ザ・グレート・展開予測ショー

未来へ戻れ!!U〜第二幕:SCENE.2


投稿者名:ライス
投稿日時:(03/ 2/26)


 未来へ戻れ!!U

  第二幕:SCENE.2:ショッピング街にて


 さて、場面は変わり、ここはショッピング街のど真ん中。未来でも相変わらずというか、こういった所はいつも活気に満ちてて、人もごった返している。変わったところと言えば、通路がベルトコンベアーになったぐらいかそこらのもんであった。今日は休日で特に人が多いなか、少年が一人、人知れずその中に紛れ込んでいた……。


「♪〜〜」
 少年は鼻歌交じりにその中をぶらぶらと訳もなく歩いている。それはまるで何かを物色してるようにも見えなくもない。

「!!」
 何かに気付く少年。すると、彼はショッピング街の中心部にある大きな木の近くに行く。向かう先には容姿端麗なお姉さま方が……。大抵の男の例に漏れず、ナンパを仕掛ける彼であるが、これも例に漏れず、アッサリとフラれたようで、お姉さま方は笑いながらその場を去ってゆく。しかし、一度フラれたぐらいでは、彼はめげない。その後も何度もナンパを仕掛けた。しかし、それは悉く失敗に終わった……。

「チクショーッ!!」
 ちょうど20組目にフラれた後、こう小声で言った。

「……っあんの、ブス共がぁ〜!!魚が腐ったような目しやがって……!!昆虫以下の頭のくせに……!!俺がこれだけコビてやってるって言うのに、何だ、あの態度は……!?断られるのはまだ許してやるが、人をバカにした態度や無視されるのには正直腹が立つ!!何様のつもりなんだ、アイツら……!!」
 そんなことをブツブツ言いながら、再び物色を始めているところが男の悲しき性である。また街を歩きながら、辺りをうろつく。

「!!……こ、こりゃあ……。」


 彼の目を引いたのは、長髪の女性。その吸い込まれるように黒い、長い髪。派手でもなく地味でもなく、スッキリとした質素な服装。どこか芯のある、スラッとした出で立ちに遠くから見ても分かる、その優しさに満ちあふれた瞳。まさに大和撫子と言って良い、そんな清楚な感じの女性。

「今時、あんな娘も珍しいな……。でも、ああいう清楚な感じが嫌いじゃない………イヤ、むしろポイント高い、ポイント高いぞぉ〜〜!?」

 早速、彼は彼女に声をかけようと近づく。

「ねぇ、彼女ぉ〜?」

「え、わ、私ですか?」

「そうだよ、他に誰がいる?で、どっから来たの?」

「え、えぇと……その……、」
 彼女は少し困惑しながら顔を赤らめている。しかし、そこが男性の本能をくすぐる。

「(くぅ〜っ。かわいいなぁ〜!)そうだ、オゴるから、一緒にどっか行かない?」
 そう言って彼女の手を引く。

「え、ちょ、ちょっと困ります……!」

「遠慮なんかしなくて良いから、さぁ………!!」

「くおらぁぁぁ!?テメェ、おキヌちゃんに何しやがる!?」

「ブフワァッ!?」
 彼は向こうから来たバンダナの少年に空中飛び膝蹴りを浴び、その場に倒れた。

「横島さん、何もそこまでしなくても………、」

「先生、そうでござるよ……!!」

「い〜や、こういうヤツは徹底的に懲らしめんと……!!ったく、おキヌちゃんをナンパしようなど1光年早いわっ!?」

「…………」
 目を血走らせる横島に何も言えなくなる二人。少年はまだ気絶している。横島はようやく落ち着きを取り戻すと、
「で、シロ。霊波の方はどうだ?」

「ハッ、そうでござった!!えぇと、この方向で……………ン??????????????」
 シロは鼻をひくひくさせるが、どうも様子がおかしい。何か見つけたのか、それとも見失ったのか、どっちとも付かない微妙な表情で横島達の方をゆっくりと振り向いた……。

「先生ぇ………、絶対に怒らないでござるか……?」

「なんだよ、藪から棒に。お前のドジなら日常茶飯事だろ?」

「いや、そう言う訳じゃないんでござるが………、」

「じゃあ、何なんだよ?見つけたのか?」

「………えぇと、そのぉ〜、さっき先生がハッ倒したのが……そうなんでござるが……。」

「……………コイツ?」
 シロは横島に聞かれるとすぐに頷く。打ち所が悪いのか、まだ気絶している彼を横島達は見つめた。

「ど、どーしましょうか?横島さん……。」

「どーしましょうって言われたって……、オイ、シロ。本っ当にコイツで間違いないんだな?」

「間違いなく、コイツでござる!!」

「そうか。じゃあ、タマモに連絡付けられるか?」

「それは遠吠えをやれば何とか………。」

「………二人とも、ちょっと耳を貸してくれ。」

 横島は二人に耳打ちし始める……。横島が話し終えると、

「……いやです!!そんなこと……!」
 おキヌちゃんが何かを拒む。すると横島は、おキヌちゃんの両腕を掴むとこう言った。

「でも、これしかないんだ、おキヌちゃん。そこをなんとか頼む!!」

「拙者からもお願いするでござる!!」
 シロも横島に続いて、おキヌちゃんに頼み込んだ。おキヌちゃんは仕方なさそうに一息つくと、
「………………。んもぅ、これっきりですからね?こんなこと……。」

「あ、ありがとう、おキヌちゃん!!それじゃ、早速……。シロ!」

「分かってるござる!!それじゃ、行ってくるでござる!!」

 そう言うと、シロはどこかに去っていった。横島はおキヌちゃんと一緒にシロが戻ってくるのを待つ。しかし、一つ気になったことが彼にはあった。
「(このナンパ野郎の顔、どっかで見たことがあるんだよなぁ……誰かに似てるのかな?そうだとしたら……。)」

「どうしたんですか、横島さん?神妙な顔をして……」

「い、いや、別に。なんでもないよ、おキヌちゃん。」

「そうですか。」

「………。(しかし、誰だったかなぁ〜?喉まで出てる感じなのに……)」
 そうこうする内にシロが戻ってきた。

「先生、言ってきたでござるよ!!」

「分かった。じゃあ、おキヌちゃん、さっき言ったとおりに……。」

「分かりました、自信ないですけど、頑張ってみますね……。」

「うん。じゃあ行くぞ、シロ。」

「ハイ!!でござる。」
 横島とシロはおキヌちゃんをその場に残して、どこかに去っていった。


 To be contineued to scene.3………!!

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