ザ・グレート・展開予測ショー

モンスタースイーパー (その14):美神覚醒編


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 2/24)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
モンスタースイーパー (その14):美神覚醒編



『ライトニング・ボルト。』
ビシャッ!!
「キャアアアアアアア!!」
「タマモ!!」
「おキヌちゃん、治療を!!」
「は、はい!!」
戦闘が始まって、10分が経った。
劣勢が続いていた。
風の刃の呪文によって、皆の体には、切り傷がたくさん出来ていた。
すでに私の手足にも、数ヶ所の傷がある。
・・・・・・・くそ。
私は、悔しかった。
別に、メフィストの方が私より綺麗ということではない。
圧倒的な力。
私よりも、数倍も数十倍も上・・・・・。
認めたくない。
けど、認めなければならない。
目の前で起こっているのは、まぎれもなく事実なのだ。
「ゲームの世界なのに・・・。何だってここまでボロボロにされなきゃいけないのよ!!」



RPGというものは、プレイヤーたちのレベルが40以上あれば、魔王と互角、もしくは優勢で戦えるものだ。
しかし、これは・・・・、このゲームは違う。
すでに、私たちのレベルは、最強のレベルである99になっている。
呪文も全部覚え、武器や防具も、強力なものばかりだ。
しかし、圧倒的に魔王が強い。
簡単に例えるとしたら、データの書き換えをし、プレイヤーたちが、最初の時からレベルが99になっている最強キャラに、一番弱いザコモンスターが襲い掛かるようなものだ。



「うわーーーーーーーー!!」
「バベロス!!」
ゴーゴンの声がする。
見てみると、大火傷を負ったバベロスが倒れている。
その体からは、白い煙が上がっていた。
「くっ!!よくもアタシの僕を!!」
ゴーゴンは、ファイヤー・ボールを連発する。
ドドドドドドドドド!!!!!
巨大な火球が、メフィストに襲い掛かる。
『何をやっても無駄だということが、何故分からないの?』
メフィストは、巨大な火球を連発する。
無論、ゴーゴンのよりもデカい。
メフィストが放った火球は、ゴーゴンの火球を吸い込み、ゴーゴンに襲い掛かる。
「あぁーーーーーーーーーーーーーー!!」
ゴーゴンの悲鳴が聞こえた。
「ゴーゴン!!」
私は、ゴーゴンの元に駆け寄る。
「う・・・・、あ・・・・・・。」
辺りに火傷を負ったゴーゴンは、途切れ途切れの言葉を出す。
「しゃべらないで!じっとするのよ。」
私は、腰につけていた小さな袋から薬草を取り出し、火傷をした部分に張る。
近くで倒れているバベロスにも、同じような処置をした。
どうやらメフィストは、生かさず殺さず、私たちを攻撃しているらしい。
・・・・・・反吐が出る。
自分の前世に似た魔王。
哀しみによって生まれた魔王。
しかし、非情だ。
これほどムカツく敵はいない。
ギリッ・・・
私は歯軋りをした。



「きゃーーーーーーーーー!!」
「うわーーーーーーーーー!!」
今度は、おキヌちゃんとシロがやられた。
おキヌちゃんは、ライトニング・ボルトを受け、シロはメフィストに斬りかかろうとして、メフィストに近距離でファイヤー・ボールを受けている。
無論、ジワジワと痛みを味合わせるため、命だけは助けている。
「くそ!!よくも!!」
横島クンは栄光の剣を出し、それを持って、メフィストに向かって走る。
それに向かって、メフィストはファイヤー・ボールを放つ。
それを横島クンはジャンプして避ける。
「うおーーーーーーー!!」
横島クンはそのまま、メフィストに斬りかかろうとした。
その時・・・・・、
ズシュッ!
「が・・・・・・・・・。」
メフィストの髪が、横島クンの心臓を貫いた。
体の外に出たメフィストの髪に、横島クンの血がついていた。



『分からないわ・・・・・。なんであんな豚どもを、アンタは守ろうとするの?』
「・・・・・こ、これ以上・・・・、大切な人を・・・・、失いたく・・・・は・・・・、ねぇ・・・・・・。」
『大切な人を守る?無理ね。そんなこと出来っこないわ。』
「へへ・・・・・・。」
『何が可笑しいの?』
「アンタみたいな美女と死ねるんだったら別に良いかなってな・・・・・。」
キィーーーーン・・・
横島の右手には、"爆"の文珠が握られていた。
『・・・・・・・・。』
(ごめんな・・・・・、皆・・・・・。・・・そして、ルシオラ・・・・。)
ドッゴォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!


突然、横島クンとメフィストの所で、爆発が起きた。
「横島クーーーーーーーーーーーン!!!!!!!」
私は叫んだ。
『フフッ。可愛らしい坊やだったわ・・・・。』
「!! メフィスト!!」
爆煙の中から、メフィストが姿を現す。
そして、メフィストは横島クンを放り投げる。
私は、放り投げられた横島クンを、両腕でキャッチする。
「横島クン!?」
・・・・・・・・・。
返事は、無かった。
左胸に、大きな風穴が開いていた。
顔は・・・・、満足そうな顔だった。
大切な人を守れた・・・・・。
その嬉しさを表したような・・・・・・・死に顔。

『フフッ・・・。いい攻撃だったけど、威力がイマイチねぇ・・・・。』
「・・・・・・・。」
『あらやだ、泣いているの?たかがクズ男1人死んだだけじゃないの?アナタ、バカじゃないの?』
クズ男1人・・・・・・。
ブチッ!
私の頭の中で、堪忍袋の緒が切れた。



ギュイーーーーーーーーーーーーン!!
『!! な、何!?この魔力!!』
メフィストが叫んだ。
私の体から、強力な魔力が出ていた。
ヴァサッ!!
背中から、悪魔の翼と、天使の翼が、片方ずつ現れる。
持っていた神通棍は、1本の長剣と変形していた。
ギロリ!!
私は、メフィストを睨む。
『ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!』
恐怖を感じた表情を見せるメフィスト。
私は、メフィストに向かって叫んだ。

「よくも・・・・、よくも・・・・・、よくも私の横島をーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

・・・・続く。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa