ザ・グレート・展開予測ショー

シロ、妄想してみる


投稿者名:KAZ23
投稿日時:(03/ 2/26)

拙者、犬塚シロと申す。
誇り高き人狼族の者でござる。
拙者は修行の為に人狼の里を離れ、現在は人間社会の中で生活しているでござるよ。
過去には人と人狼の間にも争いがあったそうでござるが、拙者の居候先の方々は皆・・・あ、いや、ほぼ全ての方々は皆優しく、拙者とも上手くやってくれているでござる。どこかの狐さえいなければ完全に「皆」と言って差し支えなかったでござるが、それだけが残念でござるな。
まあ、狐の話など置いておくでござる。
拙者は父の敵を追い、現在の居候先の前身である「美神所霊事務所」の方々と出あったのでござる。
今にして思えば、運命の出会いと言えたかもしれんでござるな。
そうそう・・・運命の出会いといえばその時、拙者は生涯の師と仰ぐべきお方とまさに運命的と呼べる出会いを果たしたのでござる。

―― 横島せんせい ――

雄々しく強く逞しく。
どんな敵にも屈しないせんせい。
そして優しく温かく。
傍にいるだけで、何ともほんわかとした気分にさせてくれるせんせい。
どちらも真の男、真の武士(もののふ)と呼ぶべき姿でござる。拙者、心底せんせいを尊敬しておるでござるよ。

―― それに ――

それだけではござらぬ。
拙者は横島せんせいを尊敬しておるのと同様に、いやおそらくはそれ以上にお慕い申し上げておるのでござる。
当然でござろう?
せんせいは強く優しいお方で、拙者はそれをいつもお傍で見つづけて来たでござる。
女が強い男に惹かれるは自然の摂理。そして優しき男に惹かれるもまた摂理でござれば、全てを兼ね備えたせんせいに惹かれぬ女子などおらぬでござるよ。
拙者、せんせいと出会った当時はまだ子供で有った故、男女の恋愛感情など分からなかったでござるが、今はもう立派な女でござる。
恋を知ったでござるからな。
いや、こういう場合は「せんせいに女にしていただいた」と言うのでござったかな?

―― キュ〜ン♪ ――

いやあ、照れるでござる〜♪
なにしろ拙者とせんせいは硬い絆で結ばれた師弟!
師弟の絆は、やがて男女のそれへと変わるのでござる〜!
おキヌ殿に借りた漫画に書いていたでござるよ。
あれをせんせいと拙者に置き換えるとこうなるでござる。

・・・・・・・・・・・・





シロは横島の正面に立つと、その目を見つめて口を開く。

『せんせい拙者・・・』
『お前の気持ちは分かってる・・・シロ・・・・・・おいで・・・』
『せんせい・・・』

夕日の差し込む教室で、2人の影が重なった。
教師と生徒という立場を超えて・・・
男と女へと変わる。

『せんせぇ・・・』
『シロ・・・』

潤んだ瞳で声を震わせるシロを、横島は優しく抱きしめた。
そのままゆっくりと顔を近づけて、それに併せてシロもそっと瞳を閉じ・・・
2人の唇が・・・

・・・・・・・・・・・





「・・・・・・・・・はっ?!」

いかんでござる!ちと妄想に取り憑かれてしまったでござるな。
修行が足りんでござる。
うむ。でもまぁ、きっとせんせいと拙者はこのようになるのでござるよ。
いや、待っているだけでは駄目でござるな。
せんせいはとても素敵でござるから、常に周囲の婦女子達を引き付けて止まんでござる。拙者が知るだけでも、せんせいに気の有るおなごはかなりの数にのぼるでござるからな。うかうかしておると、よもやの不覚を取る可能性も有るでござる。
正直な所、今のせんせいにとって拙者はやはり「弟子」でござるゆえ、美神殿とかおキヌ殿とか小鳩殿とか・・・・・・
なにより、タマモには断じて負ける訳にはいかんでござる!
いや、無論タマモでは拙者の相手にはならんと思うでござるが、万が一という可能性もあるでござる。
九尾の妖狐は異性を惑わす術に長けておるらしいから、もしもタマモがそんな転生前の術を思い出したらとたんに侮れない存在になるでござるしな。
ま、今のタマモなら安全でござる。
この間もせんせいに「も〜しょん」をかけて失敗してたでござるよ!いい気味でござる。

・・・・・・・・・・・・





『ねえ、ヨコシマ。ちょっと良い?』
『なんだタマモ?』

除霊が終わった後で、タマモがせんせいに声を掛けたでござる。

『今度ちょっと付き合って欲しい所があるんだけど。』
『ん〜・・・どこよ?』

拙者、何でも無い風を装いつつも、実はしっかりと聞き耳を立てておったでござる。タマモが変な事を言い出したら、直ぐに邪魔するつもりでござるよ。

『プール。これ・・・』
『プール?なに?泳ぎに行きたいのか?ん、ああ・・・招待券が2枚か。』
『うん。ヨコシマが来てくれたら嬉しい。』

ぷーるだと?!タマモの奴、せくしぃ水着でせんせいを悩殺するつもりでござるな?!
しかも堂々とせんせいと一緒が良いなどと直接的に言うとは・・・こうしてはおれんんでござる!なんとかして邪魔をせねば!

