ザ・グレート・展開予測ショー

モンスタースイーパー (エピローグ)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 3/ 1)

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モンスタースイーパー (エピローグ)



「横島クン・・・・・。」
私は、死んだ横島クンの傍まで来た。
顔を見ただけでは、死んでいるとは思えない。
しかし、胸に開いた風穴が、横島クンの死を物語っていた。
「横島クン・・・・。」
私は、両腕を背中にまわし、抱き抱える。
私は、横島クンの頬を撫でた。
冷たい・・・・。
ポツッ・・・
横島クンの顔に水滴が落ちた。
・・・・・・え?
私・・・・、泣いているの?
わ、私は美神令子よ!
そうよ!GSだってMSだって危険と隣り合わせの仕事じゃない!!
横島クンが死ぬこともあるかも知れないくらい、私でも考えられることじゃないの!!
・・・・・・なのに。
・・・・・・・・・なのに。
涙は止まらない。
小粒だったのが、いつの間にか大粒になっていた。
・・・・・・・・。
悲しかった。
自分の心の奥底にしまっていた悲しみが、一瞬にして溢れる。
「横島クン・・・・。目を覚ましてよ・・・・・。
いつもみたいにさ、
「あぁ、死ぬかと思った」
って言ってさ、起き上がってよ・・・・。
ねぇ、横島クン・・・・・。
お願い、目を覚まして・・・・・!」



パァァ・・・・・・・
「!?」
私は、シワクチャになった顔を上げた。
横島クンの右手が優しく光っている。
ギュンッ!
「文珠!?」
横島クンの右手に、2個の文珠が現れる。
「恋」、「人」
「・・・・・・・・恋人?」
その時であった。
文珠が輝きだしたのは・・・・。
パァァァァ・・・・・
辺りが、閃光に包まれる・・・・。



光が収まると、辺りは、ただの荒地となっていた。
魔王の城は、無くなっていた。
ピクッ
「!!」
横島クンの手が動いた。
横島クンの体を見ると、胸に出来ていた、大きな風穴が無くなっていた。
「・・・・・ん。」
横島クンの瞼が、ゆっくりと開いた。
「・・・・・・横島クン?」
「・・・・・・・美神さん・・・・。どうしたんですか?その顔。」
「ーーーーーーー!!」
私は、強く横島クンを抱きしめた。
生きてる!!
横島クンの体温を感じながら、私は思った。
「・・・・・・。」
横島クンは、私の背中に手を回し、優しく抱きしめてくれた。
「横島クン・・・・。」
「美神さん・・・・。」
私は目を閉じ、横島クンに顔を近づける。
少しずつ、お互いの唇が近づいていく。



「お楽しみの所、申し訳ないんだけどさ・・・・。」
どぎくぅ!!
私の心臓が、一瞬止まった。
横を向くと、ニヤニヤ笑っているゴーゴンと、その傍にいるバベロス。
そして・・・・・、
「何やってるんですか・・・・?二人して・・・・・。」
「美神どの・・・・・。先生に何をしようとしたのでござるか・・・・?」
「・・・・・・。」
目をキュピーンと光らせ、大きな青筋を立てているおキヌちゃんとシロ。
その横で、不機嫌な顔をしているタマモがいた。
「「アワワワワ・・・・・。」」
口をガクガク震わす私と横島クン。
おキヌちゃんとシロは、明らかに私にも殺意を向けている。
正直言って、恐かった。
そして・・・・、

「美神さんの・・・・、フケツーーーーーー!!」
「先生のバカーーーーーー!!」

意識が遠のいていく時、私は思った。
あぁ、事務所にあるバームクーヘン、早く食べなきゃ・・・・・・。



それから一週間後・・・・・・。
「あれからもう5日か・・・・・・。」
私は、紅茶を口に含む。
そう、私たちは現代世界に戻ってきた。
ゴーゴンから異空転移の術を教えてもらったのだ。
え?現代世界に戻った後どうなったのかって?
現代世界に帰った時、アッチの世界に行ってから、3時間が経った後だった。
その後、私はそのゲームを封印することを、ゲーム会社に薦めた。
今では、普通の生活に戻っている。


「美神さん、ゴーゴンさんから手紙です。」
「ありがと、おキヌちゃん。」
私は手紙を読む。

久しぶりだね、美神。
アンタが第58世界に戻って、すでに数百年が経とうとしている。
そっちの景気はどうだい?
コッチの世界では、新たな魔王の登場で大混乱さ。
何せコッチの世界では、魔王が滅んだら、その数年後に新しい魔王が出てくるからねぇ・・・・・。コッチの都合も考えて欲しいねぇ・・・・。
ま、そんなワケで、コッチは大忙しさ。
ま、ヒマがあったら、そっちに遊びに行くからね。
じゃあな。

追伸
新しい魔王の似顔絵を一緒に贈る。




「!!」
私は、新しい魔王の似顔絵を見る。
高笑いしている女・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・私だった。

The End




































「どうでしょうか?やってみて。」
「没!!」
「えぇーーーーーーーーーー!?」
美神が放った言葉に、ゲーム会社の開発チーフは驚愕する。
「な、何故なんですかーーーーーー!?」
「没なものは没よ!!何で、私と横島クンのラブストーリーなのよ!!」
「そ、それは、ストーリーの都合上で・・・・。」
「それに、このキャッチフレーズ何!?"愛という言葉を忘れていないか?"ですって!?ワケ分かんないわよ!!」
「い、いいじゃないですか!!僕が三日三晩、寝ずに考えたストーリーですよ!?」
「・・・・・・無駄骨だったわね。」
その場から立ち去ろうとする美神。
「あぁ!!行かないで下さい!!」
美神の足にしがみ付く開発チーフ。
「うるさいわね!!放しなさいよ!!」
「頼みます!!キャラクター、全員変えますんで、協力して下さい!!こんな年で、リストラはイヤーーーーーー!!!」
開発チーフは、鼻水と涙を噴き出しながら言った。
「そんなこと知らないわよ!!とにかく、私は帰るから!」
「待ってください!!このゲームが大ヒットしたら、売上額の半分をそちらにお渡ししますから!!」
「さぁ!!頑張ってゲームを作りましょう!!」
「「「「だぁーーーーーーーー!!!!」」」」
近くにいた、横島、おキヌ、シロ、タマモはその場でズッこけた。

その後、超大作RPG「モンスタースイーパー」(税別6,800円)が発売され、200万本を超す大ヒットとなった。
無論、美神の懐に、多額のお金が入ったのは言うまでも無い。



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いかがだったでしょうか?今回のオチは?
ドンデン返しをやってみたいと思い、こんなオチになりました。
ファンタジー風な"GS美神"を書きたかったのですが、ちょっと変になってしまいました。(爆)
次回からは、読みきりや短編に力を入れたいと思います。
というか、すでにネタが出来ているので・・・。(爆)
それでは、次の作品で、またお目にかかりましょう。
では。                      TAITAN

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