ザ・グレート・展開予測ショー

橋姫伝説 その5


投稿者名:弥三郎
投稿日時:(03/ 2/21)

横島がルシオラの膝の上で撃沈している間、話はどんどん進んでいく。

「で、ガスが足りないんですよね。ガスが切れたらおしまいよ。」
「ああ、それはすでに部下にエアタンクを買いに行かせている。ガスの心配はないよ。
 それに追加でBB弾5000発を追加で買いに行かせた。京都を出るまでの弾丸は十分に確保しているはずだ。」
「ずいぶん買いましたね。で追加応援はどうなっているんですか?」
「ええと、バチカンから30人、イギリスから50人ほど来る予定だ。明日には関西国際空港にチャーター便で着く。
 また、台湾から20人ほどボランティアで参加してくれるそうだ。」
「そ、総勢100人……。すごい数ですノー。」
「それに国内で150人が応援に来る。それほど危機的状況なんですね。」

国際社会は日本からの緊急応援に答える形で人員を派遣して来た。日本が国際経済に与える力が相当大きいのだ。
日本の安定は世界の安定につながる。そう判断した各国政府はオカルトGメンに所属する者達を派遣する事を
決定したのだ。
しかし、それを快く思わない噂のあの国は妨害するために工作員を多数派遣したという情報も入っている。
海上自衛隊は主に日本海と東シナ海にイージス艦を1隻ずつ派遣して工作船の警戒に当たらせている。
日本にとって国運をかけた戦いが始まっているのである。

「うわ〜もうそこまで動いているんですか。」
「昨日、実際にGS協会へ襲撃があったからね。事前に情報が入っていたので犯人を全員逮捕。奴らAK47持っていたよ。」
「うげ、日本でそんなもん撃つなよ。」
「さて、僕はこの銃の整備があるからこれで失礼するよ。」

西条はそういうと辻本からめぼしい銃を対悪霊用に整備するため借りていった。

「思ったよりも大変なことになっていますね。」
「そうですノー。あれ、ルシオラシャン。まだ横島シャンを膝枕しているんですカー?」

タイガーはルシオラがまだ横島を膝枕しているのに気がついてからかい始めた。

「あれー、ルシオラさん、いい雰囲気じゃないのぉ?」
「ああ、これこそ青春ね!!」

みんな口々から買い始める。

「も、もう!!みんなして冷やかすことないでしょ!!」

ルシオラは顔を真っ赤にして立ち上がった。横島が膝の上にいる事を忘れて。

「「「あ。」」」

ごん!!
ぱん!!

「へ?」

銃が暴発したような音が。そして飛び出た弾丸は横島の額を直撃した。

「ヨ、ヨコシマ!!」

ルシオラはあわてて横島の頭を抱え込む。頭からはうっすらと血が出ている。

「ごめんね、ヨコシマ。私の不注意のせいで。ヨコシマァ……」

自分が殺してしまったと自分を責めているルシオラ。そのとき、

「いってぇなぁ……。」
「ヨコシマ?生きてたの、ヨコシマ!!」

横島が起き出したのだ。

「あれ?ルシオラ、何で泣いているんだ?」

ちょっと慌ててルシオラに聞く横島。

「私の不注意でね、銃が暴発しちゃったの。だからそれで横島が死んだと思って……、うわぁぁん!」

横島が無事であることで緊張の糸が切れたのか泣き出してしまった。
それを見て横島は優しく抱きとめる。

「そういうことか。通りで額がいてぇなぁと思ったんだ。でも、こうして俺は生きているだろ?
 心配しなくていいんだぜ。」

そういうと横島はルシオラの頭を優しくなでる。
暴発したのはモデルガンのほうであった。

「びっくりしましたね。どうなるのかと思いましたよ。」
「そうねぇ。あら、もうこんな時間。皆さんもう寝ましょ。」

愛子はそういうと寝る準備を始めた。
そうして3日目の夜は更けていった。


翌日、美智恵の元に緊急の情報が入ってきた。

「隊長、申し上げます!!今朝6時ごろ、京都駅周辺で悪霊の霊団が発生。現在警備に当たっているGメンが
 除霊に当たっていますが数が多すぎて応援が必要とのことです!」
「もう、こんな早く?!横島君たちをたたき起こして!そして生徒達の京都からの撤退を私が指揮します!!」
「了解!!」

報告してきたGメンを下がらせると宿の女将さんにお願いして館内放送を行うことにした。

「皆さん、おはようございます。私はオカルトGメンの美神美知恵です。昨日から話を聞いていると思いますが
 京都は今、危なくなっています。状況が変わってきましたので予定を変更して今からすぐ、京都から離れます。
 すぐに準備をしてバスに乗れる準備をしてください。それから、モデル銃を上手く扱える人を探しています。
 準備出来次第ロビーに集合してください。それから横島君、ピート君、タイガー君、ルシオラさん、愛子さん、
 辻本さんは私のところまで来てください。以上です。」


3分後、横島たちが集合した。霊感が異常を告げていたのだろう、思ったよりも早く起きてしまったとのことだ。

「思ったより早いわ。」
「京都駅周辺ですって?」
「ああ、今のところ表立った障害はないがダイヤが乱れつつある。最悪の場合新幹線はストップする可能性がある。」
「それに今、修学旅行できている中、高校生が5千人ほどいるわ。
 JRと交渉して臨時列車を6本用意してもらっているわ。ありがたいことにすべて新型車両よ。」
「なら、すばやく撤収できますね。」
「一応名古屋と新大阪まで撤収出来るように手配したわ。後は通路の確保ね。
 で、横島君たちには撤収の手伝いをしてほしいの。
 辻本さんと愛子さんはその後列車に乗ってみんなと一緒に撤収して。」
「安全に撤退させるためですね。」
「そう。その後横島君たちは令子たちとこの元凶を突き止めてほしいの。お願いできるかしら?」
「了解しました!!」

朝7時30分。長い一日が始まる。


京都駅
早朝の時よりは幾分か霊団は少なくなっているものの、依然として未だに多いのが現状だ。
京都駅近くでバスを待機させて横島たちは京都駅方面へ歩いていく。
駅前通りには破壊されて炎上する車や、窓ガラスが割れたビル。そして逃げ惑う人々がいた。

「三十三間堂方面(東)へお逃げください!!Gメンが保護してくれます!!烏丸方面(北)は危険です!!」

霊的防護服を身に着けた警察官が非難する人々を誘導していく。辺りはひっきりなしに救急車が行きかう。

「ひどいな。京都駅に結界を張るぞ。みんな、心してかかれ!!いくぞ!」

横島は他の5人に呼びかけると京都駅に走っていった。

撤収完了予定時刻まであと3時間。

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