ザ・グレート・展開予測ショー

タマモ謀ってみる (後半)


投稿者名:KAZ23
投稿日時:(03/ 2/27)

<前半からの続き>


「おまたせ、ヨコシマ。」
「おお、あったまったか・・・・・・って、お前?!なんだその格好?」

私の格好・・・それは上はヨコシマの用意してくれたトレーナー。そして下は・・・

「だって、動きにくかったもの。これだけでいいわ。」
「そ、そうか?ん〜・・・ま、本人が良いならそれで良いんだが・・・」

下は何も無し。トレーナーの裾で隠れてるけど、下着も無し。だから当然見えそうで見えないギリギリの格好。
流石にヨコシマも少しは反応したわ。
少しだけっていうのが不本意ではあるけど、まあしょうがない。
何故なら最近のヨコシマは女への反応が鈍いのだ。本人は今でも女好きだって言ってるけど、前と比べたら雲泥の差だ。
確かに前は行きすぎだったけど、今は逆に抑えすぎだと思う。しかも素でこうなんだからどうにもやるせない。
とくに身内の・・・この場合は事務所の人間や知り合いのGSとかだけど、には本当に反応しなくなっているのだ。
もともとシロと私は圏外だったんだけどね・・・

「ん、私はこれが良いの。そんなことより・・・さ。」
「ああ、そうだった。じゃあ話してくれよ。一体どうしたんだ?」

ちょっと真面目な顔でヨコシマの正面に座る。何気に裾のアピールもしておこう。

「・・・・・・・・・ちっ・・・」
「ん?どうかしたか、タマモ?」
「ううん。何でもないわ。」

ヨコシマってば全然気がつかない。ちょっと傷つくわね。

「で、こんな夜中に何しに来たんだ?」
「ん〜・・・ちょっとシロと喧嘩しちゃってね。い辛くなって出て来ちゃったのよ。」

これまた嘘。シロは今ごろぐっすり眠ってるわ。

「なんだ、そんな事か。で、なんでウチに?」
「一晩泊めて貰おうと思って。」

さあ、ヨコシマ!どう出て来るの?
こっちはあらゆるパターンを想定してるわ。どう出てこられてもあんたに回避の道は無くってよ!

「ああ、まあ・・・一晩くらいなら構わないぞ?」

―― はっ? ――

「服も乾かさなきゃいかんしな。どのみち今日はそのままじゃ帰れんだろう・・・」
「・・・え、ええ、そうよね!」

可笑しい?!ここは、とりあえずなんとか泊めないようにする場面でしょう?!
なんでそんなに簡単に女を泊めちゃうのよ?!
っていうかもしかしてナニ!?私はヨコシマ的には守備範囲外のお子様って事?!蛍とおんなじっ!!?

―― クッ ――

だけどここで負けてちゃ駄目だ!チャンスじゃない!

「あ、でもそういえば俺の家って来客用の布団なんて無いぞ?うっかりしてたな・・・」
「え?ああ、そうなんだ!じゃあ、別にヨコシマと一緒でもいいわよ?変化しとけばヨコシマに襲われる心配も無いし。」

いや、本当は襲ってきてくれた方が嬉しいんだけど、ここはあえてこう言っておくのが吉。

「ば、馬鹿お前っ?!おおお、俺は襲わんぞ!?そそそ、そんな事する訳無いだろうがっ!!?」
「なら問題無いわね?ふあぁ〜〜〜・・・そういえばボチボチ眠いわ。さっさと寝ましょう。」

こうやってヨコシマに意識させておいて、あとは布団の中で駄目押しすれば、いくらヨコシマだって間違いを犯すわよね?!
だから、ここは了解を取ってすかさず逃げ道をなくしておくの。

「ああ、そういえば俺も眠くなってきたな・・・じゃあ寝るか?」
「うん♪」

ふふふ・・・果たして眠れるかしらね?

・・・・・・・・・・・・





「じゃあ電気消すぞー?」
「うん。」

―― パチ ――

寝室の明かりが消えた。そしてヨコシマが私の隣に入ってくる。

「はあ、しかしタマモと一緒のベッドで寝るなんて考えた事もなかったのにな・・・」
「それってちょっとヤラシイ言い方よ?何?やっぱり襲う気?」
「違うって。少しは信用してくれよ。俺だってちょっとは成長したんだ。襲ったりなんてしないって。」

あんたこそ少しは察しなさいよ?!
私はあんたに襲って欲しいのよ!

「いや、タマモって最近はそうでもないけど、前は俺と距離置いてたろ?」
「ああ・・・まあ・・・・・・ね。」

あの頃はスケベな部分ばっかり目に付いたから。
まったく、あの頃の勢いが少しでも今のヨコシマに有ったならこんなに苦労しなくても済むのに。

「今は別にそうでも無いでしょう?」
「ん?ああ、そうだな。俺の事、ちゃんと上司として立ててくれるしな。結構嬉しいんだぜ?有り難うな。」

なんだろう?こんな他愛も無いやり取りが凄く心地いい。

「ま、あんまり夜更かししないで寝ようぜ?じゃあ、おやすみ。」
「・・・・・・おやすみ。」

それっきりヨコシマは話さない。どうやら本当に眠るらしい。
やっぱりちょっと傷つくわ。隣に私がいるのに平然と眠れるなんて!ドサクサで人間形態のままだって言うのに!

―― フン ――

でもそうは行かないわよ?これからたっぷりと私の魅力を思い知らせてあげるから。
まずは一旦、狐形態になって・・・

―― モソモソ ――

邪魔なトレーナーは脱ぐ。
そして向こうを向いているヨコシマの背中にピッタリと張り付いて・・・

―― ギュッ ――

「きゃっ?!!!」

なにっ?!
今の驚きの声は私のもの。だって、いきなりの不意打ちだったから。一瞬、何が起こったのか分からなかった。
ヨコシマの背中に張り着こうとした私は、逆に振り向いたヨコシマに抱きしめられてしまった。
これってばアレ?やっぱり流石にヨコシマも我慢の限界!?私ってばこれから襲われるの?

―― ドキドキドキドキドキドキドキドキ ――

うっ!どうしよう!?いざとなったら緊張してきた!
だ、大丈夫よね?私はヨコシマの事好きだし!こうなる事を望んだんだし!
そう、そうよ・・・

「ヨ、ヨコシマ・・・」

だから、優しくしてね。
私はフッと体の力を抜くと、ヨコシマの腕に身体を預ける。
そしてヨコシマは・・・

「グカー・・・スカー・・・」
「寝てるのかいっ!?」

なんて寝つき良いのよっ!?
ってか、さっきのドキドキをどうしてくれるの?!
もう!早く起きて・・・

―― ギュッ ――

「あ・・・」

ヨコシマは寝ぼけているんだろうけど、それでもヨコシマに抱きしめてもらうのは気持ち良くて・・・

「・・・・・・ま、良いか。」

ひとまず今日はこの辺にしておこう。
このまま明日の朝になっても面白そうだしね。
だから私は、ヨコシマの幸せそうな寝顔に一言だけ言った。

「おやすみヨコシマ・・・・・・好きよ。」



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