ザ・グレート・展開予測ショー

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投稿者名:狂
投稿日時:(03/ 2/27)

俺の名前は横島忠夫。
「美神除霊事務所」に所属するGSだ。
高校もとっくに卒業し、GS免許もちゃんと申請して一人前のGS!
……のはずなんだけど、
オーナーの美神さんが

「あんたを正社員にするなんてお金の無駄使いよ。当分バイトでいいじゃない。」

って言って未だに薄給のバイト生活を続けてる。
俺、何時になったら“バイト”じゃなくなるんだろ…?





「…ぃ…こ島……横し………横島!いいかげん起きやがれ!」
「ん…?」

あれ…?ここは、俺が通ってた高校じゃねぇか…

「やっと起きたか…。まったく、放課後になるまでグースカ寝やがって…」
「え、放課後…?」

どういう事だ?俺はとっくに卒業したはず…

「今日こそバイト見つけるんだろ?早くしないと見つける前に日が変わるぜ。」
「あ…あぁ……そうだな。」

同級生と別れ、道を歩きながら整理してみる。
日付は…俺が美神さんの事務所に就いた日みたいだな。
タイムスリップか?でも、原因が判らん…
時空消滅内服液のはずも無いしな。カオスのおっさんも俺が呑んだときに懲りて処分したって言ってたし…

「…あれ?もう着いたのか?」

高校から当時の事務所ってこんなに近くは無かったはず…つまりこれは夢って事か?
ああ、そうか。夢なんだな。それなら全て辻褄が合う。
つまり、これは覚醒夢ってやつだな。
覚醒夢自体は何度か経験あるけど、過去の記憶で体験するのは初めてだ。

「思えば、俺のGSとしての冒険もここから始まったんだよな……」

あ、美神さんが出てきた。
…よし!ここはあの日と同じノリで行くか!

「一生付いていきますお姉さま〜〜〜〜〜!!!」ガバァッ!
「きゃぁっ!?…何すんのよ、この変態!!」どげし!
「ぶっ!?」

あぁ…思えば出会い頭からずっとシバかれてたんやな〜俺って…

「す、スンマセン・・・雇って下さいと言うはずが…」
「一体どういう思考回路持ってんのよ!?…雇うって、あんたを?」
「………」
「後でこっちから連絡するから。じゃね。」
「あぁ!?連絡先も聞かず、あからさまに不採用!?」
「いきなりセクハラかますような奴不採用に決まってんでしょ!」

確かにそうやな…ってかそれが当たり前か…

「待ってください!俺、マジでバイト探してたとこなんス!そこにあなたみたいな美人がバイト募集の宣伝してるんで…
 どうか俺を雇ってください!あなたみたいな美人見たことも無いんです!ここで働いてみたいんです!」

あぁ…俺ってこん時、こんな台詞はいてたんやな〜自分のことながら鬱になってくる…

「どうしようかしらね〜」
「給料なんていくらでもかまいませんから!」
「ふ〜ん、いくらでもね……自給250円!」
「やります!」

美神さんの色香に惑わされてこの給料に疑問も無く頷いたなんて…どれだけがっついてたか改めて理解したな…
でもま、懐かしい夢見れたからよしとするか…さて、一通り記憶を振り返ったし、そろそろ目を覚まさないと寝坊るすな。
明日は、おキヌちゃんに初めて会った頃の夢でも見れたら嬉しいんだけど……
俺はいつもの様に夢から抜け出そうとするが、一向に変化が無い。
あれ? 大抵はこれで目が覚めるんだけど……仕方ない、あら治療だけど…

ゴッ!
「ちょ…あんた何やってんのよ!?」

っつ〜…やっぱ角に頭突きはヤバかったかな?
でもこれで夢から………目覚めてない!!?
こうなったら…

「美神さん、俺をシバいてください!」
「えっ!何で私の名前を・・・」
「いいから…」
「…判ったわ」
 (中略)
「これでいいかしら?」

や、やっぱ美神さんのシバきはキツイ…流石美神さん。
なんて言ってる場合じゃないな。
状況は……変わっていない。
これは夢じゃない。現実なんだ。

『状況を受け入れろ。考えるのは後でもできるだろ。』

俺の理性がそういってる。俺に理性があるなんて自分でも驚きだが…
まぁ、《美神令子除霊事務所》で働いて実についた適応能力が役に立ったな。
…あんま嬉しくないけど。


……とりあえず履歴書などを書いて、俺は帰宅した。
確か、少し経っておキヌちゃんが入ってきたんだよな。
その後エミさんや冥子さん、ピート、神父、マリア、カオスのおっさん、…いろんな人と出会った。
小竜姫さまん所で修行したり、GS試験に出場したり、香港でメドーサと戦ったり、それから……
懐かしいな。
皆との、仲間との思い出が走馬灯のように流れ行く。
…はっ!?ヤバイじゃん俺。
とにかく、GS生活を位置からやり直す羽目になっちまったが…
全てを始めからやり直すって言うのも……意外と楽しみだな。




だが、横島は気づかない。
狂った歴史の歯車が動き出そうとしていることに。
そう、この時は誰も……

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