ザ・グレート・展開予測ショー

語ろう会 ―2後半―


投稿者名:KAZ23
投稿日時:(03/ 2/18)

<前半からの続き>


「まぁ、あの時は流石にビックリしたよな〜・・・」
「あはは・・・そう言えばそんな事も有りましたねぇ〜・・・」

所変わって、横島さんのお家の一室。
こちらにいるのは女性の3人組です。

「あ、あ、あの時わたくしも若かったですから・・・」

真っ赤になってワタワタとしている女性は、先程男性陣の話題に上っていた弓かおり。雪之丞の奥方にして現在は1児の母だった。

「親父さんに大反対された弓は、そのまま雪之丞さんと駆け落ち・・・」
「・・・ってのが普通の流れなんですけどねぇ?」

苦笑しながら昔を懐かしんでいるのは、一文字魔理と横島キヌ。

「うちもお義父さん達にちょっと反対されたけど、弓さんのお父さんは本当に物凄かったですもんね・・・」
「わたくしとしては、むしろ『ちょっとで済んだ』おキヌちゃんの方が驚きなのですけど・・・」

かおりの言っている事は正しい。

「考えてみればそうだな〜・・・弓の方は別に普通のプロポーズだったし。まぁ『貴様のような何処の馬の骨とも分からん奴に娘がやれるかー!!』ってのも古臭いけどホームドラマなんかじゃありがちだわな。それに引き換えおキヌちゃんの方は・・・」
「うっ!」

何処かのお父さんの真似をしてみせる魔理。続けておキヌの方に視線を向ける。
おキヌにもそう言われる心当たりが多分に有った。
なにしろねぇ?

「・・・・・・そ、そしたら弓さんは意外にあっさり引き下がって、2ヶ月なんのアクションも起こさないと思っていたら・・・」

おキヌはさり気なく・・・あんまりさり気なく無いけど本人としてはさり気ない風に話題を振り直してみる。

「だなぁ・・・弓の事だから、何かやるんだろうとは思っていたけど・・・」

おキヌの振った話題が功を奏したのか、再び話題はかおりの結婚話へと戻った。
そして、かおりの顔はますます赤くなっていく。

『お父様、わたくし雪之丞さんの子供が出来ました!』

「・・・ですもんね。」
「・・・だもんな〜!」

同じ台詞の部分をはかったようにハモるおキヌと魔理。
そう、かおりと雪之丞は手っ取り早く既成事実を作る作戦を取ったのだった。
・・・あまり推奨できる作戦ではないです。

「あ、あ、あ、あの時は、あ、あ、あれが一番確実だと思ったのですわっ!もう!そんなに虐めないで下さいっ!」

かおりはティーカップを置くとソファークッションを取ってそれに顔を埋める。

―― ギィー ――

そこで部屋の戸が開いた。

「お母さ〜ん・・・」
「失礼します。」
「ちーっす。」

そういって入ってきたのは、3人の少女達である。

「あら?どうしたの貴女達?」

おキヌが尋ねると、彼女に良く似た少女がある物を差し出してきた。

「アルバム見つけたの。お母さんたちの写真が有るやつ。」

娘の名前は絹華。横島とおキヌの間に生まれた女の子で、今年中学1年生になったおキヌにそっくりな可愛らしい娘だった。
名前の由来は母親から1文字と、その親友から1文字・・・

「お袋達って、本当にあたしらと似てるよな〜・・・」
「本当ですわ。前々から思ってましたけれど、この写真なんて私たちの3年後そのままって感じがしますわよねぇ?」

こちらはそれぞれ、魔理の娘の未理とかおりの娘の沙雪(さゆき)。
こちらの2人も、それぞれ母親の特徴を色濃く受け継いでいるように見受けられる。
容姿も性格も共に。
そしてこの3人は同い年の13歳。そろって同じ六道学園中等科1年生で、クラスも同じ。当然、親同士の親交が有った為に幼少からの幼馴染だ。

「アルバムかぁ〜・・・懐かしいですね。一緒に見ましょうか?」

おキヌは新たに3組のティーセットとプチケーキを用意しながら、友人たちに声を掛ける。

「良いですわね。懐かしいですわ。」
「だな。じゃあ今度は子供にも聞かせられる思い出話でもするか?」

魔理はそう言ってかおりに目配せした。ちょっと意地悪い視線で・・・

「い、一文字さん?!あ、貴女はっ!?」
「まぁまぁ2人とも、子供たちもいるんですから・・・」

魔理にからかわれて怒り出すかおり。
それを仲裁するおキヌ。
もうずーっと、この3人はこんな関係だった。
そして、きっとこれからもこんな関係なんだろうと思われる。
その後は子供たちを交えて、彼女たちの昔話は暫く続いた。

・・・・・・・・・・・・










「ほー・・・そら又、思い切ったことしたもんやないか?」
「結局それで親父さんも、渋々ながらも認めざるおえなかったんだよなぁ?」
「馬鹿野郎!それでも結婚までは2年待たされたんだぞっ!?」

ようやく話が一段楽したあたりで、雪乃丞が話題に飛び込んでくる。かなり顔が赤いようだ。

「そうでしたね。『弓式除霊術本家の跡取となってもらう為、貴様には全てを叩き込む!』って言われて、GSの仕事も全く無しで修行三昧でしたものね。」
「なんとか師範として認められるまで2年じゃけんのー・・・・・・それが結婚の条件じゃったけん、式の当日にはもう沙雪ちゃんは1歳半くらいになってたのー・・・」

しみじみと語るピートとタイガー・・・

「あの時・・・親父さんに認めてもらった時の、お前の泣きっ面が忘れられん。」
「じゃかあしぃぞ、横島っ!!」

―― ビュン、ガンッ ――

「ダッ!?」

思い出し笑いをする横島と、栓抜きを投げつける雪乃丞。
栓抜きは横島の顔面にヒットした。ちなみに雪乃丞と横島の距離は2mも無い・・・

「ほらほら、そんなことしてないで・・・」
「楽しく飲みましょうよ。」
「そうやね。2人ともそこまでや。」

睨み合う横島と雪乃丞を、残りのメンバーが苦笑混じりに引き離すのだった。
ちょっと店に迷惑な客だね。
酒もまわり、全員が程よく良い気分に浸りつつ・・・
・・・・・・夜はまだ続く。


今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa