ザ・グレート・展開予測ショー

タマモ、謀ってみるより、次の日の朝


投稿者名:KAZ23
投稿日時:(03/ 3/ 2)

これは、私の作品「タマモ、謀ってみる」へのコメント返しの一部です。
なんだか意外に長くなったしまったので、独立してこちらに載せますね。
なので、別にコメント無くてもいいですよ?
いや、勿論いただけたら嬉しいんですけどね。(w)
では駄文ですがどうぞ。



<再現VTR>

―― ピーンポーン ――

「せんせー・・・シロでござる〜♪朝の散歩にゆくでござるよ〜♪」

シロはインターホン越しに声をかける。だが、中からはいつもの如く返事が無い。
しょうがないせんせいでえござるな〜♪なんて言いながらも嬉しそうに玄関前で合鍵を探る。

―― カチャッ ――

そして鍵を元の位置に戻すと、喜色満面でドアを開けた。

「せんせ・・・っ!!?なっ!?これは・・・タマモの匂い?!」

―― ダダダダダダ ――

しかし、部屋に入ると直ぐにその匂いに気がつくシロ。何故か今朝いなかった同室の狐の匂いを嗅ぎ付けたからだ。

「タマモめ!まさかあの寝坊助が拙者よりも先に起きてせんせいを起こしに来るとは・・・」

してやられたという思いのシロ。だがしかし、彼女はこの時点では事の重大さを認識していなかった。
なにしろ、「タマモは決してシロより先に起きて来た」訳では無いのだから。

―― ガチャッ ――

そしてシロは寝室の扉を開ける。

「おや?」

一見した所、タマモの姿が見えない。だが匂いはする。
訝しく思いながらも、シロは日課の通りにカーテンをひいて部屋に灯りを差し入れた。
そして気がつく。

「あ!ま、まさか・・・」

布団の盛り上がりがいつもよりも大きい気がする。

―― ピーンポーン ――


そのとき玄関でインターホンが鳴ったが、部屋の一点を凝視するシロの耳にはまったく届いていなかった。

『よこしまさ〜ん、おはようございます〜・・・上がりますね〜・・・』

どうやらやってきたのは、マメに朝食を作りにきてくれるおキヌだったようだ。
が、無論シロの耳には届いていない。
シロは自分の想像に愕然としながらも、恐る恐る布団に手をかけた。

―― ガバッ ――

「!!!?」

布団を捲り上げるシロ。果たしてそこには、自分の想像した結末が横たわっていたのだった。
ベッドの中にいたのは2人。どちらも気持ちよさそうに眠っている。
状況説明・・・
横島はタマモを抱きしめていた。
タマモは全裸だった。
シロは瞬間的にフリーズして、その間一切の活動を停止する。
そこにおキヌちゃんが入ってきた。無論、目の前の状況を目視してしまう。
そんなわけで・・・

「いやああああああああああっっ!!!!!横島さんななな、何をしてるんですかーーーー!!!?」
「女狐ええええええええっ!!!貴様いったい、せんせいに何をしたーーーーっ?!!!」

シロとおキヌは同時に叫んだ!

「ん?なんだ・・・シロか?あ〜・・・もう朝かぁ・・・・・・おはよー・・・」

その声で、横島は寝ぼけながらも起き出すと、やはり眠そうな声で言う。

「おはようじゃないですーーー!!!横島さんっ!!これはいったいどう言う事なんですかっ?!!」
「え?ああ、おキヌちゃんも来てたのか。ふわぁ〜・・・おはよ・・・・・・?」

未だ状況を理解していない横島だったが、ここでふとした違和感に気がついた。
自分の目の前に何かある。それで自分はそれを抱きしめていた。
抱き枕?いや、そんなものは元から無い。じゃあいったい・・・

「あれ?・・・何コレ・・・・・・・・・・・・なぬっ?!!」

横島は一気に目が覚めた。完全に目が覚めた。状況は認識できてないけど。

「なんで俺はタマモを抱いて寝てたんだ?!ああっ!!?しかも何故に裸じゃあっ!!!?おおお、おいコラ!おお、起きろタマモ!!」

―― ユサユサ ――

横島は大慌てでタマモを起こす。

「ん〜・・・・・・もう少し寝かせて〜・・・」
「ば、馬鹿っ!!とにかく起きろっ!!起きてくれ頼むから!!」

横島は考えた。昨日って何があったっけ?

「せんせい!昨夜はいったい何があったのでござるかっ!!?」

シロが凄い形相で迫ってくる。

「えとえと・・・夜中に、シロと喧嘩したっていうタマモが泊めてくれって言ってきて、それ・・・」
「謀ったな、タマモ!!!?」

それだけで、シロの追求の矛先はタマモに向かった。未だに眠そうな彼女を今度こそ鬼の形相で睨みつける。

「それで、横島さん・・・まさかタマモちゃんに・・・・・・」

シロと違い、おキヌはそれから先を気にしていた。さっきまでは喚くようなものだったが、今度は静かに聞いてくる。

―― プルプルプルプル ――

しかし、怒りを堪えているのは一目瞭然だった。握りこぶしはきつく結ばれ、肩は小刻みに震えている。
横島は一生懸命言い訳した。

「ままま、待って!昨日は確か・・・ええと、そうだ!布団が無いんで一緒に寝よ・・・ヒイッ!!!?」
「一緒に・・・・・・なんですって?」

おキヌの出すソレは、人間が出せるレベルのモノだったかどうか・・・

―― さ・・・殺気!? ――

あわれ横島!彼はもはや、調理されるのを待つだけの食材に等しかった。

「待って!待って下さいませ!?一緒の布団で寝ただけです!ほんとです!!抱きついていたのは多分、寝ぼけたんだと思います!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!誓ってそれ以上の事はしてません!ほんうとです!ほんとです!ほんとです!」
「・・・・・・・・・・・・」

自分の命を死守するため、懸命に言葉を口にする横島と、それを冷ややかに見つめるおキヌ。

「ふわぁ〜・・・うるさいわねぇ・・・一体なんなのよ〜・・・・・・アレ?シロとおキヌちゃん?」

ここでようやく目を覚ましたタマモが、可愛く一つあくびをしてから周りを見渡す。
パチパチと瞬きをして、素晴らしい形相のシロをタマモを見つけて・・・

「・・・・・・ああ・・・」

納得したように呟いた。

「タタタ、タマモ!頼む!何とか言ってくれ!俺の命がっ!?」

もう泣きが入っている横島が掴みかかってくるが、それを見てタマモは軽く笑ってこんな風に答える。

「うん・・・・・・ヨコシマは悪く無いよ。」
「タマモ〜・・・」

やっと出来た味方にうれし泣きする横島・・・

「ヨコシマ・・・・・・優しかったし・・・アハ♪」
「なにーーーーっ!?」

・・・味方では無かったようだ。

「横島さん・・・」
「せんせー・・・」

横島に集まる鬼の視線は、さっきまでの倍に増えている。

「ま、待って・・・」

もはやどうしようもない事を悟る横島。
そして・・・・・・

「ぎゃーーーーー!!!!」

・・・・・・・・・・・・





横島が何をされたのかは言わないでおきますが、最後に全員の心の声をお送りします。

横島
「俺は・・・俺は無実だ・・・」
シロ
「せんせー!狐なんぞに騙されてはいかんでござる!拙者に言って下されば・・・」
おキヌ
「横島さんの馬鹿!でも、タマモちゃんがまさかこんな強硬手段に出るなんて・・・・・・私も何か考えなきゃ・・・」
タマモ
「ふふ〜ん♪これで一歩リードかしらね〜♪」

彼女たちはまだ知らない。
本当にリードしているのはここに居ない彼女たちの大家であることと・・・
最終的には全員ゴールにたどり着けるという事を。

<おわり>


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