ザ・グレート・展開予測ショー

未来へ戻れ!!U〜第二幕:SCENE.3


投稿者名:ライス
投稿日時:(03/ 2/26)


 未来へ戻れ!!U

  第二幕:SCENE.3:小竜姫の登場



 そして数分後………。

「ううん………。」
 少年はようやく気が付き、起き上がった。するとそこは中心の木の下のベンチだった。

「あ、大丈夫ですか?」

 さっきの彼女が目の前にいた。

「あぁ…、何とかね。」
「良かったぁ……!!あなたが私の手を引いた時にちょうどあなたの目の前に缶が飛んできて、それが当たって、気絶したんです。打ち所が悪かったみたいで、なかなか気が付かないから、心配しましたよ?


「あぁ、そうだったのか……。いや、有難う。」

「い、いえ、そんなこと……。」

「なんだか君に余計な時間を取らせちゃったみたいだな。そのお詫びにおごらせてもらうよ。」

「え、いいんですか?」

「当然だよ。それでどこがいい?」

「そ、それなら私、良い所しってるますから、そこ行きましょう?」

「いいとも。手間取らせたわけだし、君に任せるよ。」

 二人はショッピング街を歩き出す。その長い通路をコンベアーに乗り、しゃべくりながら街を横切ってゆく。時々、彼女の言葉が詰まったが、少年には大して気になることでもなかった。ショッピング街を抜けると、段々と街外れに入ってゆく。そしてとうとう人通りの少なく、抜け道が前後にしかないビルとビルの間の裏路地に入ると、少年が言った。

「ね、ねぇ。だ、大分歩いたけど、まだなの?その場所って……、」

「………」
 すると彼女はしばし沈黙した後、彼の方を振り返って、頭を下ろしてこう言った。

「ごめんなさい!!騙すつもりはなかったの!!」

「へっ?そ、それはどういう………?」

「こういう事よ!!」

「!?」
 その声が上がると、その二つしかない抜け道は突然現れた5人によって塞がれてしまった。

「ようやく見つけたわよ、このバカ兄貴!!」

「きょ、恭子!?てめぇ、何しに来やがった!?」

「もちろん、将兄ィを捕まえるためよ!!さぁ、逃げ場はなくなったわよ?観念しなさい!?」

「へっ、捕まえて見れるモンなら捕まえてみやがれ!!」

「そう粋がってられるのも、今の内よ!?コッチには強い味方がいるんだから!!」

「なにぃ!?」
 そんな兄弟の口喧嘩が続いているのを尻目に、その少年の背後で横島が彼を捕まえようとこっそりと近づいてゆく。そして捕まえようとした、次の瞬間!!

「おっと!!」
 彼は後ろに目が付いていたかのように軽々と身を翻す。かわされた横島はそのまま転んでしまった。

「アイタタタ………。」

「不意打ちしようたって、無駄だ…、……?」
 横島の顔を見て、一瞬、彼の動きが止まる。彼は横島の顔を驚いた顔つきで見ている。

「あんた、まさか……!」
 その隙を美神は見逃さなかった。

「タマモ、今よ!!」
 するとタマモは、彼にめがけて狐火を燃やした。

「!! ウォッ!?」
 彼は再び間一髪の所で避けてしまった。しかし、間髪入れずに今度は後方からシロが霊波刀で斬りかかる!!

「トリャァァァ〜〜ッ!?」シロが斬りかかろうとしているのに、彼は動かない。シロは霊波刀を振りかざす。まだ動かない。そしてシロは刀を振りかざすが、彼は一向に動く気配はない。そのまま彼は動かないまま、一刀両断………されたかに見えた。

「う〜ん、惜しい……!!」

「!?」
 彼はいつの間にビルの壁に寄りかかっている。

「え、い、一体何が起こったのでござるか?」シロは何が起こったのか分かっていないようだ。

「あの子、凄いわね……。」美智恵が緊迫した表情で言う。美神もそれに頷く。
「今、あの子は自分の残像を作って、シロが斬りかかる間に私達に見えない速度で壁際に移動したわ。人間離れした身体能力がなきゃ、あんなコト出来ないわよ!?」

「ちょっと、あんなの相手しろって言うの?」
 美神は少々愚痴っぽく恭子に聞いた。

「私一人じゃ無理だから、マ…、美神さん達に依頼したのよ?」

「いくらなんでも、これじゃ私達でも捕まえられるかどうか、分からないわよ……。しょうがないわ……、こうなったら一斉に仕掛けるのよ?」

 そう言うと、美神達は全員で彼を捕まえようとする。横島は文珠で「網」を作り、シロは霊波刀で斬りかかり、タマモは狐火を起こすが、悉く避けられる。すると美神が
「あ〜、もう!!何で捕まえらえないのよ?こうなったら私が行くわ!!」

 そう言って、美神は神通棍を取りだして、彼に振り下ろす!!

