ザ・グレート・展開予測ショー

橋姫伝説 その6


投稿者名:弥三郎
投稿日時:(03/ 2/21)


「くくく、来たぞ。こいつ等を仕留めれば後の仕事はやりやすくなるし、武勲物だ。将来は高い地位にいけるぜ。」

男はゲスな笑いを浮かべるとステーションホテルから出た。すでに客と従業員は避難している。
その笑いを見たものは嫌悪感と恐怖にさらされたことだろう。

京都駅に着いた横島たちはまだ残っている人々を避難させている。時折悪霊が襲ってくるがエアタンクを
背負っている辻本と愛子が破邪BB弾で掃討していく。
改札口は確保。在来線と新幹線ホームの悪霊を除霊していく。すでに列車のほうはGメンが結界を張っている。
そして、北口入り口と南口入り口の確保にでたそのときだった。

「!!みんな、伏せろ!!」

横島が叫ぶ。そして6人の頭の上を霊波砲が数発通り過ぎてゆく。

「くくく、いい勘だ。ようこそ、わたしの劇場へ。」

癪に障るような笑い声が聞こえる方を向くと帽子を目深に被った黒ずくめの痩せた男がいた。

「ほう、あんたがこの騒ぎの首謀者か。名前はなんていうんだ。」
「これは、横島君。ご挨拶だね。私の名前は鳥井源丈。将来日本を支配するものだよ。」
「ふん、なんか聞いたことがあると思ったらGS試験で実力がないくせに10年間も受け続けたというおっさんじゃん。」

横島が言ったその言葉で鳥井は狼狽した。

「なぜ、それを……」
「業界じゃ有名だぜ。やっと受かったのはいいけど仕事来なくて首吊りしたとか言う噂だぜ?」
「いや、私が聞いたのは自分が処理できる能力以上の事をやろうとして事故って死んだとか……」

みんなして口々に鳥井の噂を言う。鳥井は時折「うぐっ」とか「ぐはぁ」とか言っている。
そしてみんなが口をそろえて言ったことは、

「結局おっさん生きていたんだ。」

鳥井、轟沈。
通路の隅っこで「いいもん、どうせいいもん」と「の」の字を書いていじけている。

「なんだ、このおっさん。今更いじけてもしょうがないのに。ほっといて結界張ろうぜ。」

横島たちは鳥井をほっといて仕事に取り掛かろうとした。

「ちょっとまてぇい!!私を無視するなぁ!!」

鳥井は涙をる゛ーーと流して叫ぶ。

「うっさいなぁ、おっさん。あんたにこんなことが出来る能力なんてないだろ?ネクロマンサーでなけりゃ
 こんな大それたことできやしねぇよ。」
「そのまさか、私はネクロマンサーだよ。とある国で能力を強化してもらったよ。薬物も使ってな!!」

鳥井はそういうとさらに悪霊の集団を引き出した。

「うげ、最初のときより倍の数じゃないか!!しかし、おっさん。力の差を見せ付けてやるよ。」

横島はそういうと他の5人に北口の確保を優先するように伝えた。

「君一人でこの霊団とどう戦うんだい?さぁ!!死ね!!」

撤退完了まで後2時間30分。


一方バスの中では

「う〜ん、遅いなぁ。苦戦しているのか?」

西条がつぶやいたとき無線が鳴り響いた。

「はい、西条です。」
『ピートです。北口を確保、主なところはすべて制圧しました。』
「ご苦労。横島君は?」
『現在南口付近で敵のネクロマンサーと接触。現在戦闘中です。』
「ネクロマンサーだと?!名前は?!」
『鳥井源丈です。とある国で能力を強化してもらったとか』
「鳥井か、多分『北』だろう。これほどの霊団を出せるようになったとしたら薬しかあるまい。誘導は可能か?」
『ええ、戦闘しているところとはかなり離れているので大丈夫だと思います。ただ、北口から入ってください。』
「了解。全車両に通達!!北口にバスを回せ!!繰り返す、北口にバスを回せ!!そこから脱出させるぞ!!」


撤退完了まで後2時間20分。


その後、続々と生徒達を吐き出すバス。結界がある事を知っていくらか安心しているようだ。
ピートたちは北の警備をGメンに任せて南口への通路を守っている。
時折、悪霊が襲ってくるが問題なく追い払っている。
どうやら最初の臨時列車が名古屋に向けて出発したようだ。
在来線は郊外へ避難しようとする一般人であふれかえっている。新幹線でも定刻列車が進入し、一般客を
乗せて京都を離れていく。4面ホームをフルに使っての避難誘導である。

「横島君は大丈夫なのか?」
「西条さん、大丈夫ですよ。見てください、あそこの窓から横島さんが見えますよ。」

ピートが指差す窓から横島の姿がかろうじて見えた。相当余裕のようだ。

「おかげで予定よりも避難が早く進んでいる。この分だと予定よりも30分早く避難が終わりそうだ。」
「そうですね。横島さんに通信で伝えます。」


『ガガ・横島さん、横島さん。こちらピートです。応答願います。』
「こちら横島、どうぞ。」
『ガガ・西条さんから伝言です。後30分で避難が完了する見込みです。わぁ!遊んでないでさっさと終わしてこい!!』
「西条、ばれてたか。了解。さっさと終わす。」

通信を切ると鳥井に向き直った。

「遊んでいただと?ふざけやがって!!」
「まったく、お前のような奴を身の程知らずって言うんだよ。実力もねぇくせにしゃぁしゃぁとあれこれ
言いやがってさ。さてと、終わりにしますか!!」

横島は文殊を数個生成させると『縛』『浄』を作成し『縛』を鳥井に、『浄』を周りにばら撒いた。

「ぬおお!!動けん!それに、霊団がぁ!!」
「どうだ、わかったか?これがお前と俺の実力の差。薬に頼ったり身の程をわきまえないからお前は負けたんだ。」
「くそぉ、くそぉ!!こんなはずはない!!こんなはずじゃなかったんだ!!」

現実逃避をしている鳥井をさらに結界呪縛ロープで括り付けて担ぐとGメンがいる方向へ歩いていく。

「これでお前はチェックメイトだな。」

横島の勝利宣言であった。

撤収作戦完了45分前にすべての作戦終了。
以後、駅は警戒警備体制に入る。

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