ザ・グレート・展開予測ショー

同棲するって本当ですか?4


投稿者名:ぱらどくす
投稿日時:(99/ 8/16)

「転」その2です。 この3、4話「女の対決は避けて、代わりに横島をしばく。」というコンセプトでやったので、いま
いち盛り上がりに欠けてるかも。
やっぱりこのお話は横島Xおキヌの情景描写が一番おいしいな。 小鳩、美神にゃ悪いけど。


:学校
「横島―! こん外道!!」
横島が小鳩と一緒に学校に着くと、突然何者かに殴られた。
「な、何しやがる!」
見ると、相手は横島のクラスメートである。
「てめぇおキヌちゃんと同棲してるらしいじゃねーか。 それなのに小鳩ちゃんと登校とはどういう了見だ!」
「なんでお前がそのことを!」
聞くまでもなかった。 すぐそこでは貧乏神が、横島の担任にあることないこと報告している最中だったのだ。
「こらー! お前の用事てのはこれかー!!」

「なんで俺がこんな目に…」
ひととおり皆に事情を説明し終わった頃には横島はボコボコになっていた。
(まあ、確かにおキヌちゃんはかわいいしな。)
横島の頭の中にうれしそうに食事を作ってくれるおキヌの姿が浮かぶ。
(それに小鳩ちゃんもけなげだし…)
横島が隣の部屋に帰る、そのことを聞いただけで「よかった」と言ってくれた。
「あれ? 待てよ。」
そこまで考えた時、ふとひっかかるものがあった。
(ひょっとして二人とも、誰にでも優しいとかその場の雰囲気に流されたとかじゃなくて、本当に俺に惚れてると
か? まさか俺、もてるのか?)
二人の幸せそうな顔を思い出すと、そんな気がしてくる。
「大丈夫ですか? 横島さん。」
その時ピートが声をかけてきた。
柔らかい金髪、優しさと憂いの両方を湛えた瞳、まっすぐの鼻筋、涼しげな口元、そして善良そのもののオーラ。
(面白くない。)と思った時、ピートの横島のコンプレックスを刺激する顔立ちが急に後ろに下がった。
クラスの女子たちに引きずられて行くのだ。
「だめよ、ピートくん。 同棲男なんかに近づいちゃあ!」
「そうよ! 不潔よ!」
「あっちに行きなさい! 病原菌!」
そして、横島の甘い推理は崩壊した。
「 うおおっ! どーせ俺なんてー!!」


:夕方、家

「…くしゅん! ただいま〜。」
おキヌが帰ってきた時、家は横島のクラスメートでいっぱいだった。
「おかえり、おキヌちゃん。」
「どうしたんですか?」
「ごめん、学校の連中にばれちまって。」
横島が事情を説明する。
「たいへん、お茶出さなきゃ。 お菓子とかありましたっけ?」
「あ、おキヌちゃん。」
おキヌが台所に入っていく。
そこにはすでにヤカンがかけられ、ひとりの女生徒がいた。
「小鳩さん!」
「あ…おかえり…なさい。」
「え、えーと。」
おキヌは小鳩が横島に好意を持っていることを知っている。 だから、こういう時にどう言えばいいのかを迷った。
「おあいこ…ですね。」
小鳩がにっこりと笑う。 すぐにおキヌは小鳩が、貧乏神を鎮めるために横島と結婚式を挙げたことを言っている
のだと気付いた。
「あ、あはは、そうね。」
「うふふ。」
おキヌと小鳩が微笑み合う。 その時ヤカンの湯が沸く音がした。
「あ、お茶…」
小鳩を手伝おうとしたおキヌが、足を踏み出そうとしたとたん、ふらついて倒れる。
「お、おキヌさん! 熱があるじゃないですか!」
驚いて助け起こした小鳩が叫んだ。




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