ザ・グレート・展開予測ショー

(偽)ルシオラ IN 清く貧しく美しく!(下)


投稿者名:湖畔のスナフキン
投稿日時:(03/ 3/ 1)

 リンゴーン
 リンゴーン

 唐巣神父の教会に、鐘の音が響きわたる。
 そこにはタキシード姿の横島と、そしてウェディングドレスを身につけ、幸せいっぱいの笑みを浮かべていたルシオラの姿があった。
 そして再び西条が、神父の代役を務めている。
 唐巣神父は、ショックで寝込んでしまった。

「……では、指輪の交換を」

(バカね、私ったら……。最初からこうしていれば良かったのよ)

 二人は指輪を交換する。
 外で待機していたビンは霊力の中和作用で、何とか2.5mほどの大きさにまで縮まった。

「それでは、以上で式を終了します」
「あら西条さん、まだ続きがあるんじゃないかしら?」
「続きって、他に何かあったっけ?」
「ほらヨコシマ、『誓いの口づけ』があるでしょ?」
「ちょ、ちょっと待て! みんなが見ているし、心の準備ってものが……」
「みんなが見ているから、いいんじゃない♪」

 ルシオラは尻込みして退こうとする横島の手と首を掴み、そのままノーコーな口づけを交わした。



「ルシオラさんは、本当に横島さんのことを好きなんですね」

 二人だけで話したいことがあると、式の後に小鳩はルシオラと一緒に近くの喫茶店に入った。

「そ、そうなのよ。私とヨコシマは、それはそれは劇的でドラマチックな出会いをしたんだから」

 幾分不利な立場を脱したせいか、ルシオラのテンションが妙に高い。

「それに私は魔族だから、貧乏神の影響は受けないのね」
「それはいいんですけど……。私と横島さんは人間だから、影響を受けますわ。たぶん死ぬまで貧乏暮らしが続くかと」
「えっ!?」
「私は(横島さんと一緒なら)耐えていけますが、横島さんの貧乏が一生続くのは……」

 成り行きまかせの展開でここまでこぎつけたためか、ルシオラもそこまで深くは考えていなかったようだ。
 ルシオラの額から、一筋二筋と冷や汗が流れ落ちていく。

「わ、わかりましたわ。何とかしましょう」


 結局ルシオラは、再度カオスの元を訪れて本物の古文書を手に入れると、横島を超空間に誘い込んで貧乏神の試練を受けさせることにした。
 ルシオラの予想どうり、横島は無事に試練を克服したのだが……

「なぁルシオラ。後からわかったんだけれど、あの試練に失敗したら一生貧乏だったそうじゃないか(怒)」
「ごめんなさ〜〜い。でも私はヨコシマを信じていたから」
「いーーや、俺は許さん。このツケは……そうだ! 体で払ってもらおうか!」

 横島がガバーッとルパンダイブで飛びかかる。

「もうっ、流れを読んでよ!」

 バキッ!

 ルシオラの一撃で、横島は轟沈した。

(もう既に夫婦みたいに相手のことを理解しているのね、この二人は……)

 傍で二人のやり取りを見ていた小鳩は、そう心の中でつぶやく。

(でも小鳩は負けません! いつかきっと……)

 その思いは、小鳩だけの秘密であった。


(完)

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