ザ・グレート・展開予測ショー

失われたドクロ(4)


投稿者名:MAGIふぁ
投稿日時:(03/ 2/19)



これは美神一行の空港でのお話である。



「ハワイー!ハワイやーっ!」

「はわいって空港って所にそっくりですねぇ」

お約束を忠実に実行する横島とオキヌ。

それを苦笑して見ている美神とピートと、不思議なモノを見る目で見ているシロタマ。

唐巣の手がかりを求めて、美神達はハワイへとやって来ていた。

飛行機のチケット代を渋っていた美神だったが

「仕方ありません…ここから先はエミさんにお願いします…」

というピートの捨て身のブラフ(ハッタリ)で折れたのだ。

エミはピートのお願いなら大抵の事は聞いてくれるだろう。しかも、一緒に海外に行ってくれという今回のお願いを断るとは思えない。

…ただ、宿がピートとエミの同室になるのがもれなく条件として付いてきそうではあるが。

「唐巣神父の為でしょうー?探したくないワケェ?協力はいらないの?」

と言って迫ってくるエミの姿がピートには見えるようである。

そして美神にしてみれば、唐巣神父を見捨てた事がエミに知れたら、その噂は瞬く間に業界中に広がる事になるのが目に見えている。

師匠を平気で見捨てた冷血女の称号など願い下げだ。

そういったわけで美神はしぶしぶ今回の事件の解決に乗り出す事にしたのだ。



「所で何でハワイなんですか、美神さん?チケット代が安いって理由だけじゃないでしょう?」

お約束をやりきって一仕事終えた顔をした横島が聞く。

「ハワイが太平洋の真ん中にあるからよ。それにオーストラリアからじゃ、中南米への直通便は少ないのよ」

「やはり中南米…ですか?」

「ええ、多分ね。私の霊感もそう言ってるわ」

訳知り顔でピートが呟き、美神も同意する。

「何で中南米なんすか?」

さっぱり分かっていない横島が解説を求め、おキヌが説明する。

「唐巣神父が持っていたっていう水晶のドクロは元々中南米…メキシコでみつかった物なんですよ」

「ふ〜ん…ま、いいや。じゃ、確認という事で文珠使っていいっすか?美神さん」

「OK」

美神の許可が出る。そして何故か横島は荷物の小物入れを探り出した。

そして程なく目的のものを取り出す。それは…

「ガチャガチャ?アンタそんなもんどーすんのよ…」

「こーするんですけど」

横島が取り出したのは、主に100円を入れてツマミを回すとカプセルに入った小さなフィギュアが手に入るアレだった。ちなみにガ○ダムの物らしい。

横島はフィギュアをカプセルから取り出し、代わりに文珠を入れた。そして“探”の文字を込めて発動。

以前はそのまま飛んでいってしまった文珠だが、カプセルに入れて横島が持っているのでその場に留まっている。ただ、カプセルの中で一定の方向に常に向かおうとしている。その方向は………南東だ。

「決まりだわ。やっぱり中南米みたいね」

「そうですね…しかし、横島さん何でそんな事を?」

「文珠も無限に使えるわけじゃないからな。神父と距離が近くなれば頻繁に使う事になるだろ?だから出来るだけこうやって節約しようと思ってな」

そう言って文珠に込めた文字をキャンセルする横島。“探”の文字が消えて、飛ぼうとしていた文珠がカプセルの中で落ちる。

「込められた霊力が無くならない内は再利用できると思うぜ、やった事ないけどな…じゃ、それはお前に預けとくから」

「ありがとうございます、横島さん…」

こうして確かな手がかりを持っていると、それだけで逸る心を落ち着かせる事が出来る。ピートは横島の心遣いに感謝した。

「じゃ、行くわよ。取り合えず、目指すは…メキシコ!」

『はい!』

美神の景気付けに全員がそろって返事をした。

しかし、まだ次の便が出るのは数時間後の事である………………



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