ザ・グレート・展開予測ショー

僕にその手を汚せというのか

投稿者名：ブタクリア
投稿日時：(99/ 8/17)

フランス発の飛行機が到着したばかりのあわただしい空港。
そのタクシー乗り場に顔だちの整った若いシスターが一人。
運転手にフランス語混じりの流暢な日本語で道を訪ねているのか、運転手は身振り手振りでの何か言っている。
シスターは身振りでの説明をなんとか理解したようで、足元のに置いてあった、編み上げブーツに良く似合う茶色のカバンを持ち、歩きだした。

目的地へ向かう途中、古びた建物が目に入る。
少し陰鬱な建物、その正面にさしかかったとき、２階から人が落ちてきた。
いや、落ちたと言うより吹き飛んできたと言ったほうが正しいだろう。
受け身など取る余裕もない速度で吹き飛んできた彼の身体は地面に打ちつけられ、大きく弾んだ。
彼は痛みなど感じていないかの様にすぐさま立ち上がり、歯を『クッ』と鳴らしす、直後か直前か、彼が吹き飛んだときに開けた壁穴から、あからさまな敵意をもった霊体が彼めがけて襲いかかった。
彼は右手から伸びた剣の様な光で霊体を迎え撃つ、一撃、あまり効いてはいないようだが力の方向を変えられ地面に激突、彼はバックステップし少し距離を取ったと思うと胸の前に突き出した左手が光った。
そこから発生したビー玉の様なものを霊体に投げつけると、叫び声を残し霊体は消滅した。

シスターはその青年の姿に父を思い出していた。
神父でありながら悪霊払いに専念していため、教会から破門され、それでも悪霊払いをやめなかっため司教であった祖父に母と自分から引き離された父。
シスターの名前はニコル・Ｆ・カラス。
母は３年前に亡くなっており、それ以来、母の友人の紹介でフランスの教会につとめていたが、１週間前、ニコルは父と同じ様に教会から破門された。
ニコルを不びんに思った母の友人が祖父から口止めされていた、父の居場所を教えてくれ、ニコルは父の元へ向かった。
志を貫くため、それよりも、父と一緒に暮せる喜びのため。

父や先ほどの青年の様に、悪霊払いの能力があれば、自分ももっと早くに破門になっていたかもしれない、ニコルは歩きながらそんなことを考えクスッと笑った。
先ほどの青年。
記憶の中の父と似ているわけではないがなぜか頭の中で父と重なる。
頭の中、いや、もっと深いところ、心の奥に焼き付いてはなれない。
甘く、尖った感情。
肺の下の左奥が、きゅっ、となる気持ち。
それはニコルにとって初めてのこと。
それは、恋や一目惚れと言った感情なのだが、ニコルはそれに気づかず初めての気持ちにとまどいながらも、悪い気分はしないといった足どりで父の教会へ向かった。

唐巣とピートは１週間ぶりの教会に少々の懐かしさと安堵を感じていた。
『今回の除霊はなかなか大変でしたねー』
台所から戻ったピートは、たまった手紙を整理している唐巣に紅茶をさしだしながら言う。
『お、悪いねピートくん、しかし、犠牲者も出なかったし、被害も少なくすんで…ん？』
一つの手紙を見たとき、唐巣の手と言葉は止まった。
『どうしたんです？』
『…私の、妻だった女性の友人から、手紙らしい…』
ピートは唐巣に別れた妻がいたことに少し驚いたが、唐巣の神妙な面持ちを察し、今はそれについては深く触れないことにした。
『おお！私の子供が、教会を破門になり、４日後に日本に来るらしい…ん？４日後？日付からすると…今日じゃないか！』
ピートは唐巣に子供までいたことにさらに驚いた。
『…破門、ということは、お子さんもゴーストスイーパーを？』
『いや、それが破門の理由は手紙には書いてな』
---リーンゴーーン---
訪問者を告げる鐘がなる。
『！』『！』
二人は顔を見あわせた。
扉が開き、声がする。
『あの～、ごめんくださいまし、こちらは』
訪問者と唐巣の目は線で結ばれ、互いに言葉を無くした。
第一声は唐巣。
『……ニコルくん、かい？』
訪問者がうなずくと、涙のしずくが落ち、扉から差す太陽の光で輝いた。
ニコルは父の前にゆっくりと駆け寄り、一礼して言う。
『お久しぶりです。お父様。』
『ああ、久しぶりだね、ニコルくん……え～、なんと言ったらいいか…』
ピートが親子の再会に水を差すさぬよう、紅茶を入れ直しに行こうとしたとき、唐巣が困ったような声で続けた。
『…手紙では今一つわからなかったが、君の姿を見て破門になった理由がわかったよ…』
『私、何一つ主の教えにそむいてませんわっ!!』
『それじゃその服装はいったいなんだね!?　ニコル神父。』

え～と、創作にするつもりなくてサラッと簡潔に書こうと思ってたんですが、勢いでこうなってしまいました。
ＧＳの黄金パターン(？)、『百貨店からのリメイク登場』です。
なんとなくＧＳでシスター姿って見たいなと思っただけなんですが、色々ふくらんでこんなことになりました。
ピートに惚れるほうが自然かなぁとも思ったんですが、『ミコvsシスター』が見たい！　いう背徳的な理由でこのざまです、すみません。
ドリキャスで書き込みしてるんですが、『はらい』が『払い』としかでないんで(違う変換知らないだけ？)そのへんは勘弁して下さい。

今までの　賛成：1　反対：0
コメント：

青年は横島ですか？
(ＹＡＮＡ)
ミコ、つまりおキヌちゃんのことだよな。
つ―ことは青年は横島ってことになるよなぁ。

(遊霊)
あのぉ...「シスター」と「神父」では、養成機関が異なると思うのですけどぉ？
...もしかして「シスター姿した神父」ですかぁ？（血の涙）
(ＴＯＭＯ．ＫＩＮ)
剣の様な光＝霊波刀
ビー玉＝文珠
分析の結果横島でしょうねたぶん。
(マクスウェル)
ミコとシスターの戦い……！
横島があいてをするだろうか？
シスターの正体を知るまでは、なるだろうな～。
(夢雄)
え～と、青年についてはみなまで言いません、というかみなさん、わかりますよね？

え～と、シスターと神父の育成とか、神父の離婚のこととか、そのへんの宗教関係のことわかんないでかきました、すみません、あと書いたあとに、『あれ？フランスに空港ってあるのかな？』とか思ったりしました(無知)。

一応、(有)椎名百貨店１巻の『1/2ポンドの福音』のシスター(神父)をリメイクという形で使ったんですがわかりにくかったスか？わかりましたよね？最後のセリフほぼそのまんまだし。

(ブタクリア)
ん～、もっと続きみたいなぁ。最近、ピート全然出てこないし。
(わたし)
つ、続きっスか・・・、他にも見たい人がいれば書きますが・・・どうでしょう？
(ブタクリア)
えーっと神父は離婚はおろか、そもそも結婚が出来ません。
ひょっとして隠し子？
でも、「妻だった女性」って言ってるしなー。
神の道に入る前に結婚してたのかなー？
ウーム(^^;)
まあ、唐巣神父も45。過去にロマンスの１つや２つあっても
(若い頃はカッコ良かったし)・・・。

P.S:フランスにももちろん空港はあります(^^;)
パリ郊外のシャルル・ド・ゴール空港などは有名ですよ。

(E.I.)

[ 戻る ]