「グッ!!」
 彼も美神の攻撃に対しては、手を使い神通棍を押さえる。力のせめぎ合いを繰り広げるが、彼の方が片手で押さえてる分、有利であった。

「い、いい加減、捕まりなさい………!?コッチは金が懸かってるんだから!!」
 美神は不利であることを分かって、ふっかける。しかし彼は笑みを浮かべて、美神に言った。

「フフフ………、コッチでも相変わらず同じ事言ってるよ、オフクロ!!」

「………ハァ!?」

「ちょっと疲れてきたな……、ここらで逃げるか。……フンッ!!」

「キャアッ!?」
 彼は神通棍を強引に振り払った。その反動で美神は壁に打たれてしまった。

「さてと……、そろそろ行くか。」

「待ちなさい!!」

「1?」
 その瞬間、恭子の出した霊波が縄のように彼に巻き付く。

「逃がさないわよ、将兄ィ……!!」

「………甘いな、恭子。」
 将は簡単に妹の霊波を引きちぎると壁を三角飛びしていって屋上まで行った。

「汚いぞ、恭子!!若い頃のオフクロやオヤジを引っ張り出しやがって……、どんなコトされたってオレは家に帰らねぇからな!!覚えとけ!!」
 そう言って、将は再び逃げていく。彼が逃げた後、そこに残った7人は呆然としていた。

「なんてヤツなの……、全く歯が立たなかったわ。」

「というより、アッチが人間離れしすぎてるわね……、むしろ魔族に近いというか……。」

「アァ!?」
 横島がいきなり大声を上げる。ビックリした美神はゲンコツを喰らわせた。

「何、いきなり大声出してるのよ!?コッチがビックリするじゃない。」

「す、すみません。でも、今やっと思い出したんです。将って言いましたっけ?アイツ、誰かに似てると思ったら、ルシオラに似てるんですよ!!男顔だったから、すぐに気付きませんでしたけど。」

「そう言われれば、そうね……。アイツ、私のこと、「オフクロ」なんて言ってけど、まさかねぇ…
。」

「ゲッ……。」
 恭子は思わず口に出てしまったが、それを美神が聞き逃すはずがなかった。

「今、あなた「ゲッ」って言ったわね?まさか、まだ私達に隠してることがあるんじゃないんでしょうねぇ?」

「えぇっと、そのぉ〜、まぁ、なに?………」
 必死ではぐらかそうとしている恭子。しかし、そんなことで諦める相手ではなかった。

「はっきり言いなさい!?でないと、後が怖いわよ……?」

「…………」
 冷や汗が滝のように恭子の頬から流れ落ちてゆく。もうはぐらかせるのも時間の問題かと思った。その時であった。

「恭子さぁ〜ん…………、」
 遠くから声が聞こえてくる。すると空から小竜姫が降りてきた。

「しょ、小竜姫!?何でアンタがココに来るの?」

「あら、美神さん。恭子さんから何も聞いてないんですか?」

「あぁ、ちょっ、小竜姫様ぁ!?」

「恭子さん、どうでしたか?昔のお母さんに会えて。将さんを捕まえられました?」

「エ゛ェッ!?」
 全員が小竜姫の言葉に凍り付いた。

「ちょっ、ちょっと、小竜姫?い、今、なんて言ったのかしら?」
 美神は恐る恐る聞いた。

「エ?ですから、あなたの娘である恭子さんに息子の将さんを捕まえられたか聞いたのですが……、って、アレ?まさか言っては不味かったのですか?」

「小竜姫様のバカ〜ッ!?あれほど言うなって、私達の親から言われてたのにぃ〜!?」

「エッ?エッ?わ、私のせいですか?」
 小竜姫の問いに全員素直に頷く。

「でも、もう手遅れですね………これじゃ。」
 おキヌちゃんがその事実に驚きながらも言った。

「えぇ、そうね……。」
 美智恵も溜め息をつきながら言う。当の本人達はと言うと、先程の小竜姫の爆弾発言によって真っ白に燃え尽きて気絶していた。一人は歓喜の、もう一人は現実逃避をして青ざめる姿のまま、立ちつくしていた………。そしてその日は夕暮れていったのであった……。


 To be contineued to part.3………!!

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