手段ね……?」

『そうでちよ、最初っからミルクを出せば………、むぐぅ?』
 美智恵はひのめの口を片手でつまんで、隙間を作った。

『ひゃにひゅるんでちぃ!?(訳:なにするんでちぃ!?)』

「好き嫌いはいけないわよ?ひのめ、ほら……。」
 美智恵はひのめの口をつまんだまま、離乳食を口に押し込む。

『や、やめるでち!?そんなドロッとちたモンなんて食べたくないでち!?』
 しかし、そう思っててもやはり赤ん坊は赤ん坊である。抵抗の術もないまま、一回飲み込むと次々押し込まれていく。

『ママ、やめるでち!?ひのめはミルクが飲みたいんでちよ。んぐぅ!?…………ゴックン。こんの、クチョババァ、こんなドロドロなの、押し込むのをやめ………んぐぅ!?ゴックン。いやだから、わたちはミルクが……んぐぅ!?……ゴックン。も、もういいでち、ひのめが悪かったでち。だから……んぐぅ、ゴックン。イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァ…………!?』

 悲痛なひのめの叫びも誰にも届かず、ただただ、ひのめは有無を言わさず、ひたすら美智恵に離乳食を腹一杯に押し込まれていったのであった……。


 そして朝食後………。
「じゃあ、ひのめのお守り、お願いね?二人とも……。」

「ハァ〜イ(でござる)」
 美智恵はシロとタマモにそう言付けると、オカルトGメンの事務所へと出勤していった。ひのめはと言うと、恐怖の離乳食押し込みのせいか、朝食後のお昼寝に入っている。「こうやって寝ているとカワイイでござるな……。」とシロがひのめの寝顔を見て言う。「でも、起きた後が大変よねぇ……。」と、タマモが苦笑しながら言った。「そうでござるなぁ……。」とシロもため息をついて言う。
 数時間後……。ひのめは目を覚ました。

『うん………、あ〜よく寝たでち。それにしても朝は地獄だったでちね……。あんなクソマズイのを押し込まれて生きた気がしないでち。ママめ……、一生恨むでちからねぇ〜!?』

「あ、起きたみたいよ?シロ。」
 タマモはひのめが起きたのを確認する。ソファに寝転がっているシロは起き上がると、タマモとひのめの所へ近づいた。

「んしょっと……、オォ、起きてるでござるな?ひのめどの……。」
 そう言って、シロはベッドの上からひのめを見た。タマモも同じ体勢で見ている。二人が自分を見ているのをひのめは見て、

『お、今日もちゃんと来てるでちね……、感心感心。それでこそ、我が下僕というものでち!!』

 どうやら、ひのめはシロとタマモを自分の手下と認識しているようであるが、そんなことは誰も知る由はなかった。

「じゃ、私達の部屋に行きましょうか……。」
 タマモはひのめを抱き上げて、シロと一緒に自分たちの部屋へ連れて行った。

「さぁ、着いたでござるよ?何するでござるか、ひのめどの?」
 部屋に着くと、タマモは床にひのめを置く。するとシロはしゃがみ込んで、ひのめに聞こうとした。

「わんわ!!わんわ!!」
『そうでちね……、まずはお前と遊ぶでち!!さっさと馬になるでち!!』

「イテテテテテ!?痛いでござるよ、ひのめどの!?」
 ひのめは近づいてきたシロの長い髪を力強く引っ張った。離そうとするが強く握られ、離れる気配はない。

「ひのめちゃんはアンタと遊びたいみたいね?じゃあ、私、本読んでるから疲れたら、呼んでね。」

「そ、そんな、タマモ、ズルイでござ……イ゛デデデデデデ!?」

「ダァダァ♪」
『どっちでもいいから、早く馬になってご主人様を遊ばせろでち、この犬っころめがぁ!?』

 シロはタマモの方を向こうとすると、ひのめが髪を強く引っ張り、離してくれない。結局、シロが最初に世話をすることになった。その後、ひっかえとっかえでシロとタマモが交互に世話するが、そのひのめの有り余る活発旺盛なエネルギー(&傍若無人っぷり)に手を焼かせるのであった……。そしてさらに数時間後……、日も正午を過ぎようとしている。シロとタマモはひのめのおかげぐったりと疲れていた。ひのめ本人はまだ元気であった……。

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