ザ・グレート・展開予測ショー

ルシオラIN漂流教室


投稿者名:ハルカ
投稿日時:(03/ 2/24)

風が吹きすさぶとある高校の前に
一人のなんてこたーない高校生が立っていた。

「ふっ・・・・学校か・・・・・ひさしぶりだな。」

横島忠夫その人である。
GSの仕事が急がしすぎて
このところ学校に来ていなかった彼は進級するための出席日数が足りなくなって
補修を受けるハメになったのであった。

「横島!?お前、銭湯で覗いてたのがばれて軍艦刑務所に行ってたんじゃ・・・?」
「いや、俺は謎の宇宙船にさらわれたって聞いたけどな。」
「違うわよ!!某王国の家老の反乱に巻き込まれたって聞いたわ!」

「本人の前であることない事うわさしてんじゃねーーーー!!
 ・・・・・GSのバイトだよ。そっちの方が面白くてな。
 それにお前らは知らんだろうがGSってのはオイシイ仕事なんだぜ!
 スリルとサスペンスの毎日!!そしていろんな人との出会い!!
 時には敵であるはずの女性と恋に落ちてしまう事もある!!!!

 ・・・・・・・・・はっ!?
 なんだお前ら、その人を憐れむような目は!?
 ホ、ホントだぞ!!ホントに俺はGSの仕事で彼女ができたんだーーー!!!!」



〜教室にて〜

教室にやってきた横島クンだったが横島クンの机はひどくよごれていて
古い机に代わっていた。

「な、何で俺の机だけ・・・・・・イジメだ。
 ・・・・・だいたいこんな机、どっから持ってきたんだ?」

横島クンが机の中を何気なく覗きこんだ瞬間・・・・・


ペロリ


なんと横島クンは机に飲みこまれてしまった。
大騒ぎになる教室!!
そこへさらに混乱の火種が舞い込んだ。


ガラッ!!


「ヨコシマーーー!!お弁当忘れたわよ。・・・・・って学校に来ちゃった♪」

ルシオラの登場とその台詞に更に大騒ぎになる教室!!!!

「お、お、お、お・・・・・お弁当ーーーー!?!?」
「こんな美人が・・・・・さては姉弟か?姉弟だな?そうなんだな?そうに違いない!!」
「これは夢だ!夢に違いない!夢じゃなきゃヤダーーーーー!!!!」

ある者はあまりのショックに幽体離脱をおこしたり
ある者は口からエクトプラズムを吐き出したりと教室はまさに大惨事となったのだった。

教室のみんなの壊れっぷりに少々ひきながらも肝心の横島クンがいない事に気付いて
近くの女子生徒に声をかける。

「あのー・・・
 大騒ぎしてるところ悪いんですけど、ヨコシマはいったい何所に?」

「・・・・・・はっ!?
 そうだわ!こんなことしてる場合じゃないんだったわ!!
 横島クンが机の化け物に飲みこまれちゃったの!!すぐに警察を!!」

ルシオラの言葉に我に返った女子生徒が警察を呼ぼうとしたが
ルシオラがそれをさえぎった。

「待って!化け物関係ならGS事務所に連絡して!!
 これが美神さんの事務所の連絡先よ!
 横島のアルバイト先だからすぐに来てくれると思うわ!!
 ・・・・・でその机の化け物は何所!?
 すぐにヨコシマを助けなくっちゃ!!」

「・・・・・・えっ?いないっ!?
 さっきまでそこにいたのに!!」

ルシオラが机の妖怪を確認したときにはすでにその場所に妖怪はいなかった。

どこかに移動したのだろうか?
ルシオラがそう思って後ろを振り返ろうとした時・・・


ペロリ


「しまっ・・・・・!!」

ルシオラも教室の天井近くに隠れていた妖怪に飲みこまれてしまった。




〜机妖怪の中〜

「こ、ここは!?
 なんで妖怪の体内に教室が・・・・・?」

「ルシオラーーー!?助けに来てくれたのか!?」

妖怪に飲みこまれたルシオラが辺りを見まわしていると
ほぼ同時に教室にテレポートしたと思われる横島クンが
涙と鼻水を流しながらルパンダイブしてきた。・・・・・が


ベシャ


横島クンをしっかりと胸で受け止めたはいいが
勢いが強すぎて二人ともそのまま後ろに倒れてしまった。

至近距離で目と目が合う二人。
横島クンがルパンダイブしてきたため二人の体勢は横島クンがルシオラを押し倒した形になっている。
異空間にもかかわらず、なぜが教室の窓からは夕焼けが二人を照らしていた。

「「ななななな・・・・・・」」

すでに心臓がバクバクいってて頭の中が真っ白になっている横島クンと
わずかに残った理性をかき集めててはいるもののすでに欲望に負けそうになっているルシオラ。

このまま最後までいってしまうのか!!??
・・・・・・というところでお約束どうり『ガラッ』っと教室のドアが開いた。


「あら?新入りさんのようね。
 教室でお互いの気持ちを確かめ合う二人・・・・・これも青春よねー。」

突然ドアから出てきた女の子に『びぅうん』っと離れる二人。


「あの・・・・あなたはいったい・・・?」

まだドキドキいっている心臓を静めながらドアから出てきた女の子に話しかけるルシオラ。
もしかしたら何か知っているかもしれない。
だがその女の子の台詞で事態は思わぬ方向に動く。

「私は愛子っていうの、よろしくね。ここにきてから32年になるわ。
 それより・・・・・それより・・・・・・」

愛子と名乗る女の子は話の最中にルシオラを見ながら何かを言いたそうに
プルプルとふるえだした。

「「??????」」

横島クンとルシオラがそろって『?』の表情を浮かべる。
そんな事をしていると突然、愛子が叫びだした。

「・・・・せ、先生をやってくれないかしら?
 いいえ!!こんな言い方じゃ先生と生徒じゃないわ!!
 やって頂けますよね!先生!!!!」

「「せ、先生って・・・・・」」

横島クンとルシオラは大粒の汗をかきながら愛子の熱弁を聞いていたが
ルシオラが不意にOKをだした。

「いいわよ。よろしくね、愛子ちゃん♪」

「おっ、おい・・・本気か、ルシオラ?」

あまりに突然ルシオラがOKしたのでちょっとうろたえ、声をかける横島クン。

「ええ、本気よ。
 ここにいる以上、いろんな人から情報も聞きたいしね。
 いろんな人からまとめて情報を聞き出すには生徒より教師の方が都合が良いでしょ?」



〜教室にて〜

愛子が教壇にたってホームルームが始まる様だ。

「それでは第11025回ショートホームルームを始めます!!
 今回は重大な発表があります!!
 新入生の横島忠夫君と
 なんと我が校初の教師になっていただいたルシオラ先生を紹介します!!」

横島クンとルシオラが挨拶をする前に教室の中は『先生』という響きに大騒ぎだ。

「先生ーーーーーーーー!!なんてすばらしい響きなんだ・・・・」
「やっとHRだけじゃなくて授業ができるんですね!!」

その大騒ぎを学級委員の愛子がおさめる。

「はいはい、みんな落ち着いて。まだ紹介がすんでないわ。
 ところでルシオラ先生、何の科目を教えていただけるのでしょうか?」

「うーん・・・・・科目かぁ。
 私は魔導科学が得意だからそんな感じで♪」

そんな感じでルシオラの授業が始まったのだった。




「・・・・・でここのパルプを閉めるのよね。
 するとタービンの圧力が上がるから次はここを溶接して応急修理完成ってわけ。
 何か質問のある人はいるかしら?」

授業の内容は『飛行型兵鬼の応急処置について』。
教室のみんなは熱心に黒板の内容を写したり質問したりしている。

ルシオラは感動していた。
いつもみんなに魔導科学の話をしても
聞いてもらえないか聞いてもらえても理解してくれないのだ。

でもここは違う!!
みんな熱心にルシオラの話を聞いてくれて理解してくれる!!

(教師っていうのも悪くないかもね♪)

「あの〜・・・・
 ルシオラ先生、魔導科学の授業以外にも
 いろいろな授業をしていただけると嬉しいんですけど・・・・」

ルシオラがそんな事を考えていると
一人の女子生徒が他の教科もして欲しいと声をかけた。

「何を言ってるの!?ここからがいい所じゃない♪
 で、さっきまでは『飛行型兵鬼の応急処置について』だったけど
 次は『飛行型兵鬼の設計および製造』にうつるわよ♪」


(しばら〜〜〜〜〜くお待ちください。)


「・・・・で、この設計から飛行型兵鬼の浮力と推進力を
 ・・・・ってみんな聞いてる!?」

あれから延々延々と数時間にわたって魔導科学について力説を続けるルシオラ。
さすがのクラスのみんなもすでにグロッキーだ。

「さすがにみんな限界みたいね。
 じゃあ、講義はひとまずここまでにしましょうか。」

ルシオラの言葉にホッとするクラス一同。
だが次のルシオラの言葉は・・・・・

「じゃあ、みんな理化実験室に移動して。
 講義に疲れてきたみたいだから実験室で飛行型兵鬼の製造の演習ね♪
 大丈夫!!30時間もあれば終わるから♪」


ピシッ!!


クラスのみんなの表情が凍りついた。

「こ・・・・・こ・・・・・・」

教室の中で誰かの声が聞こえる。

「こんなの、青春じゃなーーーーーい!!!!」

学級委員の愛子だ。
涙を流して『青春が・・・・青春が・・・・』とつぶやいている。

「私は楽しい学校を運営していきたかっただけなのに・・・・」

「えっ!?」

愛子のつぶやきがルシオラに聞こえてしまった。

「あなたが机の妖怪だったの?」

「・・・・・・・・はい。
 私は学校の机が変化した妖怪で・・・・
 学校にあこがれてたんです〜。
 ただ・・・
 ただちょっと青春を味わって見たくて・・・・」

そう言うと机妖怪の愛子はボロボロと泣き崩れてしまった。

普通ならここで
『君が今味わっているもの・・・それが青春なのさ!!』などという
青春ドラマが展開されるところだがこのときばかりはルシオラの目が違った。

「ううん・・・・
 あなたが妖怪かどうかなんて大した事じゃないの。
 あなたは優秀な生徒よ。熱心で、やる気もあるわ。」

ルシオラの言葉にジーンとなるクラス一同。
青春ドラマの雰囲気だ。ルシオラの次の台詞さえ無ければ。




「だから理化実験室に行きましょ♪」













「「「「イヤーーーーー!!!!」」」」



横島クンとルシオラが元の世界に戻る事ができたあと
横島クンの学校の生徒としてむかえられることになった机妖怪の愛子だったが
それ以来、ルシオラを少しおびえた目で見るようになった事と
教える事の喜びに目覚めてしまったルシオラがよく「ねえ、聞いて聞いて。」
と言うようになった事を追記しておく。


                           Fin


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