ザ・グレート・展開予測ショー

モンスタースイーパー (その12):魔王遭遇編


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 2/19)

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モンスタースイーパー (その12):魔王遭遇編



翌日・・・・。
再び、空を紫色の雲が包んだ。
私たちは森を抜け、魔王の城の前に来た。
グオォォォォォォォ・・・・・・
「すごい霊気ね・・・・・。」
「勝てるんスか?」
「私が負けると思う?」
「いえ・・・・。」
「さぁって、それじゃ行きますか!!」
私たちは、巨大な扉を開き、城の中に入った。



ザァァァァァーーーーーーーーーー!!
私たちが城に入った瞬間、外は雨が降り出した。
ギィィィィ!!バァーーーン!!
「ヒッ!」
短い悲鳴をあげるバベロス。
巨大な扉が、突然閉まったのだ。
「横島クン。」
「ういっス。」
横島クンは、扉を開こうとするが、まったくビクともしない。
「ダメっスね。開きません。」
「これで逃げ場は無くなったねぇ。」
「・・・・・・。」
ブルブルと足を震わすシロ。
「恐いの、バカ犬?」
「狼でござる!!それに、お主もブルブル震えているじゃないでござるか!!」
タマモも、腕がブルブル震えていた。
「ち、ちょっと寒いだけよ!」
・・・・・・・・。
恐いのか、武者震いなのか分からない。
バベロスは、体をガクガク震わせて、今にも泣きそうな顔をしている。
おキヌちゃんは、体をプルプル震わせていた。
私と横島クン、そしてゴーゴンは、近くで見ないと気付かないくらい、僅かに体を震わせていた。
久しぶりに体を震わせていた。
あの、アシュタロスとの戦いの時以来だ。
・・・・・・・・・。

『よく戻ってきてくれた、我が娘よ・・・!!
信じないかもしれないが、愛しているよ。』

ブンブンッ!
私は頭を左右に振る。
今思い出しても、鳥肌が立つ。
あの時の脱力感は、忘れたくても忘れられるほど、生易しいものではない。
・・・・・・・。
今は、魔王だけに集中しなければならない。
本当だったら今頃、宝物庫にある財宝を漁っているところだが、
そのようなことは、体に襲い掛かる恐怖によって、心の奥底に押し込められていた。
・・・・・・・行くしかない。
私たちは、ゆっくりと、足を進めていった。



ピシャッ!!
雷が落ち、城の中を閃光が包む。
私たちの恐怖を仰ごうとしているのだろうか・・・・。
私は、後ろを振り向いた。
覚悟を決めたのか、横島クン、おキヌちゃん、シロ、タマモは、真剣な表情をしていた。
そして、魔王のいる所へ向けて、力強く歩いている。
それを見て、私は思った。
・・・・・いい仲間を持ったと。
いつもは、バカなことをやっている横島クンとシロ、毎食きつねうどんばっかり食べているタマモ、いつもおいしい料理を作るおキヌちゃん・・・・。
私が気付かない間に、皆は、こんなに成長していたのだ。
・・・・・私もシャンとしないといけない。
美神令子除霊事務所の所長である私がシャンとしなければ、皆に示しがつかない。
私は前を向き、自分に気合を入れた。
そして、魔王のいる所へと進んでいく。
・・・・・・魔王を倒せば、全てが終わるのだ。



ギィィィ・・・・・・・
扉を開き、私たちは玉座の間へと入った。
中は広く、学校の敷地ぐらいの面積があった。
その一番奥に、玉座が1つあり、
そこに、黒いコートで身を包んだ何者かがいた。
形から見て、化物ではなく、人間みたいであった。
顔は、フードのせいで分からない。
玉座に座っていた何者かは、ゆっくりと立ち上がる。
「・・・・・アンタが、魔王?」
「・・・・・・・。」
「答えなさいよ!」

『・・・・・・・・・初めまして、もう一人の私。』
「?」
『フフ・・・・。』

何者かは、フードを外した。
「「「!!」」」
私と横島クン、そしてゴーゴンは驚愕した。
紅い髪、紫色の唇、尖った耳。
忘れたくても忘れることが出来ない・・・。

「・・・・・・メフィスト。」

・・・・続く。

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