ザ・グレート・展開予測ショー

修行の日々〜5〜


投稿者名:初心者1069
投稿日時:(03/ 3/ 1)

(さてと、久々の朝飯も食ったし後やっとかないといけないのは‥‥)

横島は紙と鉛筆を取り出すと何か書き始めた。
書き終えると文珠に<送>という文字発動させどこかに送った。

(さて、やる事は全部やったしそろそろ行くか。)

横島は『セル』を外し始めた。
溜め込まれた霊力が横島の体に流れ込んでくる。

「すげえな‥‥ここまで霊力を使えるのか。
 これだけ霊力があれば過去に行っても何かできるだろ。」

横島は独り言がでるほど気持ちが昂ぶっているのに気づいて、
冷静になろうと努めた。
修行の成果かしばらく目をつぶっていると気持ちの昂ぶりは収まった。

(まったく、力を手に入れた程度で興奮してどうする。
 俺の目的はルシオラを助けることだろうが。
 さて、だいぶ落ち着いてきたしそろそろ行くか。)

横島は深呼吸を一つすると汗ばんでいる手に握っている文珠を発動させた。



「美神さん!レーダーに映っていた横島さんの発信機からの反応が消えました。」

「な‥‥。間に合わなかったの‥‥。」

さっきまで感じられた霊力が無くなったので予想はしていたが、
はっきり言われるときつい。

「ま、まだ先生が過去に移動したという訳じゃないでござる。
 発信機に気づいて壊しただけかもしれないでござる。」

(このバカ犬‥‥
 ヨコシマの臭いが無くなったのに気がついているはずなのに‥。)

「そ、そうね。
 とりあえず反応が消えた位置まで行きましょう。」

しかし、タマモが思った通りシロの淡い期待は裏切られた。
反応が消えた場所―彼の部屋には誰もいなかった。
彼は時間移動をしてしまった。
それが何を意味しているのかを口にできる者はいなかった。


一方、時間移動をしている横島は移動中に強烈な霊気を放つ存在と遭遇していた。

「何だお前は。俺を邪魔しに来たのか?」

「あなたに借りがある者です。
 これからあなたに『蛍』を助けるヒントを授けます。
 あなたが答えにたどり着かなければ、私の立場上あなたを止めなければなりません。」

「また[俺に借りがある]か。
 お前とルシファーは何か関係があるのか?」

「ルシファー?そう名のる者があなたを訪れたんですか?
 ‥‥考えることは同じみたいですね。」

「どういう意味だ?」

「あなたが知る必要はありません。
 それより知る必要のある情報を与えます。
 1つ目のヒント、あなたの世界で蛍が復活できなかったのは
 あなたのせいではないが、横島忠夫という人間のせいです。」

「お前の言うことを信じられると思うか?」

「『あなたの隣人に対し、偽りの証言をしてはならない。』
 私が誇りにしている人の言葉です。私はこの言葉を守ります。
 それに、人の話は最後まで聞くものですよ。
 2つ目のヒント、あなた一人ではあなたの世界と
 過去の世界の2匹の蛍を助けられません。
 しかし、2匹の蛍を助けられる可能性があるのはあなただけです。」

「俺はお前の隣になんて住んでいないぞ。」

「隣人とはそういう意味じゃありません。
 最後のヒント、今から行く過去をあなたが体験した過去と
 変えるような事をしてはいけません。
 歴史を繰り返させてください。
 さあ、答えを見つけてください。」

(俺一人ではルシオラを二人とも助けることはできないのに
 二人とも助ける可能性があるのは俺だけ?
 俺一人じゃないってことはこれから行く過去の俺が関係してるのか?
 俺が体験した過去と今から行く過去を変えてはいけないってことは、
 過去の俺とは接触できないな。
 それに、それじゃルシオラは結局死んじまう。
 ルシオラが復活できなかった理由は俺のせいじゃなくて
 横島忠夫のせいだってことはどういう意味だ?
 歴史を繰り返させる‥‥待てよ、確かルシファーが‥‥‥そうか!!)

「わかったようですね。
 これで借りは返しました。
 さあ行きなさいあなたの『蛍』が待っていますよ。」

「ありがとう。あんた名前は?」

その答えを聞く前にその存在はいなくなっていた。

(一体あいつらは何なんだ?まあいいか。
 とりあえずこれで約束を守れそうだ。待っていてくれルシオラ。)

横島は『あの日』を目指して時間移動を再開した。



そのころ‥‥
呆然としているいる事務所のメンバーのもとに小竜姫を連れたヒャクメが現れた。

「ああ〜。皆さんやっぱり落ち込んでいるのね〜。
 小竜姫!ちゃんと説明するのね〜。」

「はい‥‥。」

何故かすまなそうにしている小竜姫が話始めた。
話がすんでしばらくすると、横島の部屋は全焼した。

駆けつけた消防隊員が書いた報告書の要点を紹介しよう。

一、壁によく切れそうな包丁が突き刺さっていた。
二、その家はガスが止められている。さらに、放火された様子も無い。
  結局火事の原因は不明。自然発火したとしか考えられない。
三、駆けつけたときには、全身に刀傷を負った
  角の生えている神族がもう一人の神族にヒーリングを施されていた。
  
警察は犯人は神族に恨みを持つ強力な霊能力者として現在行方を追っている。


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オチが分かった方でどなたかの作品と被っているとか、
こんなことは成立しないと発見した方は教えてください。

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