『あ〜悪いなタマモ・・・明日は都合が悪いんだよ。事務の仕事で協会まで行かにゃあならんのでな。この券って有効なの明日までだし・・・おい、シロ!お前一緒に行ってやっれよ?』
『えっ!?ちょ・・・ヨコシマ・・・・・・』
『分かったでござる。せんせいの代わりに拙者が行くでござるよ♪』

拙者が何か手を打つ前に、タマモは撃沈したでござる。おお、怒りを噛み締めて拙者を睨んでおるでござるな?
ふっふっふっ!残念でござったなタマモ。

・・・・・・・・・・・・





あの時は痛快でござった。タマモの「あぷろーち」は全然せんせいには届かなかったでござるよ。
つまり、せんせいはタマモをそう言う対象としては全く見ておらんと言う事でござる。
しかし、ふむ・・・
せくしぃ水着で悩殺と言うのはなかなか良いアイデアでござるな。
拙者も速いうちに、女としての魅力を「あぴーる」するべきでござる。
この間、美智恵殿が言っておられた事によれば・・・

・・・・・・・・・・・・





『あら?シロちゃんなんだか・・・少し体つきが丸くなってきた?』
『ん?そうでござるか?はっ!?もしや太ったでござるか!?それは一大事でござる!!』

太るというのは、野生を失う兆候でござる!明日から散歩の量を倍に増やすでござるか?
なによりせんせいに太ったなどと思われるのは、絶対にいかんでござる!!それだけは駄目でござる!!

『そうじゃなくてね・・・体つきがふっくらとして来たって言ってるの。女らしくなってきたって意味よ♪』
『は?女らしい・・・・・・でござるか?』

どういうことでござる?

『つまり、胸とかお尻とかが張って腰がくびれて来て、メリハリの有る体つきになっていくって事ね。』
『美神殿のような「ないすばでぃ」になるでござるか?』
『ええと・・・個人差があるからどの程度になるかはちょっと分からないし、そもそも人狼の成長速度も不明なんだけど・・・・・・ちょっとづつそうなって行くと思うわよ。』

おお・・・拙者も女へと変わっていくのでござるか。
ちょっと感動でござる♪

―― はっ?! ――

そうなれば、せんせいも拙者をより女として見てくださるだろうか?!

『きゅ〜ん♪』

・・・・・・・・・・・・





今までの「ぷりちー」さに、今度は「せくしー」も加わるのでござる!
きっとせんせいも拙者に魅力を感じてくださるはず・・・

「ふっふっふっ♪そうとなれば早い所作戦を考えるでござる!」

確か、おキヌ殿に借りた漫画によれば・・・

・・・・・・・・・・・・





せんせいと拙者、2人だけの砂浜。
夕日を受けて光る水面・・・

『どうでござるかせんせい?』

そう言って拙者が「ぽーず」を取ると、せんせいは少し照れた顔で頬を掻くでござる。
そして少し言葉をためらった後で、こう口を開く。

『ん・・・驚いた。凄く似合ってるよその水着。綺麗だ、シロ。』
『本当でござるか?えへへ・・・とっても嬉しいでござる〜♪』

せんせいの言葉が、拙者には何より嬉しいでござる。ここで拙者も、顔を赤く染めてはにかむでござるな。

『いつのまに、こんなに女っぽくなったんだ?俺、ちょっとビックリだぞ・・・』
『きゅ〜ん♪せんせいの為でござるよ〜・・・』
『えっ?』

意外そうな顔のせんせいに、拙者ははにかみながらも答えるでござる。

『拙者が女っぽくなったとしたら、それはせんせいの所為でござる。拙者がせんせいに恋をしておるからでござるよぉ・・・』
『シロ・・・お前・・・・・・』

拙者からの突然の告白に、せんせいは驚きの表情を見せる。だがその後、直ぐに微笑みかけてくれるでござる。

『先に言われちゃったな。嬉しいよシロ。俺もお前の事好きなんだ・・・』
『く〜ん♪せんせぃ・・・・・・』

砂浜に映る長い2つの影は、ゆっくりと1つに重なり・・・
そのまま2人は宵闇に隠れ愛を交わす。

・・・・・・・・・・・・





「うおおおおおおっっ!!コレでござる、コレでござるよーーー!!」

完璧でござる!これでせんせいは拙者と・・・

「ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっ・・・・・・」

おっと、こうしてはおれんでござる。早速せんせいを誘いに・・・
いや、それより先にせくしぃ水着を買いに行かねば!
む?そういえば水着とは何処に行けば買えるのでござろうか?

―― ん〜〜〜? ――

ま、とりあえず「でぱーと」に行けば有るでござろう。早速出かけるでござる!

「せんせい、待っていて下され!」

拙者の・・・

「拙者のせくしぃ水着姿で悩殺でござる〜♪」



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