ザ・グレート・展開予測ショー

同棲するって本当ですか?3


投稿者名:ぱらどくす
投稿日時:(99/ 8/16)

懲りずに3話目です。 起承転結の転として考えた話ですが、いくらなんでも長すぎたので3,4と二つに分けて
登録します。
今回はおキヌちゃんはちょっと出番少なくて、かわりに小鳩登場です。 おキヌちゃんファンの方には申し訳ない
んですが、「清く貧しく美しく」へのオマージュとして始まったと言うことで勘弁してください。


:2日目、朝、家の前

「おはようございます、美神さん、くしゅん!」
「なあに、風邪? おキヌちゃん。」
「ちょっと湯冷めしちゃって。」
玄関の前で美神がおキヌ、横島と話している。 今日は2人とも学校へ行くことになっているのだ。
「昨日、横島さんがお台所でねむちゃって、なんとかしようとしたんですけど横島さん起きなくって…」
「ほっときゃよかったのよ、そんなの。」
当の横島は台所で朝まで毛布一枚で過ごしたくせにぴんぴんしている。
『ところで、昨日家の中への銃撃が2度あったんじゃがおぬしのしわざじゃないだろうな。』
「あらそう、物騒ね。 知らないわ。」
コンマ1秒でさらっと美神が答える。
家守りとの約束は、3日間横島とおキヌが自然な同棲生活を送ることであり、不自然な干渉は違反であった。
しかし、家守りの知覚力は家の敷地内に限定されているため、証拠が無ければいくらでもトボケようはある。
『まあよい、予想通りあの二人は実に心地よい。』
家守りは何も二人の姿を覗いている訳ではない。 普段は住んでいるものの霊気を受けながらまどろみ、いざ事が
あった時には起き出して住人を守る。 そういうものである。
『温かい、幸せな霊気を発しておる。』
ピクッ
家守りの言葉を受けて、美神の額に血管が浮かぶ。
「それじゃ、行ってきます美神さん、横島さん…くしゅん!」
「あ、じゃ、じゃあ俺も。」
おキヌと横島がそれぞれの学校へ向かおうとする。 しかし、横島だけは美神によって家守りの知覚力の届かない
ところまで引きずっていかれた。
「み、美神さん! 誤解ですからねっ! 昨日は俺、外で頭を冷やそうとしただけで…」
「い〜え〜。 家守りも満足してるみたいだし、ずいぶんがんばって『仕事』やってるみたいじゃない。」
異様な抑揚をつけた口振りで、血管を浮かせたままにっこり笑って美神が言う。
そして、突然横島の襟を締め上げる。
「今度おかしなそぶりしたら、永久に眠らせてやるから憶えときなさい!」
そう言うと美神は手を放して、横島を放り出して車に乗り込んだ。
「じゃあわたしは帰るけど、夕方にはまた来るからね!」
美神は昨晩横島の麻酔が醒めないか監視していたため寝不足なのだ。


:路上

「ほら、小鳩。 何してんねん。」
「で、でも、貧ちゃん…」
美神に放り出された横島が立ち上がると、そんな声が聞こえてきた。
「小鳩ちゃん!」
『おお、横島。 ちゃんと小鳩に説明したってや。 ほな、わいは用事があるさかい。』
貧乏神はそう言うと小鳩を残して消えてしまった。
「こ、小鳩ちゃん… こ、これは…その…」
横島がどう言おうか迷っていると、小鳩が顔を伏せたまま、しかし意を決したように言った。
「横島さん……貧ちゃんの言ってたこと…本当だったん…ですね」
「ち、違う! それは君の誤解っ!!」
横島があわてて弁解しようとすると、
「えっ? 除霊のお仕事だって聞いたんですけど、違うんですか?」
さらっと言った小鳩の言葉を聞いて、横島がもんどりうって倒れた。
「違わない、違わない! 実は…」

小鳩は、事のあらましを説明する横島の言葉をじっと聞いていた、そしてこう言った。
「それじゃあ、横島さんアパートに帰ってくるんですね。 …よかった。 わたし、横島さんがもう戻ってこないのかと
思って…」




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