ザ・グレート・展開予測ショー

魔女の過去XI


投稿者名:NGK
投稿日時:(03/ 3/ 7)

―――近くに行くほど感じる存在。


長い間、自分が捜し求めてきた存在。


あの時のことをこの数ヶ月、ずっと・・・。


だからこそ分かる。


「いい加減に姿を見せたらどう?さっきからいけ好かない気配が漂っているんだけど」






「忘れたくても忘れられない気配が―――ね」






「あはっははははは・・・強い魔力を持っているわね。さっきの魔女どもよりもずっと―――ねっ!!」



「・・・不思議だわ・・・今まで両親の復讐のことばかり考えてきた。だけど・・・今はそんなことはどうでもいい。とにかく、今はあんたを倒すことさえ出来れば・・・っ!私が身につけたこの力で・・・・・・その身体・・・木っ端微塵に吹き飛ばしてあげるわっ!!」






「ふははっはははっはあっははは・・・もの凄い自信ね。だけどあなたに私が倒せるかしら?」






















「大魔女と化し各地の魔力の場から魔力を我が身に吸収したこの私に―――!!」












―同じ頃―
「それにしてもこの気配はやばいわね・・・ことによると・・・」
「ことによると?」
「当の青い爪の魔女がいるかも知れないわね・・・」
魔女協会所属の数多の魔女を惨殺した青い爪の魔女。
大体、どれほどの力を持っているかも分からないのだ。
「まずは魔鈴って子をとりあえず保護して・・・って考えていたんだけど・・・いきなり・・・か」
それなりの装備はしている。
だけど・・・・・・。
「(万全じゃない・・・)」
万全じゃない限り戦いを挑むべきではない。
それほどの魔女であるならば。
だけどこの際、そう言ってはいられない。
美智恵は ちらっ と西条を見た。
「西条くんにも助けてもらうことになりそうよ」
仲間がいるのに自分一人でことを済まそうなんてするのはナンセンスだ。
それに西条は決して足手まといではない。
西条本人はその辺、誤解していたようだけど。
「安心していいわ。あなたは本当に実力あるわ」
と励ました。
「だから・・・ね。話があるんだけど・・・」





「ご心配なく。私の力、今すぐ・・・見せてあげるから」


幾つもの光球が魔鈴の体を包むように現れ、それとともに小さな衝撃が巻き上がる。
やがてそれは一つ一つ青い爪の魔女に襲い掛かる。


「ふふふふふふ・・・爆弾などという魔女に有るまじきモノを使った魔女どもと比べると雲泥の差ね」
青い爪の魔女は何処か他人事のようにそう評した。


「(・・・こいつ私を舐めているのか?)」
魔鈴の放った魔法に動揺の色を全く見せない青い爪の魔女。
「けれど・・・これで終わりよっ!!」
生命力を魔力に転化し一気に魔法を放つ。
魔法の衝撃でで全ての土が空を舞う。
土煙が巻き上がる。


「・・・なるほど。威力は大したモノね。けれど魔女ならば数多の魔法を絡め駆使する使い手であるはず・・・未熟者か」
青い爪の魔女は確かに土煙で汚れているが大した傷は負っていないように見える。


「く・・・もう一度っ!!」
同じようなことが起こるがやはり効いているようすはない。
「嘘よっ!効いていないはずがないわっ!!全く効いていないはずがあるもんですか!!!」


「まぁ仕方ないわね。格が違うのよ」



身体が――――――動かない。


まるで何かに魅入られたかのように・・・。


「さて。私はこれ以上、遊んでいる時間はないの。さよなら」


―――そこで魔鈴の意識は・・・絶えなかった。


「っ!!」


「あなたは・・・さっきの・・・」


そのとき、魔鈴が見たのは魔鈴をかばい重傷を負った西条の姿であった。




――――――続く――――――

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa