ザ・グレート・展開予測ショー

モンスタースイーパー (その13):戦闘開始編


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 2/21)

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モンスタースイーパー (その13):戦闘開始編



「・・・・メフィスト。」
私は、目の前にいる魔族の名前を言った。
この世界では、伝説の魔女で、
私たちの世界では、私の前世・・・・・。
私は、それ以上言うことが出来なかった。
『フフッ・・・・。』
向こうにいるメフィストが、手を前に出す。
ギュウウウウ!!
「!!」
メフィストの目の前に、巨大な火の玉が現れる。
「避けな!!」
ゴーゴンがそう叫ぶと同時に、メフィストの前に現れた、巨大な火の玉が放たれる。
横島クンたちは、ハッと我に帰り、火の玉を避ける。
「ちっ!何突っ立てるんだい!!」
ゴーゴンは、その場で立ったままの私の体を捕まえ、そのまま火の玉を避ける。
ドゴォォォォォ!!
爆音が部屋中に響き渡る。
後ろにあった巨大な扉は、火の玉によって大きな縦穴になっていた。
「冷たき氷よ、白き魂よ、我に力を貸し与えよ!!」
ゴーゴンは、呪文の詠唱をし、巨大な氷の玉を作る。
「フリーズ・ボール!!」
ゴーゴンは、それを放ち、放たれた氷の玉は、メフィストに向かう。
『ファイヤー・ボール。』
メフィストは、小指くらいの小さな火球を作り、それを向かってくる氷の玉に放つ。
チュドーーーーーーン!!
火球と氷の玉が接触し、氷の玉は四散し、氷の塊が、辺りの飛び散った。
「相殺したっていうの!?」
私は驚愕した。
「ちっ!結構呪文のレベルを高くしたんだけどね!」
ゴーゴンは舌打ちする。
「高くしたって、今のフリーズ・ボールのレベルはどれくらいなの!?」
「・・・・・・9だよ。」
「9ですって!?」

呪文にもレベルというものがある。
魔法を使える者が成長すればするほど、魔法のレベルは高くなる。
ファイヤー・ボールだと、最初は小指の先ぐらいの大きさでしかないが、
最高になると、魔法を使える者の2倍も3倍もある火球を出すことが出来る。
魔法のレベルは、最低で0、最高で10である。
なお、魔法が最高レベルまで達した者は、呪文のレベルを調整することが出来る。

「じゃあ、アイツのレベル1の魔法が、アンタのレベル9の呪文と同じ強さなわけ!?」
「そういうことになるねぇ。」
私は絶句した。
自分の目で、伝説の魔女・・・・・、
いや、魔王メフィストの強さを知ったのである。
・・・・・・・・。
ん?ちょっと待ってよ・・・・・。
「ゴーゴン!!」
「なんだい?」
「確かメフィストって、死んだんじゃなかったの!?」
「死んだよ。」
ゴーゴンは、アッサリと答える。
「じゃあ何で、あそこにメフィストがいるわけ!?」
「あぁ、それは簡単だよ。あれはメフィストの哀しみが実体化した姿さ。」
「何ですって!?」



「くっ!!」
メフィストに、サイキック・ソーサーを投げつける横島クン。
しかし、それを魔法で簡単に防ぐ。
「てりゃ!!」
持っている弓から、矢を放つバベロス。
しかし、それもメフィストは防ぐ。
『もっといい攻撃は出来ないの?』
メフィストは、微笑して言った。

「ファイヤー・ボール!!」
「ホワイト・ボール!!」
「フリーズ・ボール!!」
「ライトニング・ボール!!」
私とおキヌちゃんとタマモ、そしてバベロスは、同時に呪文を唱えた。
私たちから放たれる4つの玉。
『ダークネス・ボール。』
メフィストは、手の平に出した、黒い玉を放つ。
バシュンッ!!
5つの玉は相殺し、一瞬の内に消滅した。
「き、効かない!!」
「美神さん!!」
「落ち着くのよ、2人とも!」
私は、そうおキヌちゃんとタマモに言う。
「ゴーゴン、さっきの哀しみの心だけど。」
「あぁ、あれかい。」
ゴーゴンは、呪文を放ちながら言った。

「メフィストは、自分の最愛の人であるタカシマを失って、大きな哀しみを創った。
その哀しみを、心の奥底に封印したまま、世界初の女MSとなり、モンスターたちと戦った。
ファイヤー・ボール!!
で、死ぬ前に最強の白魔法「恋人(ラヴァーズ)」を創り上げ、この世を去った。
けどね・・・・、哀しみってのは、この世に残るもんなんだよ。」
「何ですって!?
ライトニング・ボルト!!」
「哀しみは、時として憎しみ、恨みに変わるものさ。
メフィストの哀しみの心は、他の哀しみの心を吸収し、憎しみと恨みを増幅させた。
それが実体化したのが、ヤツってワケさ。」
私は絶句した。

「くっ!!」
「こ、この!!」
横島クンとシロは、霊波刀でメフィストに斬りかかるが、メフィストの周りに現れたバリアによって弾かれる。
『フフッ・・・・。そんなモノかしら?』
悪魔のような笑みを浮かべるメフィスト。

・・・・・・まだ、戦闘が始まって5分しか経っていない。
すでに私たち全員は、魔王メフィストの圧倒的な力を、心の底から知ったのである。

・・・・続く。

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