ザ・グレート・展開予測ショー

未来へ戻れ!!U〜第二幕:SCENE.1


投稿者名:ライス
投稿日時:(03/ 2/26)


 未来へ戻れ!!U 

  第二幕 2027年の逃亡者

SCENE.1:未来へ……

 ここは2027年、都内某所…。その路地裏。人通りの少ない道に突然光の玉が現れ、それは次第に大きくなり、人を包み込むくらいの大きさになると、一瞬のうちに消えて無くなった。するとその路地にはさっきまでそこにはいなかった7人の男女(と言っても男は一人だが)がそこに立っていた……。


「………ン?ここはドコでござるか?外だから事務所ではないようでござるが…?」
「おまけに晴れてるわね……。さっきまで雨だったのに……。」
 シロとタマモは突然の周りの状況の変化を不思議そうに見回していた。

「あ、二人とも、あんまりキョロキョロしない方が…。多分私達、時間移動をしたのよ。」

「時間移動!?………………………………………って何(でござるか)?」
 ………タマモも知らなかったのは意外だったが、二人とも知らないようなので横島とおキヌちゃんは
時間移動というものをシロが理解できるぐらいのレベルで分かりやすく説明した。そして美神親子が時間移動能力者であることも。


「………えぇと、つまり拙者達の今いる世界は拙者達が元々いる世界より時間が経った世界……?あぁ、なんだか頭がこんがらがってくるでござるぅぅ〜。」
「要するに未来に来たって訳なのね……。それは分かったわ。じゃあ、あの子も能力者ってことなの?」
 状況を把握しつつ、タマモが例の少女を見て言った。

「さぁ…、でも、美神さんならなにか知ってるかも。」
 おキヌちゃんがそう言ってると、その美神に似た少女が顔を上げ、全員に呼びかける。

「ふぅ、みんな大丈夫?」

「何とかね……。ママもみんなも大丈夫?」

「エェ、大丈夫よ。」

「コッチも大丈夫っす、美神さん。」

「よかった、全員無事みたいね。さて…聞きたいことが山ほどあるわ。あなたは一体何者で、どうして私達を未来に連れてきたのかしら?」
 当然の質問を美神が少女に問いかけた。すると少女もおもむろに口を開いた。

「………私の名前は三島恭子。で、ここは西暦2027年。今、状況は逼迫しているわ。それでどうしてもあなた達の力が必要なの!!特に令子さん、あなたの力が……!」

「フゥ〜ン、で、私達は何をすればいいワケ?」

「エェ、この世界であなた達にして欲しいのは……、」

「して欲しいのは?」

「………私の兄貴を捕まえて欲しいの!!」

 ……それを聞いた瞬間、美神達一同は肩の力が抜けたように音を立てて思いっきりずっこけた…。
「チョッ、チョット、あんた!!わざわざ兄貴を捕まえて欲しいがために私達を未来に連れてきたってワケ?」

「ま、まぁ、そういうことになるわね……。」

「何が『そういうことになるわね』よ!!なんで未来に来てまで、GSの私がアンタの兄貴を捕まえなきゃいけないの?」

「まぁまぁ、美神さん。この子も事情があって私達をここに連れてきたワケなんですし、ちゃんと話を聞いてあげましょうよ、ね?」

「で、でも、おキヌちゃん……。」

「おキヌちゃんの言う通りよ。」

「ママまで……。」

「まさか令子、私の言うことが聞けないとでも言うんじゃないんでしょうねぇ?」
 美智恵はにっこり微笑みながら、青筋を立て美神を圧倒する。さすがの美神もこれにはたじろぎ、仕方なく……、
「わ、分かったわよ。話を聞けば良いんでしょう?もう……!」

「それじゃ、話を元に戻すわね?兄貴を捕まえて欲しいワケなんだけど、アイツ、この間両親とケンカして、家出しちゃって今どこにいるか分からないのよ。そのケンカで親は二人とも大けが。で、私一人じゃ、手に負えないからあなた達に来てもらったってわけなの。さっきも言ったように事態は一刻を争うの。早く捕まえないと地球がエライことになるわ…!」

「……アンタの兄貴と地球の危機がどう関係するのか知らないけど、捕まえればいいのね?」

「そうよ。」

「フ〜ン、じゃあ……、」
 恭子の説明を聞いた美神は彼女の前に手をさしのべた。

「……?この手は……?」

「決まってるじゃない、料金よ!!言っておくけど、高いわよ?」

「令子!アンタ、まだそんなことを……、」

「だ、だってぇ〜……」

「いいわよ、お金なら好きなだけ払っても。」

「ホ、ホント?」

「エェ、もちろん。ちゃんと払ってくれる人がいるから。」

「よぉ〜し、やる気が出てきたわ!!」

「でも、その兄貴がドコにいるか分からないじゃないですか…。どうするんです?」
 ようやくセリフの出た横島が文句を言う。すると美神は鼻で笑うかの如く簡単に言い返す。

「バカねぇ、横島クン。コッチにはその筋のエキスパートが二人もいるじゃない?」

「あ、そうか。シロとタマモがいたんですよね……。」

「シロ、タマモ、チョットこっちに来なさい!!」

 美神に呼ばれると、二人がやって来る。そして事情を説明するとシロがタマモに向かって、
「……そういえばこの前の決着(37巻)、まだついてなかったでござるな、タマモ……。」

「なに、シロ。決着つけたいとでも言いたいの?」

「当たり前でござる!!決着がつかない勝負なぞ、武士の名折れでござる!!」

「あら、負けると分かっててもやるつもり?」

「言ったでござるな?後で後悔しても知らないでござるよ……!?」

「ふん、望むところよ!」

「って、アンタ達、なにガン飛ばしあってるのよ!!」
 美神は二人の頭を持つと、そのまま二人のおでこをぶつかり合わせた。二人は痛そうにおでこに手を当てながら、美神の方を向いた。

「美神どの、なにをするんでござるか!?」

「黙りなさい!!アンタ達はただ従ってればいいのよ!!」
 そう言われると、彼女達は不満そうに(特にシロが)仕方なく黙り込んだ。美神は再び恭子の方を向いて言う。

「三島さん………って言ったわね?」
「……恭子で良いわ。」

「そう、じゃあ恭子ちゃん、アンタの兄貴の匂いがつく物か何かない?」

「そんなコトしなくても兄貴、霊力が強いから霊視すればイヤでも気がつくはずよ。」

「なるほど……、それじゃあシロ!タマモ!早速ヤってちょうだい。特に霊気の強い霊波を見つけるのよ!!」

「ハイ(でござる)!!」
 すると二人はすぐさま四つん這いになって地面を嗅ぎ始める。そしてそうすること数分後…。


「!!」
 二人とも同時に何かを嗅ぎつけたようで、すぐに立ち上がり同じ方向を向き、指を指した。

「コッチよ(でござる)!!」

「じゃあ、二手に別れましょう?私とママと恭子ちゃんはタマモに、横島クンとおキヌちゃんはシロについて上げて。どうせ、行き着く先は一緒なわけなんだし、捕まえるんだったら挟み撃ちする方がいいでしょ?」

「それもそうね……。」

「それじゃ、決まりね?じゃあ、行くわよ!?」

 こうして美神達は二手に別れて、恭子の兄を捜すために街の中へと消えていった。



 To be contineued to scene.2……!!

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